目次
ご挨拶
ようこそレッドカーペットへ
洋画部門
狼の死刑宣告
オーシャンズ
Dr.パルナサスの鏡
キャピタリズム マネーは踊る
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
抱擁のかけら
インビクタス/負けざる者たち
恋するベーカリー
ハート・ロッカー
フローズン・リバー
シャネル&ストラヴィンスキー
しあわせの隠れ場所
シャーロック・ホームズ
コララインとボタンの魔女 3D
NINE
アイガー北壁
マイレージ、マイライフ
パイレーツ・ロック
第9地区
オーケストラ!
アリス・イン・ワンダーランド
17歳の肖像
月に囚われた男
グリーン・ゾーン
クレイジー・ハート
ローラーガールズ・ダイアリー
トイ・ストーリー3
ミックマック
終着駅 トルストイ最後の旅
アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ
レオニー
約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語
442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍
英国王のスピーチ
SUPER 8/スーパーエイト
いちご白書
猿の惑星:創世記(ジェネシス)
ブラック・スワン
ジュリエットからの手紙
邦画部門
今度は愛妻家
ゴールデンスランバー
おとうと
食堂かたつむり
ボーイズ・オン・ザ・ラン
星ひとつの夜
花のあと
ソラニン
のだめカンタービレ 最終楽章 後編
RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語
パーマネント野ばら
ボックス!
シーサイドモーテル
アウトレイジ
孤高のメス
告白
春との旅
借りぐらしのアリエッティ
ちょんまげぷりん
カラフル
キャタピラー
トイレット
悪人
THE LAST MESSAGE 海猿
SPACE BATTLESHIP ヤマト
最後の忠臣蔵
ふたたび swing me again
酔いがさめたら、うちに帰ろう
ノルウェイの森
武士の家計簿
太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
阪急電車 片道15分の奇跡
ダンシング・チャップリン
大鹿村騒動記
はやぶさ/HAYABUSA
ツレがうつになりまして。
ステキな金縛り
2010〜11年映画ベスト10
2010〜2011映画ベスト10
邦画部門ベスト10
洋画部門ベスト10
講評
奥付
奥付

閉じる


ようこそレッドカーペットへ

ようこそ、レッドカーペットへ。映画が大好きな、あなたのご来場を心からお待ちしておりました。
えっ? 最近、映画館に行ったことがない? 結構ですよ。大いに歓迎致します。これから映画の魅力をご一緒に探ってゆきましょう。
この本は、2010年1月1日から2011年12月31日までに私が映画館で鑑賞した、洋画39本、邦画37本を収めた映画のレビュー集です。各作品、私の独断と偏見による5点満点の採点をつけてみました。レンタルビデオ店でDVDを借りるときのご参考にでもして頂ければ嬉しいです。
あなたのお好きなように、どこからでもお読み頂けるように、一作品一ページにレイアウトしてみました。
また、予告編のアドレスも掲載致しました。コピーしてお使い下さいませ。
巻末には、2010年〜11年の映画マイベスト10も選んでみました。
ご案内役はわたくし、天見谷行人が務めさせて頂きます。
ではごゆっくり、映画の森をご散策下さい。また、映画館でお会いしましょう。

