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介護とは……生まれてきて、出会えた喜びを祝うもの。

 
 生まれてきて1年、また1年、僕たちは幼少の頃、成長することを、年を重ねて行くことに喜びを感じていた。明日が待ち遠しかった。いつの頃か、年を重ねる事に抵抗を覚える事になる。誕生日を迎える事が“成長”の証から“老い”の証となる。10代最後の夜、何も変わらない、何も変わらないはずなのに、19364日と201日目で何か大きな変容を感じさせる。多くの人は、20代を迎える事に何かを感じている。そして、年を重ね30歳。僕たちは社会人として確実に成長してきたことを実感させられる。40歳、50歳、だんだんと日本人の平均寿命に近づいてくる。もう喜べなくなった。50代を超えると誕生日を迎えても「おめでとうございます」と伝えていいものなのか一瞬迷ってしまう。“老い“の証をいただくことを必ずしも全員が受け入れられるわけではないからだ。時は過ぎ去り、70歳、80歳、幼少の頃、明日を夢見てきたお客様は明日が来ることに幻滅する事がある。もう、ここで終わっていい、そう言葉にする人もいる。いつ終わるのか、わからない。しかし、突然、終わりがくることもある。

 そんな中で、先月僕たちのお客様が100歳の節目を迎えた。百寿。今でこそ珍しいことではなくなったが、平均寿命80代前半の日本においても100年生きてきたことは誇りであり、敬う事である。

 「Tさん、百寿ですね。おめでとうございます」

 心からお祝いしたい。


この本の内容は以上です。


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