羊たちと沈黙
眠れずに羊を数える。数えた羊は増え続け庭まで溢れる。これを活かさぬ手はないと毛糸を紡ぎ、肉を売り、莫大な富を手に入れた。素晴らしい日々。たくさんの出会いと別れ。駆け抜けるような人生を終えた僕は孤独の中人生を、いや、羊たちが側にいてくれた。夢だった。#twnovel
報道
TVが報せる犯人の名前には聞き覚えがあった。悪意あるとしか思えない悪人顔の写真には、けれど20年前の面影を感じる。穏やかな人だった。好きとも嫌い ともいわず側にいた。いつもなら偏見だらけとうんざりする報道に彼との思い出が守られる。罪は罪。けれどあの日々は変わらない。#twnovel
ペンキ
世界を塗りかえたい!彼はペンキ屋に弟子入りした。季節で変わる桜や紅葉を希望したが常緑樹に配属され不満だ。自分らしさを表現したい。ペンキの色を変え てみたなら、塗り替えがバレるじゃねえかと親方に笑われた。やむを得ず同じように塗、れない。前任者の美しい塗りに夢中で挑む。#twnovel
惑星書物
神様は地球最後の日程を人間たちに教えます。不思議でした。抵抗にあっては面倒だと思ったからです。全てがおわり神様は言いました。最後は美しい物語で終わって欲しかったのだと。#twnovel 危険書物に指定され、処分が決まった惑星書物「地球」。1冊分の本棚の隙間を優しく撫でる神様の手。
異世界
夏休みに異世界へ! こちらのお手軽なツアーが人気です。ファミリープランもございますし、本格的な冒険で二人の愛を確かめ合うプランも。観光客で賑わう 異世界。さぞや魔王は大変だろう? あらやだこのために頑張ったの。私にとっての異世界のこちらでまったりのんびりバカンスよ。#twnovel