目次
本書について
アナログからデジタルへ
電波の発信と受信
電波の変調方式
デジタル放送の仕組み
手のひらの上で転がされるデジタルデータ
ソフトウェアとプログラムとソースコード
なぜB-CASが存在するのか
DRMが抱える矛盾
建前と実情
難視対策衛星とは
より便利なテレビを求めて
工業国の側面
無名の有志らにより、さらに“研究”が進む
暗号とは
B-CASで使われる暗号化方式とは
B-CASカードは何をしているのか
ソフトウェアの開発と発展
B-CASカード解析の予兆
“BLACKCAS” の衝撃
丸裸にされたB-CASカード
謎の人物「ヤキソバン」
B-CASカードの解析のために様々な人が参戦する
カードに見つかった「裏口」
ついにカードの内部が暴かれる
CardToolの登場
いかにしてB-CASカードは書き換えられたか
「毒電波」が発せられる
SoftCASが実現した!
宝探しゲーム
B-CAS社の損害は11億円以上
京都府警が動き出した!
早朝の捜索と逮捕
京都地検と押し問答
淡々とした判決
裁判で争えなかった
「平成の龍馬」氏
放送の受信は「人の事務処理」なのか
慶応大学法科大学院教授・安冨潔氏の意見書
摘発の基準は?
民事訴訟が提起される
「事故」は防げたか?
B-CAS突破は防げなかったのか
被害を拡大させた要因
松竹梅コース
カードが破られても有料放送の契約者数は減っていない
TRMP方式はB-CASの後継となるか?
イタチごっこは終わらない
消えたサイトと、細々と続く開発
規制強化される一方で法律は穴だらけ
“公然の秘密”は保護されるべきか?
規制が不可能な機器
できるカードとできないカード
付録
おわりに
安冨潔 慶応義塾大学法科大学院教授の意見書
奥付
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本書について

2012年5月、2ちゃんねるはB-CASが突破されたとの話題で祭り状態になった。PCとICカードリーダー・ライターさえあれば、誰でもB-CASカードを改造して、家庭にあるテレビで有料放送を含む全ての放送が見放題になるという衝撃的な内容であったため、影響は2ちゃんねるに留まらなかった。様々なネットニュースで取り上げられ、カードを改造する方法を紹介するブログも乱立した。

電器店ではICカードリーダー・ライターが飛ぶように売れ、今まで衛星放送を見なかった人が今さらのように衛星放送受信用のアンテナを買った。わざわざ改造可能なB-CASカードがセットになっていることを強調してテレビやチューナーを売る電器店まで現れた。

しかし、6月には改造したB-CASカードを使った、または売っていた、あるいはB-CASカードを改造するためのプログラムをネットに流したということで3人が逮捕された。今でも散発的にB-CASカードの改造に絡んで逮捕者が出ている。

警察による取り締まりが行われる一方、放送事業者は改造したカードを使わないように呼びかけを行なっている。これで事態は表面上は収束したかのように見えているが、現実は全く問題は解決していない。本稿を書いている現時点でも、改造したB-CASカードを使って全ての放送を受信することが未だに可能だ。また、「全チャンネルが視聴できるカード」といった触れ込みで売り込みをする迷惑メールが届き続けている読者も多いことだろう。

警察が動いて以来、はっきり言ってこの話題に対してメディアは及び腰だ。特に「いったい何があったのか」という問題の核心部分に触れることや、またB-CASというシステムに批判的な視点での検証については、誰もが腰が引けているように思う。

まず、情報技術がからむだけに、そもそも問題を理解し説明することが難しい。しかし何よりも、知的財産にからむ新しい法律が関わってくるだけに、何が合法で、何が違法なのか分からないということがあるだろう。もしかすると、この問題を検証するために必要なこと――例えば違法とされたプログラムを入手したり、そのプログラムを実行すること――自体が罪に問われてしまうかもしれない。

