七年後
七年後のオリンピックは東京だって。へえ。七年後って何してるかな。先のことはわからないな。こうしたいとか。想像つかない。面倒くさそうな彼に、二人一緒にいると思う?なんて聞けずにしばしの沈黙。うつむく頭に大きな手。#twnovel わからないから七年間一緒に考えてくれる?バカ。
メイド長
メイド長が消えた。僕はこれから誰にお菓子を貰えばいい?屋敷中を探していると台所から声がする。誰もいない。けれど声が。あの声は。#twnovel ちゃんと量って。丁寧に。メイド長は引退すると台所に還る。オーブンや包丁から聞こえる歴代メイド長達の声に導かれて、甘いケーキのできあがり。
囀り
その赤い鳥は少し変わった声でした。一緒に歌うと音が濁ってしまうのです。青い鳥は言いました。困るよ合わせてくれなくちゃ。赤い鳥は言いました。どう歌っても自由だわ。どちらも譲らず濁る和音。 変わった声がそんなに悪い?囀る。#twnovel 追われたのは青い鳥。どこへ行っても疎まれた。
よこしまたてしま
よこしまな気持ちに気づかれたくなくて心にたてしまを書いた。心を配ったり尽くしたりするたびチラチラとそのたてしまを見せつける。僕は貴方によこしまな気持ちなどちっとも抱いていないのです。#twnovel けれど思えば最初から心など手玉にとられていた。転がされてしまえば縦も横もなくて。
よこしまな気持ちに気づかれたくなくて心にたてしまを書いた。よこがうまく消えてない気も。ま、いっか。差しだしてみたなら君は笑って、ようし負けないぞって。オセロ開始。僕が黒で君が白だ。今度は黒い心に気づかれないよう、上手に負ける努力。#twremix @Haruki_Non
よこしまな気持ちに気づかれたくなくて心をたてしまにした。けど、すぐバレそうなのでもっと複雑なカタチ、にしすぎると誤読される可能性があるからこうしてこうして、できた。@kusunokidan #twremix 私ここ!と選んだ彼女はあみだくじを始めた。さあこい。こい。ああ、あああ!
手折る
花でございますか。僕の告白に首を傾げる君。貴方様からご覧になったら私などは枯花にございましょう。そう告げると一礼し、屋敷の中へと消えた。#twnovel あれから10年。未だ色褪せぬ君を枯れるまで見守っていたくて屋敷へと帰る。あの日の僕には持てなかった君を手折る覚悟を握りしめて。