目次
ご挨拶
ご挨拶
洋画部門
再会の街で
迷子の警察音楽隊
ハスラー2
モーターサイクル・ダイアリーズ
ウィスキー
ヒトラーの贋札
アメリカン・ギャングスター
スタンドアップ
エリザベス:ゴールデン・エイジ
ノーカントリー
ダージリン急行
大いなる陰謀
つぐない
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
最高の人生の見つけ方
ハンコック
宮廷画家ゴヤは見た
わが教え子、ヒトラー
私がクマにキレた理由(わけ)
落下の王国
その土曜日、7時58分
モンテーニュ通りのカフェ
ライフ・イズ・ビューティフル
俺たちフィギュアスケーター
ヘアスプレー
ヤング@ハート
ラースと、その彼女
ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト
ヴェラ・ドレイク
ある子供
エレジー
ザ・ムーン
チェ 28歳の革命
P.S. アイラヴユー
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ホルテンさんのはじめての冒険
チャーリー・チャップリン ライフ・アンド・アート
チェンジリング
トッツィー
フロスト×ニクソン
ぜんぶ、フィデルのせい
ダイアナの選択
いのちの戦場 -アルジェリア1959-
ある公爵夫人の生涯
スラムドッグ$ミリオネア
グラン・トリノ
路上のソリスト
レスラー
マルタのやさしい刺繍
天使と悪魔
ボルト
HACHI 約束の犬
イントゥ・ザ・ワイルド
幸せはシャンソニア劇場から
キャデラック・レコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜
ATOM
マイケル・ジャクソン THIS IS IT
Disney's クリスマス・キャロル
イングロリアス・バスターズ
カールじいさんの空飛ぶ家
ウォーリー
ジュリー&ジュリア
アバター
戦場でワルツを
邦画部門
陰日向に咲く
鉄コン筋クリート
百万円と苦虫女
崖の上のポニョ
闇の子供たち
グーグーだって猫である
おくりびと
パコと魔法の絵本
ハッピーフライト
ブタがいた教室
誰も守ってくれない
K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝
少年メリケンサック
クライマーズ・ハイ
重力ピエロ
60歳のラブレター
真夏のオリオン
剱岳 点の記
ディア・ドクター
南極料理人
20世紀少年<最終章>ぼくらの旗
空気人形
ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜
クヒオ大佐
沈まぬ太陽
僕らのワンダフルデイズ
サイドウェイズ
のだめカンタービレ 最終楽章 前編
2008〜2009映画ベスト10
2008~2009映画マイベスト10
洋画部門ベスト10
邦画部門ベスト10
選考を終えて
奥付
奥付

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ご挨拶

ようこそ、レッドカーペットへ。これから映画の魅力をご一緒に探ってゆきましょう。
私事ですが、2008年、私は17年間住み慣れた名古屋を引き払い、故郷、神戸に帰ってきました。しかし、わたしにとって懐かしいはずの神戸は、まるでタイムマシンから降り立ったような場所でした。何もかもが変わってしまったように感じられたのです。
「自分の懐かしい故郷は、もうどこにもない」
そんなとまどいの中で、私は自分の居場所を求めて、神戸の映画館での映画鑑賞を始めるのでした。それは私にとって、いちから自分の新たな故郷、新たな居場所をつくるような作業に思えました。
この本は、2008年1月1日から2009年12月31日までに私が映画館、およびDVDで鑑賞した、洋画64本、邦画28本を収めた映画のレビュー集です。各作品私の独断と偏見による5点満点の採点をつけてみました。レンタルビデオ店でDVDを借りるときのご参考にでもして頂ければ嬉しいです。
あなたのお好きなように、どこからでもお読み頂けるように、一作品一ページにレイアウトしてみました。
また、予告編のアドレスも掲載致しました。コピーしてお使い下さいませ。
巻末には、2008年〜2009年の映画マイベスト10も選んでみました。
ご案内役はわたくし、天見谷行人が務めさせて頂きます。
ではごゆっくり、映画の森をご散策下さい。また、映画館でお会いしましょう。


再会の街で

2008年1月19日鑑賞

***赤丸急上昇!ドン・チードル***

この作品は僕が名古屋を引き払う直前に鑑賞した。感傷的な想いで観た印象的な作品だった。そもそもが、ドン・チードルがみたくてこの映画を選んだけれど、オープニングのシーンから、「この映画は当たりだぜ!!」とおもわせた。
なにげないニューヨークの街角を遠景で撮っている。
そこに現れるモータースケーター(っていうのかな?これでいい?)に乗ったアダム・サンドラー。フラ〜とスクリーンの左から右端へ走って消えてゆく。カメラは固定だ。実にさりげない導入部。

