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介護とは……人は何かのせいにする弱さを持つもの、と知るもの。

「天気が悪いから……」
「暑いから……」
「〇〇がやってくれなかったから……」
 高齢者介護に携わっていると、「〇〇のせい」という言葉をよく聴きます。変形性膝関節症という膝の痛みを抱える症状を持つ人は、
「雨降りだから膝が痛い」
「曇り空だと気分が上がらない」
「天気がいいと身体の調子がいい」
と話します。確かにそうなのかもしれません。自然豊かな日本……特に広大な自然に囲まれた北海道、十勝帯広ではなおさらかもしれません。
 ”うつ”の診断を受けた人、またはその症状がある人は会話のたびに
「〇〇のせい」と口にします。年齢を重ね、激動の戦前、戦後を生き抜いたお客様たちに、その生き方は良くない! とは言いません。その代わり僕は思うのです。これは高齢者に限ったことなのか? 病気の人に限ったことなのか?
 いや、違う。若い人も同じだ。我が家の次男もそうだ。4歳の彼も「〇〇のせいで……」と口にする。物心ついたときに、人は自分のせい、とわかっていながらも(わかっていない人もいるかもしれない)、何かのせいにしているのです。
 お客様はその生き様を通して、僕たち介護者に
「〇〇のせい……」
と言い続けていてはいけない、と教えてくれるのです。

この本の内容は以上です。


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