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MUGA 第6号
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例外者たちの詩     那智タケシ
季節の詩     rita
「人間には、自分で自分を治す力がある」 菊地久幸×那智タケシ
世界中の人に自慢したいよ~忌野清志郎のうた
《無我的観照》第2回 『白痴』(ドストエフスキー著)から読み解く現代のキリスト像
アラスカ便り―北の果てに暮らす日々―
★編集後記
MUGA 第7号
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『例外者たちの詩』  那智タケシ
『季節の詩』  rita
歌うも舞うも法の声~「AKB48」に寄せて
《無我的観照第3回》 霊的女優・イレーヌ・ジャコブ論
アラスカ便り―北の果てに暮らす日々―
★編集後記
MUGA 第8号
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『例外者たちの詩』  那智タケシ
『季節の詩』    rita
編集会議 「AKBは無我的か否か」
川の流れのように~秋元康にみる「無我的表現」
アラスカ便り―北の果てに暮らす日々― 
★編集後記
MUGA 第9号
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例外者たちの詩     那智タケシ
『季節の詩』    rita
「何もしない時間の大切さ」 菊地クミユキ
無我表現としてのAKB前田敦子
無我的観照第4回 『マイネームイズハーン』に見る愚直な愛の表現
アラスカ便り―北の果てに暮らす日々― 
★編集後記
MUGA 第10号
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『例外者たちの詩』  那智タケシ
『季節の詩』     rita
「土も人間も健康にする内城菌の力」 瀧 芳人(ヤマイチシステムプロデュース代表)
AKB48仲谷明香『非選抜アイドル』にみる無我表現
アラスカ便り―北の果てに暮らす日々―
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アラスカ便り―北の果てに暮らす日々―

アラスカ便り―北の果てに暮らす日々―

 

「オーロラ」

 

 長岡マチカ(文化人類学を学び、現在、アラスカ在住)

 

 1月下旬、過去6年間で最大とされる太陽の表面爆発現象「太陽フレア」が観測された。その影響でここアラスカの上空にも壮大なオーロラが出現するだろうとメディアが伝える。「今日は見られるまで寝ないつもり」、太陽フレアの影響が地球に届くとされる日、そんな声をあちらこちらで聞く。

 普段アンカレッジではなかなかオーロラに出会うことがない。見られたとしても写真集に載っているような緑や赤色でなく、白くぼんやりと煙が舞っているようなものがほとんど。夜空に揺れる色とりどりの光の饗宴を見るには、やはり内陸へ出かける必要がある。それでも今回の大爆発はアンカレッジにさえくっきりとしたオーロラをもたらすのだという。

 

 最初にオーロラを見たのは16年前の9月、初めてアラスカを訪ねた時のことだった。内陸の町フェアバンクスに滞在中、夜になると空一面緑や赤色に照らされる、そんな日が3日間続いた。暗くなると車を走らせ人里離れた丘の上に寝転び空を仰ぐ。透き通った色とりどりの幕が一時として止まることなく揺れ続けている。ここぞと定めようとする目線をするりと抜け、次から次へと色を形を変えていく。

「音があるのよ」

 言葉を失いただただ仰向けに寝転がる私の隣でネイティブ・アラスカンの友人が言う。

「耳を澄ませて」

 ネイティブ・アラスカンの間では、オーロラは精霊たちがセイウチの頭蓋骨を蹴ったり投げたりして遊んでいるのだ、と伝えられているという文献を読んだことがあった。

「精霊達の歓声?」そう聞く私に「あなたがそう聞きたいのならそう聞けばいい」友人はネイティブ独特の訛りのある英語でゆっくりと言った。

 視覚から聴覚へ意識を移してみる。何も聞こえない・・・。それでもゆったりと感覚を澄ませたまましばらくすると、オーロラの動きに合わせ一定のリズムが身体を包み始める。やがてそのリズムは自身の呼吸と溶け合い心音と共に身体の奥底に揺れ始める。目に見える形、耳に聞こえる音、視覚や聴覚にはおさまりきらない感覚に包まれる。

「オーロラが自分なのか、自分がオーロラなのか」

 そんなことをつぶやく私の肩に、友人の手がそっと触れる。

「あなたも、オーロラも、地球も、太陽も、宇宙も、生きていてね」

 不思議な感覚に身を委ねたまま聞く友人の言葉が、すっと身体に入り込んでくる。ひょっとして、生きているという命の源に流れるリズムは皆繋がっているのかもしれない、そんなことをぼんやりと思う。

 

 当時を思い出しながら、リビングルームで毛布に包まり真夜中の窓の外を眺める。ソファの上には飲みかけのホットレモンと子ども達が読んでいた地球物理学者のインタビュー記事が置いてある。「これからアラスカの人々はもっと多くのオーロラを見ることになるだろう。長いこと静かにしていた太陽が目を覚ましつつある!」その学者の言葉が目に留まる。「生きていてね」、オーロラを共に見上げた友人の言葉が蘇る。