やはり、いい映画はオープニングのシーンの入り方が印象的だ。
アダム・サンドラーは良く知らなかった俳優さんだけど、このひとの演技はすごかった。
見た目は、イカれた兄ちゃん風である。眼の集点も合ってない。
どこか、あさっての方向を向いているし、俺の人生どうでもいいや、てなかんじなのだ。
心配した周囲の人たちが、彼の心の中に介入しようとする。
とたんに激しい感情を剥き出しにする。実は彼、あの9・11テロで家族すべてと愛するペットまでも失っていたのだ。
 彼の学生時代の友人で、黒人歯科医をドン・チードルが演じている。
やはり彼には誠実な役柄がよく似合う。
「ホテル・ルワンダ」での演技もすばらしかった。
一人の等身大の人間。ヒーロでもなんでもない。
自分の与えられている仕事を、誠実につとめようとする。
そんな、一市民をやらせるとほんとうにうまい。
最近は黒人俳優がすばらしい。
偉大なモーガン・フリーマン、大好きなデンゼル・ワシントン、エディー・マフィー、新境地を開く、フォレスト・ウィテッカー、そして赤丸急上昇なのが、ドン・チードルだ。
 この映画、あの9・11テロ以後、その一被害者たちがその後、どう生きているのかを、おそらく初めて真正面から捉えたアメリカ映画だと思う。
9・11テロそのものを描く、または、あの事件の真相を暴こうとする視点での映画は、既に終わった様に感じるのだ。
ようやく、アメリカ市民は「アフター9・11」と真正面から取り組もうとしている。
それを象徴する映画だ。意義深い映画である。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆☆
映像 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆☆
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作品データ
監督   マイク・バインダー
主演   ドン・チードル、アダム・サンドラー
製作   2007年 アメリカ
上映時間 124分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=sRiqz_WnYxc


迷子の警察音楽隊

2008年2月9日鑑賞

***まだ迷子の国もある***

イスラエルに招かれたエジプトの警察音楽隊が
迷子になってしまうお話である。
オープニングからして、何となくおかしさがこみ上げてくる。
公式なご招待なら、役所から出迎えの人が来るべきだ。
ところが誰ひとりやってこない。
朝から何にも食べていないし、どこへどう行ったらいいかもわからない。
困り果てた警察隊は、近くの食堂に助けを求める。
この映画は、その食堂の美しい女主人や出入りの人々と、警察音楽隊との交流を描いていく。
やはり、イスラエルとエジプトとの政治的な関係を把握していないと、面白さはよくわからないところが多い。
それでもだ。
どの国でも、若者は若者であり、男女は恋愛をするのである。
特にダンスホールで、若い隊員が恋の手助けをしようとするくだりは、何とも絶妙な可笑しさである。
不器用で、真剣な恋愛だからよけい面白いのだ。
彼ら音楽隊は映画の前半、時々クラリネットを鳴らしてみたりするシーンがあるけれど、はっきり言ってそのレベルはお粗末。
これでだいじょうぶなの?
日本の高校生以下じゃないの?
とおもってしまうが、そこは最後につじつまが合う。
彼らはエジプトの民族音楽を専門とする楽団なのだ。
ラストシーンでは、とてもエキゾチックで楽しい音楽を奏でてくれる。
わかりにくい両国の、微妙な関係を背景に描いたこの映画。
お互いをつなげているのは、音楽と言う「手段」であり、それは意外にもアメリカナイズされた、ジャズ調のアラブ音楽であったりする。
もっと意外なのは、お互いのコミュニケーションに英語を使っている事なのだ。
日常的にいくつもの言語を使い分けないと生活できない。
そんな状況は、かつての日本の沖縄であり、アイヌの人々を思わせる。
政治的な傷跡を、少しでも音楽が癒してくれる事を願いたい。
時折背景に、荒涼としたイスラエルの大地がうつしだされたり、
食堂の壁にかかっている写真は、かつての戦時中のものだったりする。
音楽隊も迷子になってしまったが、イスラエルそのものも、いつまで迷子を続けるのか、という強烈な皮肉をも込められた、
上質の人情劇だとおもう。
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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
映像 ☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆
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作品データ
監督   エラン・コリリン
主演   サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカゲッツ
製作   2007年 イスラエル/フランス
上映時間 87分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=bz_FB4B763Q