しかし、本当にそれでよいのか。一連のB-CAS騒動は、ある種の「事故」と言える。なぜなら、ある目的を達成するために構築されたシステムが、その設計者の想定を外れて破綻し、目的を果たせなくなってしまったのだから、これは事故に他ならないだろう。しかも、システムを破った張本人の責任は問われておらず、今後も問われる可能性は非常に少ない。それならばなおさら、システムのどこに問題があったのか検証することは重要だ。

また、本書はB-CASだけでなく、法律にもその検証の矛先を向けている。技術と法律に関する専門性の高い内容も含まれるが、なるべく一般の読者でも分かりやすいように心がけた。放送業界のみならず、より多くの人に本書を手にしていただき、技術と社会の関係はどうあるべきか、考える材料としていただければ幸いである。


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電波の発信と受信

電波が文字通り「波」であることは誰でも知っていることだろう。例えば、静かな池があり、その隅で大きな板を上下に動かして波を起こすシーンを想像して欲しい。起こされた波は対岸へと広がっていく。電波を発するというのは、それと同じようなことだ。

電波の性質は1秒間に何回波が起こるかという「周波数しゅうはすう」によって決まる。電波の速さは一定で、光の速さとほぼ同じなので、周波数が変わると波と波の幅、「波長はちょう」も変わる。電波は目には見えないが、空の上には様々な周波数の電波が飛び交っている。ラジオやテレビ等の受信機は、あちこちから飛んでくる電波を周波数によって電波を振り分ける仕組みになっている。

一般的に、周波数が低い(波長が長い)電波ほど、山やビルなどの裏側まで回りこむので障害物に強い。また、短波と呼ばれる波長が10㍍から100㍍の電波は、地球の大気の上層にある電離層と呼ばれる層と地面の間で反射を繰り返して、地球の裏側まで回りこむという特別な性質がある。一方、周波数が高い(波長が短い)電波はよく直進するが、障害物には弱い。しかし、周波数が高い電波には多くの情報を載せられるという利点がある。

そのため、障害物に強い波長の長い電波はラジオ放送に使われ、さらに遠くまで届く短波は国際放送に使われる。音質の良いFMラジオや映像を送るテレビ放送は多くの情報を載せるため、超短波、極超短波と呼ばれる比較的高い周波数が使われる。さらに多くの情報を送る衛星放送、携帯電話、家庭用の無線LAN等では、極超短波に加えセンチメートル波と呼ばれる文字通り数㌢㍍から数十㌢㍍の波長の電波が使われる。

いずれにしても、電波は四方八方に飛んでいくものなので、誰もが無秩序に電波を出すと、それぞれが通信を妨害しあうことになってしまう。そのため、電波を出す機械の製造や使用は電波法・放送法などの法律や、国際条約よって規制されている。そして、日本でこれらの法律を運用しているのが総務省だ。

放送局を誰もが自由に開設することができない一番の理由は、このように電波が限られた資源だからだ。総務省が放送局の開設を許可できる数は限られている。だから、放送局を開設する権利は既得権益化するし、それを指して“電波利権(1)”という言葉も生まれた。

一方で、電波を受信することに関しては原則として自由である。電波は受信した人が増えたからと言って減るものではないので、勝手に受信することで誰かに迷惑がかかるものではない。例外的に制約があるとすれば、通信の秘密を保障するという理由で、特定の人の間でやりとりされた通信内容の秘密を漏らしてはいけないということくらいだ。不特定多数に向けて行われる、「放送」に関しては全く制約はないと言っていい。

また、電波は国境を超えて情報を届けることができるものであって、電波を通じて情報を得ることは自由権の1つと言える。特に冷戦時代には電波による放送はプロパガンダの重要な道具であって、電波を通じて西側諸国の豊かさが東側の国民に知られることとなり、これが冷戦が集結する1つの要因となった。現在でも、例えば日本の「特定失踪者問題調査会」が、北朝鮮にいる拉致被害者に呼びかける「しおかぜ」という短波放送を行なっている。