狼の死刑宣告

2010年1月1日鑑賞
***緊迫感の描写に一見の価値あり***
ケヴィン・ベーコンについては「アポロ13」でとても気になった俳優さんで、僕のお気に入りの人だ。
シャープで理知的であり、かっこいい。この人なら相当女にモテるだろうと思わせた。
「アポロ13」ではNASAでプレイボーイとしても有名な宇宙飛行士役を演じている。
その人が本作では一家の父親役をどう演じるのか? ちょっと興味が沸くのである。更にはYahoo映画レビューでも高評価。
物語の冒頭はよくあるファミリードラマのようだ。温かな4人家族を描き出している.
子供は二人。どちらも男の子である。兄はスポーツをやっていて結構いい線いっている。もう少しでスタープレーヤーだ。対照的に弟はおとなしく、いつも兄からからかわれている。
このあたりはどこにでもある一家族の平和的なストーリーだ。
子供同士の兄弟喧嘩だってファミリーにありがちなことだ。
それこそ、その小さなトラブルをどうやって解決していくのかが、父親や母親にとっては楽しみのひとつになるだろう。
そう言う家族なのだ。ごくありふれた、、、
だが、ある日、平穏な日常は突然終わりを告げる。父と兄はギャングに遭遇した。兄は無惨な姿で殺されてしまった。
やがて穏やかな生活の歯車の組み合わせは、どんどん外れていってしまうのである.
父親は変貌する。彼はのちに復讐の鬼となる。もっとすごいのはその復讐劇のスリリングな表現方法なのである。
「ノーカントリー」をご覧になった方は分かると思うが、あの無慈悲な殺人鬼の主人公のように実に冷静に、憎いギャング達をひとりづつ仕留めていくのである。
相手の若いチンピラ達は当然銃を持っている.中にはマシンガンで武装しているものもいる。
それらと相対する父親。彼は、復讐のため自らの髪の毛を剃り上げ変身してアジトに乗り込んでいく。
このあたり、あの名作「タクシードライバー」の主人公のようでもある。
「タクシードライバー」でも、主人公のトラビスは突然キレて、モヒカン頭になってしまう。
マーティン・スコセッシ監督は、あの一人の孤独で小市民的なタクシードライバーが妄想の末に、とうとう精神的なレッドゾーンに入ってしまうのを描き出している。
また、本作にはスティーブン・スピルバーグ監督の初期の傑作「激突」の雰囲気も感じられる。
あの作品も主人公がただ、怪物の様なトラックにひたすら追いかけられるという不条理な話なのである。そこには理由もなく、ただ追いかけられると言う状況に追い込まれた、主人公の恐怖の心理状態が見事な映像で描かれている。
本作のハイライトも、復讐という局面に、まさに命がけで没入してしまう、全く自制など効かない「殺すか、殺されるか」という、ぎりぎりの心理描写とアクションが素晴らしい緊迫感で描かれている。
それはケヴィン・ベーコンと言う知的で抑制の利いた俳優が、覚悟を決め、復讐の鬼と化した、捨て身の父親役を演じているからこそなのだ.
もしこれがブルース・ウィルスなら、単なるダイハードの亜流になっていたことだろうし、ラストはフランクシナトラのクリスマスソングでも流しながらハッピーエンド(これってダイハード1ですね。)になっていたことだろう。本作はすでに中盤当たりからハッピーエンドに終わらない状況に主人公が追い込まれていくのが分かる.そこに一個の人間ドラマがある。とてもシンプルで的をしぼった、贅肉のない切れ味鋭い作品である。
**************
天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
映像 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆
総合評価 ☆☆☆☆
**********
作品データ
監督   ジェームズ・ワン
主演   ケヴィン・ベーコン、ケリー・プレストン
製作   2007年 アメリカ
上映時間 106分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=1i12wuLtW5g

