台所の妖精
そのキッチンには妖精がいる。大昔この屋敷のメイド長だったという彼女、見えないけれど確かにそこに棲んでいる。うっかり熱く淹れすぎたお茶も、ネクタイ の歪みも、エプロンの汚れも。全て彼女からのメッセージ。慢心していませんか。時々お酒が減っているのも?違うわ、それは報酬。#twnovel
絵に描いた
絵に描けばなんだって本当になる。絵に描いた私の自画像だって紙を抜け出しこんにちは。そっくりな私達、さあどっちだ。みんな間違えるのにママはいつでも大正解。どうして解ったの?さあ、どうしてかしら。#twnovel ママが時々絵に描いたママと入れ替わっているのが解るようになれば解るわ。
花は爛漫
春。花は爛漫、甘い香りに蝶も舞う。綺麗だなって溜息一つ、ふわり私に蝶がとまる。ハナのない私に、間違えたのね。けれど慰められた気がして見上げた空は、ブルー。#twnovel 君は気づかない。ボクがとまったそのわけを。君の足元、澄んだ水たまりに映る君には美しい花。春は君にも訪れる。
きらきら
流れ星は飽きていた。私のためにきらきらしたい。そうだ願いを、私の願いを叶えよう。#twnovel 友達と夜通し遊んだり(やった季節外れの流星群)、可愛い女の子の瞳に飛び込んだり(きらきら効果でデート成功)って、喜ばれた?叶えちゃった?やだ、職業病かしら。だけど、うん。きらきら。
たまご
拾った卵はカタカタと音がした。きっともうすぐだ。元気に生まれてねと言うと、もう生まれていると声がする。驚いて確かめる。もうすぐ孵るんでしょう?私 は孵る系の生き物じゃない。出てくるんでしょ?出てくるってお前、どうしてそちらが外だと思う。さあさ、お前が生まれておいで。#twnovel