赤い手紙
死んでしまう前に大好きな君に手紙を書く。ずっと大好きだったってやっと伝える決心をした途端、こんな風になるなんて。運命って不思議。あのね私、ずっとずっと君のこと。#twnovel「最後の力を振り絞って書いたのでしょうか。逮捕の決め手は、被害者女性自身の血で書かれた赤い名前でした」
夢であえたら
もしも夢でも会いたいのなら鍵が必要で、それは君を思い出せる、君が私を思い出せる宝物の類。借りたまんまの本だとかいつか貰った銀の指輪とか。けれど大 切なこの指輪でさえ近頃では鍵穴が合わない。夢で会いましょう。君がそう囁きかける彼女の指に光るダイヤがキラキラと眩しい。#twnovel
エレベーター
ハローハロー、こちら宇宙ステーションごきげんいかが? 最上階17階から階段を登るとそこは僕らの秘密基地。ハローハロー、真夜中こっそり部屋を抜け出し集まる僕ら。星を眺めてお菓子を食べて。ハローハロー、ガチャ。振り向けば宇宙怪獣。に、逃げろ!#twremix @literaryace
君のパパが乗る宇宙船を港で見送る。半年は戻らないその船が見えなくなっても空をみあげる君だけれど、「あ、流れ星!」と我に返る。寂しくならないおうちをください。みゃあ。流れ星が鳴いた?@literaryace #twremix 猫の目に騙されがっかりする君。そのお願いはいつか僕が。
螺子巻きメイド
螺子巻きメイドは自分で自分の螺子を巻く。エプロンの紐を結ぶようにその細い指でくるくると。巻かれていた頃、命じられた。私が死んでもお前は自分で螺子 を巻いて、そして生きて。ささやかな願いはやがて愛しい呪いに変わる。荒れ果てた世界に彼女を縛る永遠の命。螺子を巻く。笑う。#twnovel
四角い絵
まるで景色そのものだ。見定める客に、いいえ景色ですと店主。世界を切り取り額の中に閉じ込めたという。客は笑う。私は世界を旅してきたがこんな四角い穴はなかった。本当に全てを旅しましたか例えばそう。#twnovel 店主の指先に胸。そうだ胸にぽっかり空いた穴を埋めるため絵を買いにきた。