旧態依然とした独裁体制を続けている北朝鮮では、放送の受信が厳しく制限されてきた。国民がラジオを購入したら、警察に届けてチャンネルを固定することが必要で、また時には妨害電波を出して外国の放送を受信できなくするような措置を取っている。もちろん、日本ではこのような制約はない。


(1)「電波利権」新潮社刊、池田信夫著



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電波の変調方式

電波に何か意味のある情報を載せる方法のことを、変調方式という。変調方式は大別するとアナログ変調とデジタル変調の2種類がある。

アナログ変調とは、例えば次のようなものだ。マイクに向かって声を出すと、マイクの中にある振動板が振動する。その振動に合わせて電波の強さ、すなわち「振幅しんぷく」が変わるようにして電波が発せられる。受信機側では電波の振幅に合わせてスピーカーを振動させれば、マイクに向かって出した声が再現されるという具合だ。実際、AMラジオはそのような仕組みである。

アナログテレビは、そのような原理をさらに巧妙にし、映像と音声を同時に送り届けられるようにしたものだ。ブラウン管の奥から発せられる電子線を曲げながら、電波の振幅や周波数に合わせて強さを変えることで映像を再現する機械がアナログテレビである。

アナログテレビは言わば電波の測定機械の1種と言える。測定には必ず誤差がつきものなので、全く同じ映像は2つと存在することはない。例えばビデオテープにアナログテレビ放送を録画することは、受信した電波の波形をグラフ用紙に描くようなものだ。さらにそのグラフを機械で読み取って、他のグラフ用紙に書き写すことを繰り返せば、どんどん波形が元の形からかけ離れてしまう。ビデオをダビングすることを繰り返せば劣化するのはそのためだ。これがアナログの欠点である。

デジタル放送は、この欠点を克服するものだ。アナログは日本語で言えば「計量けいりょう式」、デジタルは「係数けいすう式」である。量を測れば誤差が生じるが、数字を数えるなら誤差は生じないというわけだ。そのため、情報を数字の羅列として各人に届ければ、人によって値が異なるということはない。

デジタル放送では、例えば振幅が弱い場合は0、強い場合は1という具合に、0と1の組み合わせ(「ビット」と呼ばれる)で情報を伝える。デジタル方式による情報伝達の元祖は「モールス信号」だが、原理としては同じようなものだ。しかし、モールス信号との違いはそれが人間ではなく機械によって直接処理され、電波の波の形を精密に操作することで膨大な情報を送り届けることができる点だ。前述の通り、周波数が高い電波ほど多くの情報を載せられるのは、波の数が多ければそれだけ波の形を頻繁に変えられるためだ。

デジタルであっても多少のノイズが入ることがあり、0であるはずの部分が1になったり、1になるはずの部分が0になったりすることがある。そこで、ノイズを検出して修復するために、余計なビット(誤り訂正符号という)が加えられている。そのため、良好に受信できている場合は、完全にと言っていいほど正確にデータを受信することができる。もちろん、あまりにも多くのノイズが入ると修復が不可能になる。アナログの場合はノイズが多くなればなるほど徐々に音声が聞きづらく、あるいは映像が見づらくなるが、デジタルの場合はノイズの量が修復が可能である限界に達した時点で、ぷっつりと切れてしまうという特性がある。

誤り訂正符号の例

また、デジタル放送では映像や音声だけでなく、文字情報も容易に送ることができる。

コンピューターが高性能化し、インターネットが普及した現在では、デジタルということはまた別の意味を持ってくる。インターネットもデジタル通信であり、Youtubeユーチューブやニコニコ動画などの動画投稿サイトで誰でも気軽に動画を見ることができるのはご承知の通りだ。実際、インターネットで映像を配信する技術と、デジタルテレビの技術は、全く同じものである。だから、デジタル放送で届けられた情報を、そのままインターネットでやり取りすることも可能だ。

しかし、映像著作物の権利者(のうちのおそらく一部の人々)は、デジタルテレビ放送で流された映画やアニメのような著作物が、コピーを繰り返しても劣化することがないデジタル技術を使って、そのままの形でやりとりされることは不都合であると考えた。そのため、放送局はこのように便利なデジタル放送に、わざわざ制限を設ける仕組みを加えた。これがデジタル放送にB-CASビーキャスが使われるようになった理由の1つである。


