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草加ミュージック・フェスティバル

2013年2月3日 草加文化会館

 2月3日(日)、草加文化会館ホールで第8回草加ミュージック・フェスティバルが開催された。
 出演者はジャズを始め、和太鼓、アフリカ、阿波踊り、アカペラ、シャンソン、演歌、津軽三味線など多岐に渡っていた。
 オープニングは和太鼓集団「草加 保育魂」。保育園の男性保育士のグループだ。演目は「三宅太鼓」。若い男衆が腰をぐいっと落として力強く打ち込む太鼓の響きによって、高らかに開会が宣言された。
 続いて登場したのはワッシー・ヴィンセント・ジュニアさんのグループ。ワッシーさんはカメルーン出身。もともとは打楽器奏者だが、1994年に来日して三味線に出会い、三味線の師匠に弟子入りし、草加に住むようになった人物である。この日は三味線の新内から始まり、アフリカンな複合的なリズムを三味線と組み合わせて刻むサウンドで会場を盛り上げた。「好きなものを3つ並べた歌です」という紹介から始める曲は、歌詞が「納豆、しおから、生卵」の繰り返しだけ。実は曲名は「無理」という。
 なんと阿波踊りグループ「いなせ連」も出演。女踊り、男踊り、子供たちの踊り、大勢での多重な構成の踊りなどが途切れなく繰り出される。最後はいつのまにか客席に踊り手たちが散らばって会場全体を巻き込むクライマックスを演出した。
 獨協大学アカペラサークル「OLFM(オルフム)」も登場。当日は同サークルから6人組グループ「ぷりずむ。」が参加。パーカッションの声を軸に、ハーモニーを重ねて、スピッツの曲など明るいポピュラーソングを響かせた。
 神保満さん率いるJimbo's Jazz Orchestraは、18人編成で分厚いジャズサウンドを披露した。途中からゲストのトランペット奏者が現れ、懐かしのニニ・ロッソの曲を吹いて観衆の心をつかむ。
 トランペット奏者が退場すると、ビッグバンドはそのままに着物姿の真渕りかさんが登場。ジャズアレンジでの演歌を歌った。
 津軽三味線の五錦雄互さんが登場。津軽じょんがら節、よされ節などをパワフルに演奏した。あいさつがきわめて素っ気ない。ストイックに感じられて好感が持てた。
 鈴木恵津子さんはシャンソン歌手。「更年期のサンバ」「健忘症の歌」などのコミカルな歌を軽妙なトークを挟みながら披露。そして名曲「時は過ぎていく」で感動を呼び込む。
 最後は特別ゲストのジャズシンガー酒井俊さんが、アルトサックスの林栄一さんとピアノの田中信正さんとともに登場。感情を爆発させる歌や、魂を震わせ鎮めるような歌など、圧倒的な力を持ったパフォーマンスに正直驚いた。初めて出会った世界だと思った。
 収穫の多いフェスティバルだった。次回が楽しみだ。


そうか■まちだより
  1. 時間がゆっくり流れる異空間、うさぎの人形が佇む和食器の店「こもん」
  2. バレンタイン企画でハート型チョコせんべい作り(せんべいの庭)
  3. 心地いい喫茶店の演奏会「如月のみたり」
  4. 息の長い復興支援に向けて今、ここからはじまる!!(UC東北応援プロジェクト 草加市民先行上映会レポート)

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最終更新日 : 2013-05-14 12:57:16

時間がゆったり流れる異空間、うさぎの人形が佇む和食器の店「こもん」

 「こもん」は、新田ふれあいロード商店街にある和食器の店だ。最初に訪ねた時、扉の中はほの暗い静かで穏やかな空間で、別の世界への扉を開けた気持ちになった。
 入り口側は和食器。ガラス工芸作家の森永豊氏、『陶房 澄』を主宰する陶磁器作家の角田武氏、『はちのす陶房』の三浦順一氏の作品などが並ぶ。奥に入ると、和装をまとった人形達が佇んでいる。
 店主の林三枝子さんにお話を伺った。

