#twnvfes まつり
まさかこんな日が来るとは思っていなかった。そう言って、
ついのべは震えた。僕が主役、そんなバカな。
りんごん、12時の鐘が鳴る。顔をあげて。さあパーティーのはじまりだよ。
#twnvfes #twnovel http://j.mp/R0ADOk
狐の子供はお社の影からこっそり様子をうかがいます。コンコン今日はお風邪をひいていて、コンコン難しいから人には変身できない。コンコンだけど。僕もお祭りで遊びたい。#twnvfes #twnovel 祭りを見下ろす狐の子。お稲荷様に化けたはいいけど、ムズ、てんとう虫が鼻先に向かって。
いつだってモジモジしていた。ここでもそう。どうにも踏み出せなくてモジモジ。モジモジ。文学の祭典文フリ。ここには僕の仲間達がいる。だけど。ううん、僕はもうモジモジはやめた。えい。最良の一歩。モジモジはもういない。集えばモジは、文字文字は文学になる。#twnvfes #twnovel
茶々さんの
はじめは雨かと思った。けれど私に降り注ぐことなく空からぶらさがる紫。そっと、そっと。紫陽花の目を盗んで内緒の冒険。香りに誘われ私は急ぐ。跳ねる 泥。ふと振り返る。そう言えば私、どうして黙って行くんだろう。どうして後ろめたいんだろう。カタツムリ少女はまだ恋を知らない。#twnovel
君に髪飾りを贈る。紫陽花で申し訳ないと差し出せば首を傾げる君。花言葉が移り気でいい意味じゃないから。そう言うと笑って、そんなのおかしいわって。変 わるのは見た目。誰かのために美しく装い続けるなんて素敵なことじゃない。慰めか本心か。けれどその言葉は僕の頬の色を変える。#twnovel
「水たまり鬼知ってる?」「鬼ごっこ?」「違うよ。こんな雨の日、水たまりの中から僕らと入れ替わる隙を狙って……」「やだっ」「て、手を繋げばいいらし いよ」 震える私の手をとる君の手も同じように震えていた。君も恐いのだと勘違いした私が本当の理由に気づくまで、あと10年。#twnovel
私も花言葉が欲しい。かたつむり少女は言いました。どんなものでも構わないわ。どうか私に意味を下さい。#twnovel 思いもよらない申し出に紫陽花は驚きます。意味なんてあるに決まってる。けれどもそれは。「顔赤いよ?」「五月蠅い。君のかたつむり言葉なんかゆっくりだ」ゆっくりといこう。
君を誘って七夕宵宮。夜店冷やかし奥の宮まで辿り着く。お賽銭いれて手を合わせて。それからこっそり目を開ける。ここに来るまでまともに君を見られなかっ た。ふわり、蛍を従えて君はなんて。何をお願いした? 不意に問われ馬鹿正直に答える。手を繋いで帰り道。僕は神様に感謝する。#twnovel
窓枠水槽
大切な物と引き替えに望みの物をあげましょう。#twnovel 窓の向こうに揺れる海藻。合間を縫って美しい魚の群れ。恋と引き替えに鯨目の #窓枠水槽 を手に入れる。めくるめく海底世界、ブワッ。視界が曇る。目の持ち主が泣いている。ねえ、鯨。視力と引き替えにお前は何を魔女から貰ったの?
鯨の目から海底をのぞくと今日も人魚がやってくる。鯨の頭を、目頭を、そっとなでるとはじまる、動き出す。鯨と人魚。静かに泳ぐ海の底。ねえ、知ってる? 人魚が時々申し訳なさそうに、切なそうに、貴方のことを見てること。見えない貴方の代わりにのぞく。この世界は誰のもの?#窓枠水槽
まるで映画を見ているように窓の外を見てた。あらすじはこうだ。人間の足を手に入れた人魚の女の子。恋に破れた彼女を助けるため、鯨は視力と引き替えに彼 女を人魚に戻すことを願う。やがて彼女は人魚に戻る。辛い恋を忘れられぬまま労るそぶりで鯨に甘える彼女のことを、私は嫌った。#窓枠水槽
あの子は鯨の目を見ない。水槽のこちら側、彼女の視線を一度だって感じることはなかった。今日はじめてこちらを見つめるあの子。つまりそれってあの子がは じめて映らない鯨の目を見たということ。あの子は言うの。私のせいね。傷口を抉るのは傷口が必要だから。知ってる。私は知っている。#窓枠水槽
あの子には傷口が必要だ。いつまでも泣いていたいから。私は知っている。私には傷口が必要だ。いつまでも泣いていたいから。本当はもう癒えているのに鯨の目をのぞき込んで傷を抉るあの子。本当はもう癒えているのに鯨の目をのぞき込んで傷を抉る私。#窓枠水槽 のあちらとこちら。鯨に甘える私たち。
窓枠水槽を手に入れる術も解らず、僕は今日も「#窓枠水槽」と打ち込んではそこに並ぶ世界の数々をのぞき見る。あの子の窓には鯉が、あの人の所には鯨、彼女の彼の所には。めくるめく水槽世界。この窓は世界中の雨降る場所へと繋がっている。世界が見える、ああそうか。これこそ僕の。#twnovel
雨降りにしか会えない僕の恋人は、#窓枠水槽 の向こう側。時々窓辺にすいっとよっては可愛く目を閉じ口づけをねだる。ガラス越しの冷たいキスに頬染める君。幸せな僕らの幸せなある日、僕は見つけた。君の後ろ、鏡に映る僕の知らない男の顔を。君の窓枠水槽に住まう僕ではない誰か。#twnovel
すみさんの
きゅ うん。言葉が欲しいと鳴く。普段は蓄えた言葉の切れ端で人語を誂える彼がこんな風に要求するとは余程言葉に飢えているのだろう。次々と言葉を書いて与える ともぐもぐ食べて吐き出した。「これのせいで空腹だったの?」今日に相応しいハッピーバースデイ物語。「無論、主へじゃ」@567_8ya
今日は恋愛ものを書こう。甘味など我には合わぬと言って照れ隠し する彼が甘党であることは知っている。甘い素材を彼へ。少女6gi、片想い12gi、少年8giそうすると。「これでは苦くなる」「苦いの嫌?」「主に否 やはない、が、これも入れぬか?」約束を8gi。甘酸っぱい恋物語の出来上がり。