輸入
輸入肉が増えた。米国、チリ、その後みなれぬ名前が続き、今じゃ値札は外国語で記されている。客層も変わった。治安は落ち誘拐未遂も多い。私は冷蔵庫から 肉であろう青い塊を取り出した。そちら側で冷やされる日もそう遠くないと感じながら、牙を剥くチェッカーからお釣りを受け取る。#twnovel
亀模様からの脱出
巨大な亀の背中には迷宮が残されていた。迷宮に挑みたい。少女が亀の背に乗り込んだのはもう何年も前のこと。のんびりした亀の頭でもそろそろ諦め時ではな いかと思いつき少女に呼びかける。嫌よ絶対に解き明かすわ。迷宮なんて口実ですとは言えぬまま硬い床、亀の背にピタリ寄り添う。#twnovel
ありのままの自分
なすがママだった。
このママじゃいけないと私はたちあがる。
なすがママのこの状況にバイバイ。これからはわがママになる。
わがママになった私の世界は広が り繋がり、いつしか出会った彼と結ばれ、
ありのママの自分になった。
なすがママのあの頃を少しは冷静に思い返せるくらい、幸せ。
「「「」」」
「「「あねきあいしてる!!!」」」弟達の突然の告白に戸惑っていたら刺された。どういうこと。記憶が走馬灯のように駆け巡り、私は弟達の告白を違う角度 からみている。コップを落とす弟、「ああ!」。電話をする弟、「きいてる?」ナイフを構えた弟、「しね!」。なるほど、パタリ。#twnovel
まおゆう
都会からやってきた勇者。話し合いをと望みながらも魔王様を排除することしか頭にない。魔王様のお仕事は知らない。けれどこの辺境の地、城を建ててくだ さったお陰で仕事にありつけ飢えずに済んでいる者は多い。勇者、貴方は我々を救えるの?隠し持ったナイフ。もう後戻りはできない。#twnovel