閉じる


証言②

【証言②】

「そうです!コンビニのまん前で襲われたんです。」

「そんな明るいところでって――仕方ないじゃないですか、いきなり暗いのが覆いかぶさってきたんですから!」

「周りに人間は沢山いたはずですよ、こっちは真っ暗ですから顔は見えませんけど、近くで人が囁く声は聴こえました。」

「大丈夫か?どこも怪我してないか?バッグ落としたから拾ってあげて。――あれは、周りにいた人の声じゃないんですか?」

「そういえば、穏やかな優しい声でした。少しも慌てた様子はなくって――でも、声のする方向は分かりませんし、声の質も男の声だか、女の声だか・・・ひょっとすると人の声じゃなかったのかもしれません。」

「確かに傍にいるのは分かるんですけれど、どこからがそうなのか・・・境界が曖昧になっていて、何だか私の中に何人も人がいるように思えて・・・。」

「こっちに来ないかって、自分たちと一緒にならないかって、その人達から何度も説得されましたわ。」

「――そうそう、そう言えばその人たち、私の体の悪いところを教えてくれるんです。直腸の直ぐ上に、小さなポリープがいくつか出来ていて、そのまま放って置いちゃヤバイって言うから、帰る!って大声上げたら、コンビニの照明が急に眩しく見えて、我に返りました。」

「――そりゃ、直ぐに病院に行きましたわ、教えられた通りのポリープでした、お陰で命拾いしたと思っていますわ。」