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絵本

 『鳩の孝行』

 


絵本『鳩の孝行』

昔むかし、ハトはヒネクレ者で、親の言い付けの反対の事ばかりしていました。

 

親は死に際に、山に葬られたかったのですが言うと反対の事をするだろうと思って、河原に埋めてくれと言い残しました。

 

ハトは、親が死んでしまってから、改心をしました。そして墓を河原へ立てたのです。 しかし、雨が降りそうになると、河原なので、墓が流されてしまわないかと心配し、悲しくなって、ハトは、親が恋しいと云って泣くのです。


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漢文調

 『鳩の孝行』


漢文調『鳩の孝行』

昔々、鳩は本当に拗け者にて、全く親の言い付けを聞かざる子なりと云う。

親が、山へ行く可しと候えば田へ行き、田へ行く可しと候えば畑へ出でて働きたる。

 

親は、死に際に、静山に葬らるを欲せども、言い付けたると反対を成すと思うが故、川原へ埋める由、頼みて死す。

 

鳩、親の死に因りて、初めて親の言い付けを聞かぬは、悪しきと気付いたり。

然るに、此度は、其の言い付けに従いて、川原へ行きて、親の墓を建てたりと云う。

 

然し、川原なれば水の出る度、墓流るる事、気に掛かり、耐え難きなり。

其れが故、今猶、雨降る気配あれば、此事、思い儲くるの処、悲しくなりて、「ととぽっぽ」親が恋しきと、啼くなりと云う。

 

早くより、親の言い付けを聞き候らえば、善かりけり。

(能登)



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