オーシャンズ

2010年1月24日鑑賞
***この星に住んでいいですか?***
 以前観た「皇帝ペンギン」の時もだったけど,よくこんな映像が撮れたものだと,いつもながらカメラマンの熱意や勇気に感心してしまう。
 本作ではサメと寄り添うようにして泳ぐカメラマンにも,驚かされるが,巨大なクジラのすぐそばで撮影している様子は圧倒的だ。
 クジラがその気になれば,尾びれの一振りで人間などオダブツである.
 ほんとに人間というのはちっぽけな動物だな,とあらためておもうのだ。(だからといってぼくは過激な反捕鯨原理主義に共感しているわけではない)
 この作品は地球の約7割を占める海をテーマに、そこに生きる生物達の営みを捉えたドキュメンタリーである。
 映像を見ていると,やはり愛嬌のある動物達に目がいってしまう。
オットセイの、のんびりした昼寝姿に癒され,海イグアナの怪獣の様な顔に妙なユーモラスを感じる。神秘的なクラゲの大群も、幻想的な雰囲気があって僕は好きな光景である。
 海や陸に限らず生き物達は自然の定めた法則によって生かされ,そして死んでいく。
そこには「見えざる神の手」とでも言える様な絶妙なバランス感覚がある。
 唯一そのバランスを崩しているのは、言うまでもなく人間と言う地球上に住むひとつの生物種である。
  最近僕はこの「バランス」というキーワードが気になって仕方がないのだ。
 人間の体の中も、当然この微妙なバランス感覚で生命を維持している訳だし、その人の行動、仕事と私生活のバランスなど,いろんな面でバランスというのは重要だ。
 特に最近うるさいほど言われる環境問題は、まさに人間が人為的に地球環境のバランスを崩してしまったことによるのだろう。
 本作の中で唯一、違和感を覚えた部分がある。
 「地球を守る」というナレーションが入るのだ。
 言うまでもなく地球のバランスを崩したのは人間である。
 ならば人間はその責任を問われている立場であると思うのだ。人間は加害者なのである。
 「地球を守る」というコトバにはそのなかに、「地球の主人公は人間である」という自負が含まれている。思い上がりも甚だしい。
 地球上のルールを破ったのは,人間という生物だけである。
 すでに他の動物達は地球上に棲むためのルールを守り,地球システムを守ってきた。
 人間はそろそろ気づくべきだ。
 もっと地球上生物の一員として「住まわせてもらっている」という立場をわきまえるべきだ。
 この作品に登場する海洋生物たちにきいてみたいものだ。
「ボクタチは地球に住んでもいいですか?」と。
 きっと嫌な顔されるだろうけどね.
**************
天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆
配役 ☆☆☆☆☆
演出 ☆☆☆
映像 ☆☆☆☆☆
音楽 ☆☆
総合評価 ☆☆☆
**********
作品データ
監督   ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ
製作   2009年 フランス
上映時間 103分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=S9mIOlzK-nU

Dr.パルナサスの鏡

2010年1月27日鑑賞
***変態ワールドはのだめだけじゃない***
テリー・ギリアム監督って幸せな監督さんだと思う。
 主演のヒース・レジャーの急逝と言う,回復しがたいアクシデントに見舞われても,それを助けてくれた俳優達がいたのだ。
 それにしても、よく,まぁ,こんな個人的趣味のセカイを映像にして,それを,おもしろいと言って参加する俳優達もそうとうな物好きな連中だ。
 本作の目玉はなんと言ってもジョニー・デップが出演しているということだ.他にコリン・ファレル、ジェード・ロウ、と実に豪華キャストである.
 舞台は移動見世もの小屋の住人達と、そこに仕掛けられた鏡の向こう側で起こるファンタジーという内容だ。
はっきりいってストーリーは,よく分からなかった。
多分監督自身でさえストーリーはどうでもよかったのではないかなぁ? おもしろいと思ったイメージを映像化して、編集で繋げたという雰囲気の映画なのだ。
だから観客はついていくのにちょっと苦労するのである。
 ズバリ言ってしまえば「のだめ」の変態ワールドの豪華版といえばいいだろうか。さすがにマングースはでてこないけど,不思議なゴンドラや、巨大なハイヒールがでてきたり、あるいは「アバター」を彷彿とさせる様な秘境が出現したりする。
変幻自在なイメージの遊戯とイタズラ心。
突然おっさんの警官達がハレンチなダンスを踊ったりするのも、ああ,この人はあの「モンティ・パイソン」のナンセンスを今だに受け継いでいるのだなぁと納得。
断片的な印象しか残らないのだけど,こういう形で映画に出来るというのはやはり,いい仲間達がいるからなのでしょうね。

