船長
僕の心に船長が住み着いた。失恋の後悔なんてもう沢山だとわめく僕に、俺様はいつでもコウカイしてるぜってダジャレか。コウカイがそんなに嫌か。やだね。そのコウカイでバッドエンド一つ潰せるのに?#twnovel いいコウカイしようなとおどけるから、うるせーとしか返せなかった。いい後悔を。
メイド少女
一枚、二枚、皿を数えるメイド少女の隣で、好き、嫌い、別のメイド少女が薔薇をちぎる。一枚、スキ、二枚、キライ、恨めしそうな顔の皿少女。三枚、スキ、四枚、キライ、好き、スキ、ああ!#twnovel 薔薇少女はニコリ。もしもお皿が足りないのなら私が一緒に奥様に謝ってあげるわ。手を繋ぐ。
ポエイチ
ポ工ムは震えていた。間違えていると窘められた。真ん中の部分が違うんだよって、心持ちまで責められるなんて。私は紛れもなく本物のポエム。誇り高きポエムのイチバンなのに。#twnovel あなた間違ってるわ。 (間違ってないわ) 貴方の真ん中それはエじゃなくて。 え? 【本日ポエイチ】
耳
王様の耳はロバの耳。突然聞こえてきたその声に村中は大騒ぎ。王様はロバの耳らしい。帽子の大きさはそういうことか。それにしても酷いじゃないか、どうし て隠していたのだろう。帽子をとった村人の頭に、うさぎや狐、アルパカの耳。きっと聞こえぬ耳なのだろうよと、耳を揺らし笑う。#twnovel
牢獄
私はこの牢獄の番人。月の綺麗なこんな夜には刑期を終える者がいる。今宵の方は何方でしょう。カツンカツン、靴音響かせその本棚へ。1冊取り出し表紙を捲 ればふわり飛び出すお姫様。優美に一礼お供を従えやがて空へと消えていく。さ、この本に新しい囚人を迎える準備を致しましょう。#twnovel