滅びる
「間違えたからやり直しね」そう言って神様は台本を閉じた。「違うんだよねそうじゃないんだよね。ちゃんとしないと滅ぼしちゃうよ?」そうして僕らはまた最初から世界を始める。台本通り進めばきっと。#twnovel 「ねえ神様。台本通り間違えず進むとどんなご褒美ユートピアが?」「滅びるよ」
種
僕の胸にぽっかりあいた穴に君は種を埋めた。悲しむ顔など見たくないのと手を汚すことも厭わずに。僕の涙ですくすく育ってやがては白い花が咲く。一番に君にみせたいと思った。#twnovel 花が白から赤に染まればヤツの最期。悲しむ顔はもちろんどんな顔も見たくない。種も仕掛けもあるのです。
旅する本
その本は旅をしていた。ふらり立ち寄った本屋や図書館に昔からいたような顔で並ぶ。買われたり借りられたりしながら新しい発見を自らに刻む。貴方の本棚か らいなくなった本には貴方のことが記されているかもしれない。とても丁寧に話を聞いてくれるから、つい長居してしまっただとか。#twnovel
静かなる世界
日増しに大きくなる蝉の声に辟易した僕らは最強の蝉駆逐部隊を組織する。それによりこの夏、木から土から全ての蝉とその子供たちが消去された。静かなる世 界。後に蝉の声とは、蝉がその羽で暑さを砕く際に生じる音だと解った時にはもう遅い。灼熱の世界はやがては灰に。静かなる世界。#twnovel
ちょうちょ
ソれはミわたす限りの空をミっしり埋めつくした。終わらない夜。美しく季節を告げるはずだった彼らがルシファーの如く反逆を企てる。物語ならレンアイ物が よかったけレド、わがまま言ってもいらレない。ミんなとならばファンタジーも悪くはないさ。ソれはソうだいなソらと蝶々の物語。#twnovel