結局その夜はオーロラを見ることがなかった。市内でも地域によっては見られたという。翌日の新聞にはアンカレッジの岸から望む海面の上空に、緑色の幕がくっきりと写っていた。

 


★編集後記

 すっかり寒くなりましたね。学生時代は、「寒くて、眠くて、金が無い」と呪文のようにつぶやいていた気がしますが、それほど進歩がなかったり(笑)。最近は冬眠する小動物のようにナッツばかり食べていますが、春に向けてエネルギーを蓄えておきたいものです。 

 先日は、ぼくの最も好きな画家であるルドン展を見に行きました。大きなインスピレーションをもらい、こういうのも大事だな、と。生のオーロラを見たら、いろいろ刺激をもらえそうですね。(那智)


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MUGA 第8号

「私」ではなく「世界=無我」からの表現を発信する

 

無我表現研究会発行 月刊メルマガ

 

◆目次

 

◇アート

 

・詩

『例外者たちの詩』  那智タケシ

 

『季節の詩』     rita

 

◇対話

・無我表現研究会・メルマガ「MUGA」第8号編集会議

 

  「AKBは無我的か否か」

 

◇評論

 

・評論

川の流れのように~秋元康にみる「無我的表現」

 

                        高橋ヒロヤス

◇エッセイ

 

アラスカ便り―北の果てに暮らす日々― 

『祭、草のバスケット』   長岡マチカ

 


『例外者たちの詩』  那智タケシ

★詩

 

例外者たちの詩     那智タケシ

 

 

★真白き顔の女

 

無明の中に沈み込む

 

真白き顔の女がいた

 

海底をたゆたう海月のように

 

一切の受難に逆らうことなく

 

忍従の表情も浮かべず

 

希望への光耀に目を向けることもなく

 

ろくろく苦しむことさえ忘れて

 

運命の綾に流されて倦むこともなかった

 

彼女は荒々しい欲望や

 

感情の抑揚に興味を持つことがなかったばかりか

 

軽蔑さえしていたけれども

 

かといってそれに逆らう力を持たなかった

 

だからできるだけ汚されぬよう

 

痛めつけられぬよう

 

考えぬように

 

真白き顔をして流されて

 

いつか幼児の頃のような光の世界に辿り着くことを

 

ほんの少しだけ夢想しながら

 

無明の中に沈み込んで

 

この世の底辺で沈黙していた

 

彼女たちはこの世の受難者であるが

 

彼女たちが受難者であることを知る者は誰もいない

 

 


『季節の詩』    rita

季節の詩     rita 

 

【・春の空・】

 

ブランコをこいでるの

もっと勢いをつけよう

まっすぐ見つめるあの雲まで

その翼に飛べたなら 空を渡れるかな

 

シャボン玉をとばそう

サンゴが産卵するみたいに

たくさんたくさんの願いを

その舟に積めたなら 空に行く着くかな

 

蝶をつかまえよう

昔年の声をたよりに

時空のひずみを探っている

その背中に乗れたなら 空へ届けてくれるかな

 

そうしたら

 

案内してもらえる?

 

果実のように匂いたつ豊潤な 春の空を

はちみつ色した光のなかへ

 

途方に暮れる?

底なし沼のような虚ろな 春の空を

もうもうと煙る風のなかへ

 

 

【・池・】

 

木立のいくらのぞいても 池にしょんぼり

 

映る姿はハゲ頭

 

カモたちのまわるまわる 池はファンタジア

景色たちが踊りだす

 

木立もみなもに体をクネクネさせたら

凍えるほどのさみしさは

笑い声にはずんでとんでった

 

水底より浮かび上がる喜びに

大きくまるく膨らんで

アフロヘアになっちゃった

 

春の訪れ気分に

 

ちょっぴり弾けた夢を見た

 

 

【・公園・】

 

春になりたての公園のベンチには

芽吹きの準備に追われる木立が

 

影をぬいで一休み

ゆるりと腰を掛けていたよ

 

ぼくの公園では

 

アシビが早々にお出迎え

 

だけど気弱な春がときおり冴え返るから

 

アシビはひとりぼっちで

 

足音を待ってる

 

みんな外に出ておいでよ

 

と、呼んでるの

 

 

【・淡雪・】

 

ひらひらと天降りたり プリマヴェーラ

 

街は寝息に静まるも

鳥たちは知っている

営みの声を掛け合い 春を祝うよ

 

白い世界の使者たちは囀りと

軽やかに響き合い

抱えきれないほどの幸福を

全ての頭上に 王冠のようにのせていった

 

淡雪に天降りたり プリマヴェーラ

 

ひととき明るい光の中で

子供の頃の思い出に

ふんわりと包まれよう

 

それはこんなふうに真白い繭の中で

大切に守られてるものだったの

あたたかなぬくもりを感じていたよ

 

ほどなく すこしづつ 普段のざわめきに

 

戻っていく 薄らいでいく

 

街に これからの季節を残して

胸に 遠い日の情景を残して

 

淡雪の時は 過ぎていった



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