喧嘩売り
「ケンカうります」って凄い店だな。入ってみたなら、いらっしゃいクソが。突然の売り。クソ呼ばわりされる筋合いねーよ。返すと、それもそうですねって。 僕は二代目なんですがどうも勝手が掴めなくて。喧嘩を正しく続けるためにはそれなりの理由が必要なのだと二人並んでお茶を飲む。#twnovel
雪の女王様
紅茶を持って参れ。細い指先カップを掴むと、パリーン。投げつける。執事は 知っていた。雪の女王様が温かい紅茶に憧れていること。トロリとジャムを溶かしたいこと。けれどそれでは女王様まで溶けてしまう。紅茶を持って参れ。パ リーン。ハート型に凍らせた特製ジャムには気づかない。#twnovel
金魚姫
取り替えっこしましょ?赤い金魚にそう言われてそれもいいかな、なんて。コクリ頷いたら、3,2,1・・・・・・#twnovel 目を開けても私は私だった。嬉しいわ、けれど金魚はふわりと笑う。そして、思い出す。次から次へとおぞましい記憶。取り替えっこしましょ、罪を。なんて赤い、赤い。
ねこかん
バーゲンで見慣れない猫缶を買った。今時古風な缶切りタイプ。こきこき開けると、にゃあ。にゃあ? 缶の中から黒い子猫が睨んでる。猫の缶詰ですから。店に問い合わせるとそう言われた。参ったな。すっかり仲良しのうちの猫と猫缶猫が並んでにゃあ。とりあ えず猫缶を買いに行こうか。#twnovel
きんぎょすくい
噂の泉にやってくると泉の女神が問いかける。貴方の落としたのはこの金の・・・・・・そうですそれです。金です金。#twnovel 女神がくれたのは一匹の金魚。ガッカリして肩を落とす俺に、すくってくれてありがとう。不安げな顔で金魚はぺこり。ったく俺ってヤツは。すくってくれてありがとう。