 人形作りを始めたのは30代。自分自身がどちらの方向にいこうか悩んで落ち込んでいたとき、『人形が茶碗で釣りをしている写真』に出逢った。黒須瑛子さんという「ちりめん人形」作家の作品だった「いいな、こういうものに囲まれていたら気持ち的に裕福な、今と違う生活になりそうだな」と思い、教室に通い始めたという。今は「百貨店に出品していてお留守の人形もいます」というくらい、人形作家として認められるようになった。
 お話をうかがって一番驚いたのは、人形作りで一番難しいことが「生地を探すこと」だということ。
 店内にある人形達が着ている和服は、「藤色」や「銀鼠」など日本の伝統色でないと伝えられない落ち着いた色合いをしている。今出回っている絹は紡績加工がしてあり、人形には使えない。昔ながらの方法で絹を生産しているところは無く、骨董市などで探すしかない。「なくて当たり前、あったらラッキー、という感じ」。つまり、人形達は長い時間を経た古い古い着物を纏っているのだ。
 店内に今の時間と違う時が流れているような静かな空気が存在するのは、そのためなのかもしれない。
「時間とともに生地って優しくなってくるんですよ。お茶碗なんかもそうです」
 和食器のスペースでは、いくつかのうさぎの人形が和食器と遊んでいるが、とても自然な感じだ。
 和食器では、有田焼が好きなところから始まった。ただ、こちらは創作ではなく、販売に携わることになった。いい陶芸作家の作品に出逢う方に喜びを感じたのだという。
「美術作品ではない、雑器(ざっき)っていう毎日使うものの世界の方が好きですね。伝統工芸展などにある器はなんでこんな使いにくい形してるんだろうと思う。冷や奴のせたら美味しそうだなあとか、これにしらすをのせてみようかな、ネギをいっぱいのせてみようかな、と思わせる器が、私にとっていい器」
「洗っていて楽しいって思わせるものがけっこうあるんですよ。裏の方まで気を配ってあるものだったりするとおもしろいなと思ったり。なでまわしたくなるような雰囲気があるんです。それは、自分で手に取って初めてびびっとくるような気がします」
 「新田ふれあいロード商店街」はこれから再開発に入るが、お店の今後について具体的なことはまだ決まっていないという。「まだこれから何が起こるかわからないから」。
 一度このお店に入って和食器の手触りを楽しみ、人形達に囲まれて店主とゆったり過ごす、そんな時間を持った人は、必ず「固定客」になるだろう。ちょっと今の時間の進み方に疲れたら、ぜひ寄ってみて欲しい。

こもん
草加市金明町294-6
☎048-932-4878


バレンタイン企画でハート型チョコせんべい作り

 2月9日(土)、金明町の「草加せんべいの庭(山香煎餅本舗)」にて、せんべい手焼き体験の「バレンタイン企画」が開催され、近隣から集まった子供たちや家族でにぎわった。
 
 川口市から来た駒井結花ちゃん(6歳)は、ご両親に手伝ってもらいながらせんべい手焼きに挑戦。ハート型のおせんべいにチョコレートを塗ったりトッピングを載せたりして、かわいいバレンタインチョコを作った。

 主催は「燃生塾(ねんしょうじゅく)」という団体である。
 塾長であり、山香煎餅本舗の製造部長である工藤修さんによると、燃生塾は、せんべい文化を自主的に勉強するために2006年に設立された団体だという。草加せんべいの庭で定期的にせんべい焼き体験会を開いたり、各地のイベントに出展したりしている。
「山香煎餅本舗は『新しい草加せんべい文化の創造』をビジョンとして掲げていて、そのビジョンを実現するために草加せんべいの庭も燃生塾も作られたんです」と工藤さんは語る。
「自分で焼いた手焼きせんべいのおいしさをたくさんの子供たちに知ってもらいたい」と、小学校の1クラスが来ても対応できるように、草加せんべいの庭に当初から手焼き台を台設置したという。
 
 草加せんべいの庭では、クラシック、ジャズ、和楽器など、様々なジャンルの音楽コンサートも開いていて、せんべいだけでない文化の拠点にもなっている。

草加せんべいの庭
住所:埼玉県草加市金明町790-2
電話:048-942-1000
営業時間:10:00〜19:00

心地いい喫茶店の演奏会「如月のみたり。」 

 2月6日、以前取材にお伺いしてから、月に1回ほど美味しいランチとデザートを食べに伺っている「茶房平」で、アンサンブル演奏会があると聞いて訪ねた。
 生憎その日は雪。しかし店内は満席。静かに演奏の開始を待つ。
 
 演奏者は「みたり」。メンバーはフルート宮川悦子さん、ピアノ山崎結有さん、サキソフォン戸張真衣さんの3人。「みたり」は、「ひとり、ふたり、みたり」。つまり3人を示しているとのこと。
 曲目は「くるみ割り人形」『白雪姫』より「いつか王子様が」など、なじみ深いものばかり。個人的には、「You Raise Me Up」が心に残った。アンコールは「愛の賛歌」。そんなに長い時間ではなかったけれど、久し振りに何かが心に充たされた気がした。
 フルートの宮川さんは、草加でフルート教室「se piasce」を主宰、「草加市演奏家協会」会員でもあり、草加市内の音楽イベントでも活躍されている。ブログをのぞくと今年の目標は「いつでもニコニコすること!」本当に音楽が大好きで、日々を楽しく過ごしている、そんな感じが溢れていて、幸せな気持ちがほんわか湧いてくる。
 音楽をライブで聴くことと、プレーヤーやテレビなどのメディアを通して聴くことの一番大きな違いは、体全体で聴くことができることだ。音が空気の振動であることを改めて思ってしまう。そして、喫茶店のような小さい場所での演奏会は、楽器の音だけではなく、演奏者の息づかいや指が楽器に触れる音、衣擦れ、そんなかすかな音も全部ひっくるめた、居心地のいい異空間を作ることが魅力なのだと思う。
 こうした小さな規模の演奏会が草加のいろいろなところで毎週のように行われていることは、とても素敵なことだ。
 今年は草加市が「音楽都市宣言」を出してちょうど20年の節目の年。このことを、多くの人に知ってもらいたい。

「茶房平」では8月7日に『《葉月》のみたり。』を開催予定。

宮川悦子 フルート教室「se piace」
草加市演奏家協会


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