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あとがき

 本作は、私が小説を書き始めた頃の、初期の作品をまとめた短編集だ。
 1990年〜1994年に書いた作品だが、これらはテキストデータとして残っていたもの。かれこれ20年あまり前……というと、1990年頃に使っていたパソコンはNECのPC-9801で、OSはMS-DOSの時代だ。なんとも時代を感じるが、その当時のデータを残してあったこと自体が奇跡に近い(笑)。最初はフロッピーディスクに保存してあって、のちにMacintoshのHDにコピーして、MACの新しい機種を買い換えるごとにデータを引き継いできた。HDの故障などで失われたデータも多いが、この作品のデータは生き残った。

 3つの作品について、裏話など。

『ビールと麦茶とアイスクリーム』
初出: 1994年刊、SF同人誌「NOVEL AIR  ver.201」(NOVEL AIR発行)掲載
 現在も細々と活動を続けている、NOVEL AIRに発表した作品。
 当時は、私も含めてメンバーは若く、競い合って作品を書いていた。いま読むと、そんな若かりし頃の勢いを感じる(笑)。
 ちょっと切ない話だが、自分で読んでも目が潤んでしまう。

『シリコンと蛋白質の誤算』
初出: 1992年刊、マンガ同人誌「冬・ふ・ふ・ふ」(COMIC LIFE WORKS発行)掲載
 3つの作品の中では一番古いが、COMIC LIFE WORKSというのは私が主宰していたマンガサークルだ。その別冊として出した同人誌に掲載した。
 小説としては、ほぼこれが処女作。それ以前は、もっと短いショートショートを書いたりしていた。ただ、文章としては評論やレビューをいろいろと書いていたので、長い文章を書くことは苦にならなかった。掲載したのは1992年だが、書いたのは1990年頃だったと思う。
 ちなみに、COMIC LIFE WORKSの同人誌は、かつて小学館が行っていた「同人誌大賞」で大賞を受賞したことのある同人誌だ。私はマンガも描いていた。

『デビルライン』
初出: 1994年刊、SF同人誌「PARADOX 36号」(PARADOX発行)掲載
 私が参加していたもうひとつのSFサークル「PARADOX」に掲載された作品。
 WEBサイトは現在も存在しているが、活動自体は休止している。代表を務めていた作家の伊吹秀明氏とは懇意にしていただいた。PARADOX 36号あたりから同誌のデザイン・制作は私が請け負った。
 「デビルライン」は短編としては、2作目か3作目だったと思う。

 これらの3作は、私の原点ともいえる作品だ。
 その後に書いた長編は、この原点から発展したものだといえる。
 多少はリライトしたが、おもに誤字脱字、漢字の使い方、改行の区切り方を、私の現在のスタイルに合わせることに重点をおいた。また、出てくるガジェットの表現が古いところなどは今風に置きかえた。
 基本的な部分は、書いた当時のままだ。
 この電子ブック化にあたり、20年前の私と対面したような気分になった(笑)。
 若いなー、君は……などと、感慨を覚えた。

 ちなみに、カバーイラストは現在の私の描き下ろしである。

諌山 裕
(2013年4月)

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