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デジタル放送の仕組み

デジタル放送の技術
デジタル変調・誤り訂正方式等ARIB STD-B31
データ多重化方式MPEG-TS
映像・音声符号化方式MPEG-2 Video / AAC
視聴制限・コンテンツ保護方式B-CAS

デジタル放送と一口に言っても、0と1からなるビットの組み合わせを電波に載せる技術(デジタル変調)、ノイズが入り込んだ場合に訂正する技術(誤り訂正)、そこに映像や音声などの異なった情報を織り交ぜる技術(データ多重化)、映像や音声をできるだけ効率的なデジタル信号で表現する技術(符号化)、そしてそれらを特定の視聴者だけに見せるようにしたり、勝手にコピーされたりしないようにする技術(視聴制限・コンテンツ保護)など、様々な技術が積み重ねられた構造になっている。

地デジの場合、情報の伝送速度は約16Mbpsメガビット毎秒である。これは1秒あたり1600万ビットが送られることを意味する。これで1秒分の映像と音声、さらには字幕などの文字データが表現されているのである。

デジタル放送受信機やコンピューターは、8ビット単位でデータを処理する。この8ビットの塊は「バイト」と呼ばれる。1バイトが8ビットになったのは、欧文の文字を7ビットの組み合わせで表すアスキーコードに誤り訂正符号として1ビットを加えると8ビットになるので都合がよかったこと、また1980年代に8ビット単位でデータを処理するCPUシーピーユー(コンピューターの頭脳にあたる部品)が普及したという、歴史的な経緯による。

1ビットの組み合わせは0と1の2つで、2ビットの組み合わせは2×2で4である。このようにnビットで表せる組み合わせの数は2のn乗である。こうして計算すると7ビットの組み合わせの数は128で、アルファベットの大文字小文字、数字や記号を対応させるには十分な数だ。さらに1ビットを加えた8ビットの組み合わせの数は256ということになる。

コンピューターのファイルのサイズでMBメガバイトGBギガバイトといった単位が使われるが、おおまかに言えばそれぞれ100万バイト、10億バイトを意味する。地デジが1秒間に1600万ビットを送っているということは、1秒間に200万バイト、つまり2MBが送られているということである。

デジタルテレビ放送では、データはさらに「パケット」に分割して送られる。1つのパケットの大きさは188バイトと決められている。このパケットに映像や音声、文字データが含まれており、異なるデータが含まれるパケットを交互に送ることで、異なるデータをほぼ同時にテレビに届けることができる。計算してみると、地デジでは1秒間に約1万パケットが送られている。

デジタルテレビは完全にリアルタイムで映像が表示されるわけではない。例えば1秒分のデータを受信し、次の1秒でそのデータを使って1秒分の映像を表示する、その間に次の1秒分の映像を表示するためのデータを受信する…といったことを行う。1万パケットを全て映像や音声に使う必要はなく、一部を文字情報などに使ってもよい。また、高画質な放送を一本送る代わりに、画質を下げて情報を減らすことで、複数の放送を1つの電波に同時に載せることができる。例えばワンセグがそのような仕組みの代表例だ。デジタルは非常に自由度が高いのである。

漢字を含めた日本語の1文字は、2または3バイトで表される。ということは、1パケットで少なくとも60文字以上を送ることができるということになり、字幕を表示するなら1秒に1パケットを使えば十分だ。また、番組名も1パケットあれば十分で、実際に番組名は2秒ごとに同じデータが繰り返し送られている。チャンネルを変えても、すぐに番組名が表示されるのはそのためなのである。いかにデジタル放送が送ることができる情報が膨大で、映像や音声に比べて文字情報が微々たるものであるか、お分かりいただけるだろう。

