なほ
しおりをつける盆
迎え火に誘われ胡瓜の馬で辿り着くと君は驚いた顔。まさか見える形で僕が帰るとは思わなかったみたいって僕もさ。お盆を二人で満喫して最後の晩。焼き茄子 で晩酌して帰ろうかと思うと牛がない。帰りの足なんかないもん食べちゃったもんと無駄な抵抗で涙ぐむ君。ありがとう、また来年。#twnovel
花火
クラスで一番綺麗なあの子はどうやら彼氏と花火にきてた。浴衣を着て手を繋いで。次の日あの子に聞いたんだ。花火は綺麗だった？って。好きな人とみる花火の美しさを私はまだ知らない。#twnovel そうねと私は頷く。本当は見ていない。目を閉じてキスをして。けれどあなたに知られたくなくて。
君は僕の未来
未来が映る鏡には意地悪なあの子と結婚する僕の姿。不機嫌そうな僕らはとても幸せには見えない。こんな結婚冗談じゃない。この手で人生を切り開く。勉強を する。料理の腕を磨く。格好いい僕になって最高の結婚をする。鏡に映る別の未来。不機嫌だったあの子は僕の隣でやわらかに笑う。#twnovel
過去今未来
今を変えるため過去を変えたい。過去旅行をお望みのお客様のため、当社ではタイムマシンを大幅増便してお待ちしています。#twnovel 過去へ飛ぶお客様に手を振る。皆さま変えられますでしょうか。過去など他人。他人はなかなか変わりません。今を、自分を変えれば未来は変わるはずなのですが。
肉じゃが
肉じゃがは冷めた方が好き。熱さで誤魔化されずに、じっくり味わうことができるから。恋は冷めた方が好き。熱さで誤魔化されずに、じっくり味わうことがで きるから。どんな温度でも肉じゃがは肉じゃがで恋は恋だ。私はこの夏の名残りを恋を、惜しむように確かめるように食べ尽くす。#twnovel