絶世の美姫
あの城には絶世の美姫が眠ってるのさ。酒場の主人に煽られ男は旅立つ。茨を抜ける。扉を開ける。開ける。開ける。#twnovel 姫を連れ酒場へ戻ると主人は言う。その子がお前の姫君か。ああそうだ。俺のはアイツだ。給仕の女が笑う。あの城の全ての部屋には姫が眠っていた。全て違う絶世の美姫。
眠り姫
どうして百年なの?眠り姫の物語に不思議そうな子供達。女の子には時間が必要なのさ。どうして?薔薇の蕾が頷くように揺れた。#twnovel 今夜蕾は百年ぶりに花開く。この中で生まれこの中で呪われこの中で眠り続けた姫が長い長い眠りから目覚める。おはよう私の王子様。口づけをしてあげるわ。
縁日の人魚
縁日ですくった人魚を水槽に放した。ヒラヒラ揺れる彼女の尾びれは日に日に赤さを増していく。足が欲しいわ。呟く人魚。縁日の屋台で相談したなら小さな瓶をくれた。#twnovel 一滴たらせば物語がはじまります。ただし貴方の役柄はわかりませんが。これで5度目。僕は未だ王子にはなれない。