クレア
僕の心に住み込みのスープおばさんがいて、心を煮込んでスープを作る。最近いい切れ端がないのよと舌打ちするおばさん。心に余裕がなければ切れ端などでき ない。睨みつけられ僕はやむを得ず本を読む。ゆっくりとお茶を飲む。満足そうなおばさんが差し出すスープが僕の疲れを奪い去る。#twnovel
神隠し鬼
神隠し鬼に魅入られている。あるべき場所から消えた物が何度も探したはずの場所で忘れた頃に見つかる。今回もそうなのだろう。心当たりに何度足を運んでみ ても見つからない。いつもと同じ、忘れた頃に見つかるから大丈夫。そう思うのに忘れられず、だからきっと見つからない私の恋人。#twnovel
あとのまつり
失言に後悔したところで後の祭り。笛の音ぴーひゃら、もの悲しく響く。焼きそばには肉が入っていないし金魚はすくえないし林檎飴は落っこちた。散々な僕を笑う狐面の男が二度とくるなと出口を指し示す。#twnovel 気づけば僕は部屋にいた。後の祭りはもうたくさんと、僕は彼女を追いかける。