この、パケットに分割して映像や音声などのデジタルデータを送る方式は、「MPEGエムペグTSティーエス」(単にTSとも呼ばれる)と呼ばれる技術で、国際規格として公開されている。この方式はデジタル放送に限らず、インターネットテレビや、DVDにも使われている。つまり、インターネットテレビやDVDの技術に精通した技術者なら、PCを使ってデジタル放送のデータを扱うことはたやすい、ということである。

「TS抜きチューナー」という言葉がある。これは、デジタル放送のTSデータをそのままPCに取り込むことができる機器のことである。家庭に飛んでくる電波からTSデータを抜くから、TS抜きというわけである。代表的なところでは、有限会社アースソフト(1)が2012年6月に発売した「PT3」という機器がある。これをPCに取り付け、アンテナをつなげれば、TS抜きができる。

生のデータをPCに取り込んでしまえば、その後どうするかはソフトウェア次第である。TSデータに含まれる映像や音声データについては、さらに様々な技術が積み重ねられている。地デジで使われている映像データは「MPEG-2ツー Videoビデオ」、音声は「MPEG-2 AACエーエーシー」という方式で、これらもまたインターネットテレビや、DVDでよく使われる方式である。

原理としては、TSデータから映像と音声データを分離し、PCについないだディスプレイに表示し、スピーカーを鳴らせば、PCを地デジ対応テレビとして使うことができるというわけだ。


(1)http://earthsoft.jp/



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手のひらの上で転がされるデジタルデータ

日本で地上波デジタル放送が開始されたのが2003年12月のこと。2000年代は、情報通信に関して1990年代のインターネットの商用利用解禁や携帯電話の爆発的普及ほどのインパクトのある出来事こそなかったが、それでも世の中は着実に変わっていった。

例えば2005年には動画投稿サイトYoutubeが開設され、誰でも手軽に動画をインターネットで配信することが可能になった。これをきっかけに、様々な動画投稿サイトが乱立し、2007年には文字通り個人でもリアルタイムにインターネットで放送が可能なUSTREAMユーストリームが登場した。これらのサービスが可能になったのは、それだけインターネットの通信速度が向上したからだ。

そして、動画配信サイトが普及すると同時に、目立たない所でまた別の変化が進んでいた。インターネットで映像を配信する技術に関連するソフトウェアが個人、企業、研究機関などにより開発され、これらの技術が大いに広まった。そのため、ソフトウェアをゼロから作らなくても、公開するソフトウェアを組み合わせたり改良したりすることで、個人でもデジタルテレビのデータを扱うソフトウェアの開発が可能となった。

また、コンピューターの性能も向上した。現在のデスクトップPCに搭載されるCPUは、2003年当時の5倍も6倍も高性能なものだ。

2008年にはスマートフォンの先駆けであるiPhoneアイフォーンが日本に上陸し、2010年にはタブレット端末のiPadアイパッドが登場した。スマートフォンやタブレット端末は今まさに爆発的に普及している最中である。これらの機器に搭載されたCPUは小さな電池で動くほど省電力でありながら非常に高性能で、高品質の動画を再生できるほどの性能を持っている。まさに手のひらの上でデジタルデータを自在に操ることができる時代なのである。

デジタル放送のような高品質の映像を処理するためには、非常に大きなデータを扱わなくてはならないが、現在では特別に高性能なコンピューターも、専用の機械も必要なくなった。そのため、“日曜プログラマー”でも簡単に参入が可能となった。一定の技術を持った人間にとって、機械を開発するのに比べれば、ソフトウェアを開発することはずっとたやすい。前者はそれなりの設備がいるが、後者はPCが1台あればいいからだ。

しかも、ソフトウェアはインターネットを使って簡単にやりとりできるし、いくらでもコピーすることができる。互いに素性すじょうを知らない世界中の人が協力しあって開発することも容易だ。

そして、デジタルはアナログに比べれば品質のばらつきが少ない特徴がある。要はソフトウェアが“数を正確に数えてくれさえすればよい”ので、日本で作られたソフトウェアだろうと、アフリカの奥地で作られたソフトウェアだろうと、同じディスプレイと同じスピーカーを使って再生すれば、違いが生じることはない。



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