閉じる


<<最初から読む

9 / 23ページ

りっぱな体格をした猟犬は、

うつろな目をして言いました。

 

ボクが吠えるから苦情がくるし、

もう飼えないからって

ここへ来たんだけど、これからどうなるの?

 

なんかここは、とても苦手だなぁ。

 

ボクが吠えるのは、ちゃんと理由があるんだ。

気がついて欲しいのに・・・

 

わたしは、柵の間に手をいれて、

やさしく なでてあげることしか、

できませんでした。

 


9
最終更新日 : 2013-06-02 10:07:27

からだの毛が抜け落ちて

赤くただれた足をひきずって歩く老犬は、

皮膚病のようです。

 

かわいそうに・・・

「どうか、すこしでも 

苦痛を少なくしてあげてください。」

 

わたしは、神様と天使におねがいしました。

 

 

 

 


10
最終更新日 : 2013-06-02 10:07:43

となりのオリへいくと

 

まだ子どもの、かわいらしい雑種犬が

あまえた目をして 伝えてきました。

 

 

 


11
最終更新日 : 2013-06-02 10:08:01

「おかあさんに 

赤ちゃんがうまれるから 

ここへ来たの。

 

あたらしい家族を みつけてくれる

ところなんだって。

 

はやくここを出て 

あたらしいお家へいきたいなあ。」

 

 

わたしの しゃがんだ ズボンの上に

涙が ぽろぽろ 落ちました。

 

 

 

 


12
最終更新日 : 2013-06-02 10:08:16

それぞれ事情はちがっても

自分からのぞんで、

ここへ来た犬は

一頭もいませんでした。

 

 

 

 



読者登録

菊地 さちこさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について