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序文

碧は平凡なOLだ。

俗に言う“霊感”というものは自分に無いと思っているけれど、あまりのタイミングの良さにビックリする事が多々あった。それには、見えない世界の力が動いているとしか思えない!そうとしか考えられない!と信じている。


別れの苦しみと明るい光とが交差する見えない世界の体験談。

そんな碧の物語。





私、別れました!〜霊感は無いが見えない世界は信じる!

碧は俗に言う“霊感”というものは自分に無いと思っているけれど、あまりのタイミングの良さにビックリする事が多々あった。

これは見えない世界の力が動いているとしか思えない!そうとしか考えられない!と信じている。

例えば…

普段、仕事中は電話に出られず休みの曜日もバラバラなのに、

お世話になっている目上の人から大事な用件で電話が来た時は、たまたま休みで電話に出たり会いに行く事が出来たり。

それも一度や二度ではない。

それから…

お互いの誕生日ぐらいにしかメールのやり取りをする事がない遠方の知人相談のメールをしようかどうしようか迷っていたら、どちらの誕生日でもないのに相手から急にメールが来たり。

お金の心配をしている時期、たまたま別の探し物の為に、普段は用の無い押し入れの隅のダンボールを開けたら、封筒に入ったお金が見つかったり。

その他にも色々とある。

そんな碧の物語。


いつになく晴れやかな表情で碧が料理教室に姿を見せた。

今日は、ホワイトアスパラのブラマンジェ。

ひんやりとした口当たりとホワイトアスパラの風味に思わずうっとりします。


「オーロラさん、先日はありがとうございました!」

「こんにちは、碧さん。まあ〜オーラの色が変わったわね。 前は何だかよく分からない、濁ったような暗い色だったけど、今日はすっかり明るく輝いているわ」


「あら〜何か良い事でもあったのかしら?」桃世がにこやかに尋ねる。

「ええ、実は3日前に…長年付き合っていた彼と別れたんです」

「えっ!!あの彼とですかあ〜」朱音も驚いて身を乗り出してきた。


そうなんです。あの彼なんです・・・・

同じ趣味を持つその彼とは、随分と長い付き合いだった。

楽しい事もたくさんあったが、それまでに経験した事のないような苦労も味わった。

彼は周りとのトラブルが絶えず、碧の家族や大事な恩師にまで迷惑をかける事になってしまったのだ。



碧は自分が正しいと思う道と、彼の考えとのギャップを感じながらも、自分の思いを具体的に表現出来ずモヤモヤとしていた。

流されていくうちに、本当に大事な物や自分にとっての幸せを見失いかけていた。

そろそろ限界だった。

「今の状況の中で踏みとどまって頑張るべきなのかな…でも、それで解決の道はあるのかしら…?」

毎日その悩みが頭から離れず、かといって何か進展がある訳でも無く、もうどうしたら良いのか全く分からなかった。


そんな中、仕事では年に一度だけの特別な日がやって来た。

通常ならば、勤務中は一歩も外に出る事は無いのだが、今日はイベントで外に出向いての仕事だった。デスクワークばかりの碧は、いつもは居るはずの無い場所に居た。

そんな時、

「あら、碧さん!」

「え?あ、オーロラさん!!」

碧にとっては救世主にも思えるオーロラさんと、このタイミングでこの出会い。

あり得ない!絶対に、絶対にただの偶然じゃない!

「最近はどうなの?」と聞きながらも、オーロラさんは何かを見透かしている様子だった。

「ちょうどご相談したい事があったんです」

「そうね。では、一緒にお食事でもどうかしら?

「ありがとうございます。ただ、今はもうすぐ仕事の持ち場に戻らなくてはいけないんです」

二人は近くのベンチに座った。

既に全てを見抜いているオーロラさんに、詳しい説明は不要だった。

「どうしたらいいでしょう。どうやって解決したら・・・・」

「碧さん、大切なのはね、自分がどうしたいか?という事なの。 どのような答えが自分の幸せなのか、それを明確にする事が大事なのよ」

「そうですね…ただ、現実的な問題が色々とあって、考えれば考えるほど、簡単にはその道を選べないんです」

「碧さん。自分の気持ちを明確にして決断すれば、物事は一気にその方向に動くものなの。心配している現実的な事も、最終的には、全て収まるべきところに収まるのものなのよ」

「そうなんですね…」「はい、もう一度しっかりと考えてみます。ありがとうございます!」

長いトンネルの向こうに光が見えたような気持ちで、

碧は持ち場に戻っていった 。





料理教室では、ブラマンジェを冷蔵庫で冷やし固めている。

オーロラさんはオレオを撫ぜながら言った。

「あら、良かったわね。決断できたのね」

「頑固で怒りやすい彼なので、話がこじれるのではないかと、それがとても心配で怖かったんです。でも自分の考えを整理し、心を決めて固い決意を冷静に彼に話したら承諾してくれました。こんなにスムーズに事が運ぶとは思いませんでした」

「そうなのよ、迷いがあったらダメなの。 自分の考えをしっかり持てば、その波動が伝わって相手が折れるのよ。ダラダラと 情に流されると運気が喰われてしまうのよ~ まだ若いんだから、これからもっと素敵な人がきっと現れるわよ」

「はい。やっと本来の自分のレールに戻れた気がします。 私も菫さんのように、幸せな結婚が出来るように頑張ります!」


「あら碧さん、それなら私のように神様にお願いするといいわ。そうですよね!オーロラさん」

「・・・・・・・・」



奥付



オーロラさんの館

私、別れました!


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著者 : フルーツとタルト
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