芝海老
芝海老のチリソースを頼むお客さんから、「これバナメイエビじゃないの?」って。何度も尋問されるように聞かれて耐えられなくなったんです。「だけど本物 使ってるなら問題なかったでしょ。バナメイエビのチリソースに書きかえるなんて」怖かったんです。「じゃあ偽装決定で」ああっ。#twnovel
近所の中華料理屋の看板娘目当てに毎日のように通ってる。「お客さん中華好きなんですね」ニッコリ。違うよ好きなのは君なんだ。言いかけたその時、「実は私、夜は違うお店で働いてるの。あの、よかったら。」貰った名刺には、男の娘カフェ。男の娘?@nemu_tatibana #twremix
おつきのメイド
家具付きの部屋を借りたらメイドがついてきた。私のことは家具とお思いになってくださいとお辞儀する。家事は全てお任せくださいと言うけれど。#twnovel 朝起きて掃除と洗濯を静かに済ます。ご飯を作って君を起こせば、寝ぼけながらもぐもぐパンを齧る姿が可愛くて、僕の部屋は今日も綺麗。
大きくなる
人の痛みを知ると大きくなれる。そう言われて悩みを聞き続けていたなら私はとても大きくなった。屋根を越えビルを越え。全ての人の痛みを聞き終えた頃には 天まで大きくなっていた。もう誰の声も聞こえない。私はひとり。淋しい。ぽたり、落とした涙で世界がどうなったのかは知らない。#twnovel
親子丼
親子丼と言われたところで実の親子じゃない。人間の大雑把さに眩暈を感じていると「親」が口を開く。「私でごめんなさい」本当よ。「豚なんか嫌よね」驚い て振り返る。彼女こそ人鳥間抗争に巻き込まれた被害者だ。償えないのは解ってるだけど。「お母さん」「!」せめてそう呼ばせて。#twnovel
君は笑う
明るいほうがいいでしょう?暗闇の中で膝を抱えていると君は笑ってランプをくれた。明るいランプ。温かいランプ。僕の周りの闇という闇は全て逃げ出し消えていく。#twnovel 星を眺めていた。こんなに明るくなってしまってはもう、流れ星など見つけられない。君は笑う。君は笑う。君は笑う。