 


ハスラー2

2008年2月11日鑑賞

**カムバックだ!!**

(この作品はDVDで鑑賞)
この作品、もっと評価されていいと思う。
マーティン・スコセッシ監督のカメラワークを含めた演出はすばらしい。
映像作家としてのマーティン・スコセッシ監督の語り口は抜群だ。
トム・クルーズと、ビリヤードを大ブレイクさせた作品としても有名だ。
今更何を語る必要があるのかと思わせる傑作だと思う。
 ポール・ニューマン演じる、エディーの人生は、そのものがギャンブルである。
プロゴルファー、プロテニスプレイヤー、なんであれ極論してしまえばギャンブルだ。賞金稼ぎだ。
自分の才能と技量で金を稼ぐ。
それが何が悪い?
僕は以前、パチプロを目指した。
毎日その日のリターンや、パチンコのデータを分析した。
結果、パチプロはあきらめた。
そして株を始めた。
結果を残せた。
更には株取引をマニュアル化する事に成功した。
年間リターン86%の好成績だった。
ただ、元本が47万円しかなかった。
それだけの問題で、僕は市場から撤退した。
僕の友人は1000万円の元本で500万円の損失を出した。
しかし結果的に彼は市場に残った。僕は市場から撤退を余儀なくされた。
金がなかったからだ。僕は負けた。
それがギャンブルの世界だ。強いものが勝つ。それだけだ。
この映画、フォレスト・ウィテッカーの演技も見逃せない。
まだ坊やと言えるような、トム・クルーズ、
そして円熟の境地を見せるポール・ニューマン。
お互いの才能を認め合った上での演技バトルを堪能できる。
更に音楽面でもその選曲はしびれる。
エリック・クラプトン、フィル・コリンズなど、実に効果的な曲をチョイスしているのだ。
 どこから切ってもその断面がキラキラ輝いている、しかも味わい深い作品である。
 個人的な思い入れもあって再び鑑賞した映画だ。
僕は今年、再び生まれ故郷である神戸に戻った。
神戸人でありながら、阪神大震災を体験しなかった、卑怯者の神戸人だ。
エディーがギャンブラーとしてカムバックしたように、
僕は神戸人としてカムバックする。
 あなたはこの作品に何を読み込むだろうか?
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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
映像 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆☆
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作品データ
監督   マーティン・スコッセッシ
声優   ポール・ニューマン、トム・クルーズ   
製作   1986年 
上映時間 119分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=Ct6c9XuPZCQ

 


モーターサイクル・ダイアリーズ

2008年2月13日鑑賞
***ワインディングはまだ続く***
(本作はDVDで鑑賞)
気ままな放浪の旅に出てみたい、と、

思わせてしまう映画だ。
だけどよく考えると、自分でもまだ旅の途中なのだ、と言う事に気がつく。
誰もみんな、人生と言うロング・アンド・ワインディングロードを行く者なのである。
若きチェ・ゲバラの放浪の旅を綴ったこの映画。
彼の後の行動を決定づける旅となる意義深いものである。
そこにあったのは、まぎれもなく圧倒的な現実だった。
彼はそこに弱い者たちへの共感を体に刻み込んだ。
知識というかたちで頭では分かっていてるつもりでも、
否応なく旅は、体に厳しい現実を刻み込んでしまう。
だが、旅をした事がないような人でさえ、
実は感受性と、疑問を持てば、どこにいても
旅に出ているのと同じことなのである。
同じ旅を続ける二人にも関わらず、
相方のアルベルトは享楽的で
どこに行っても女を漁る事にしか興味がない。
二人は旅の途中はひどい格好はしているが、
医者と言う社会的には高い地位を約束されている身である。
また、医者になるための学校へも通える、生活環境なのである。
だが、ゲバラは現実を観てしまった。
そして疑問を持ってしまった。
弱い者が弱いままにされ続けている事を。
彼はこの後、革命と言う新たな旅を目指す事になる。
ちょうど、NHKで、ゲバラを取り上げた番組があって、
以前から気になっていたこの作品をようやく観た。
観終わってもまだ人生に迷い続け、ワインディングを続ける僕がいる。
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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
映像 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆☆
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作品データ
監督   ウォルター・サレス
主演   ガエル・ガルシア・ペルナル、
     ロドリゴ・デラ・セルナ
製作   2003年 イギリス/アメリカ
上映時間 127分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。


http://www.youtube.com/watch?v=_k67hkAytrE


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