金魚水槽
金魚水槽の主はもう何年もそこにいた。たくさんの金魚が次々にすくわれていくのをただ見送る。彼は夢見る。許されぬことを。いつかきっとあの人がきっと。#twnovel「見つけた」懐かしい声に顔をあげる。「もういいの。お願い帰ってきて」泣き出す彼女の手を取れば、拍手のように金魚が跳ねた。
金魚の娘
近頃この村で続く連続失踪事件。俺は探偵役を仰せつかる。
美しい娘から次々と消えていくまるで神隠しのような難しい事件。
解けない謎に三流の名を欲しいまま捜査を続けていると、うお、ぎょ!
すくわれた俺は金魚鉢の中でこの事件の真相を知る。
次に美しい娘が俺だったということも。
友情の種
友情の種いりませんか?女の子三人グループで親友関係を続けるなど物理的に不可能。なのでこの種を蒔きませんか?実った果実を分け合い食べれば、あとはずっと友情安泰。さあいかが?#twnovel やがて実ったその実はイケメンの形をしていた。分け合う?笑止。空前絶後のバトルが今、始まる。
花園
花園を見つけて嬉しかったのだろう。わかるよ美しい花園だから。この花をみんなに見せてあげたい。君はただそう思ったのだろう。#twnovel けれどここは花園じゃない。「安らかに眠れ」それは確かに異国の言葉で君には読めない言葉だけれど。踏みつけられた草場の陰で僕は君への報復を考える。
動かぬ証拠
「それこそが動かぬ証拠」ガタガタ。「動いてるわ」「なんだって!?」動かぬはずの疑惑の卵の殻にヒビが入る。そして、ピヨッ。割れた。#twnovel 「ところでなんの証拠だっけ?」動いたどころか生まれるなんて、「あれはもう証拠じゃない」。それに、仲直りしたいと細工したのは君でしょう?