枯れ木
その木はずっと花をつけない。私は老いた枯れ木だからね。けれど小鳥は嘘だと解る。芽吹かぬように止めるわけを枝に止まって歌いだす。寂しがり屋の枯れ木 さんはね巡る季節に花が従い散っていくのが寂しいの。動かぬ枯れ木に続けて歌う。私はずっとここにいるのに。枝がさわと揺れた。#twnovel
いと
絡まった糸を解いてその先に君を見つけた。解きながら辿っていくと君はその意図を尋ねる。何故解くの。絡まっているから。絡まっているのはいけないこと? 泣きだしそうな君。糸は君自身へと繋がっていて君自身が解けている。解かなければ嫌う?ううん、解かなくたって可愛いと思う。#twnovel
ほわほわのほわほわ
羊の皮を被っているだけさ。ほわほわのくまはその容姿を裏切る憎々しさでそう言った。本当だぞ確かめてみろ。背中のボタンをそっと外せば中から出てくる違 うくま。どうだ怖いか?けれどもすごまれたところで抱きしめてしまう。可愛くて。いや待て本当はこれも皮で。やめろ。ほわほわ。#twnovel
台所の妖精
そのキッチンには妖精がいる。大昔この屋敷のメイド長だったという彼女、見えないけれど確かにそこに棲んでいる。うっかり熱く淹れすぎたお茶も、ネクタイ の歪みも、エプロンの汚れも。全て彼女からのメッセージ。慢心していませんか。時々お酒が減っているのも?違うわ、それは報酬。#twnovel
絵に描いた
絵に描けばなんだって本当になる。絵に描いた私の自画像だって紙を抜け出しこんにちは。そっくりな私達、さあどっちだ。みんな間違えるのにママはいつでも大正解。どうして解ったの?さあ、どうしてかしら。#twnovel ママが時々絵に描いたママと入れ替わっているのが解るようになれば解るわ。