**************
天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
映像 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆
**********
作品データ
監督   テリー・ギリアム
主演   ヒース・レジャー、クリストファー・プラマー
     ジョニー・デップ
製作   2009年 イギリス/カナダ
上映時間 124分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=WgLJ29Uei4M

キャピタリズム マネーは踊る

2010年1月28日鑑賞
***マネー主義のたそがれ***
2010年1月、日本航空が破綻し,企業再生への道を歩み始めた。そこで働くパイロット達はまだ従来の給与を得ていることだろう。企業が,破綻しても政府から多額の公的資金を与えられOB達にさえ年金は支払われる。(もちろん減額はされたが)かたや,アメリカ合衆国では,経営が傾いている航空会社のパイロット達はハンバーガーショップでアルバイトをしながら片手間にジェット機を飛ばす。どちらもあまりにも両極端だ。
 アメリカ合衆国に、資本主義などあるのだろうか?あるのはマネー主義だけなのではないだろうか?
「お金さえあればシアワセ」
 アメリカ合衆国では「幸せ・社会的地位・権力」の尺度をお金で数値化できると考えている人が多いのは確かだ。「金持ち」だから「エラい人」なのである。とてもシンプルで単純な発想で成り立っているのだ.
 あの国では勝ち続けることだけが生き延びる道だ。
 だからこそ,金持ちはさらに金持ちになろうと不断の努力を強いられる。
 その努力の賜物のひとつがサブプライムローンである。素人には絶対分からないようにする、という目的で開発された金融商品だ。
 これは毒入りまんじゅうである.
 だが、これを売りまくってアメリカの金融界は自己崩壊した。
 株式等、ひとつの市場が抱えている富の総額は決まっている.これを分配するのか?それとも誰かが独り占めするのか? どちらも合計すれば総額は同じ金額になる。これをゼロサム社会と言う。
 だから,誰かがとんでもなく裕福であるということは,その裕福さは、貧しい人々から更に金をむしり取った結果なのである。
「負ける奴が悪いのさ!!」というのがアメリカのルールだ。
 負けた人々は借金を背負う。
 家のローンが払えない。
 警官がやってくる。立ち退けと強制執行される。
 警察は金持ちの味方のように見えてしまう。
 家は売りに出された。
 人々は路頭に迷う。
 「これは何かおかしいんじゃないか?」と気づき始めた人々がいる。そのひとりがマイケル・ムーア監督である。
マネーにまつわる、何とも理不尽なエピソードを交えながら、このいびつなマネー主義の世の中をわかりやすく映像化している。
 マネー至上主義の先にある姿は、全ての人々に競争させ、格差を生じさせる社会である。
 人が幸せに生きていくには,そんなに多くのお金がいる訳ではない、と僕は思う。
キリストには申し訳ないが,人間、パンと水があればなんとか生きていけるものである。
 今,僕はデンマークという国を1つの具体的な目標としてセットしていいのではないかと思う。
食料自給率300%、エネルギー自給率100%、幸福度ランキング世界第一位。
 日本で天ぷらそばを食べると、その8割は海外の原料で出来ているそうである。
食料自給率が極めて低いのに,更に減反政策を進めていると言う,訳の分からない国、日本。
「オニギリ食べたい」と老人が餓死する先進国、ニッポン。
首相が交代すれば、揉み手をしながら、ニコニコと真っ先にアメリカ合衆国にご機嫌伺いに飛んでいく国、ニッポン。
マイケル・ムーア監督.今度は,この不思議の国、日本をテーマにドキュメンタリーをつくってみませんか?
**************
天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
映像 ☆☆☆
音楽 ☆☆☆
総合評価 ☆☆☆
**********
作品データ
監督   マイケル・ムーア
主演   マイケル・ムーア
製作   2009年 アメリカ
上映時間 127分 
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=VUJjLTNcrmE


読者登録

天見谷行人さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について