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6月16日

 ちょっと気になって鳴瀬めぐみの事、検索してみたんだ。そしたら出るわ出るわ・・・公式のページやブログがどうにかトップに出た後の『非公式ファンサイト』の数々。“某ちゃんねる”でも『間違った情報に惑わされるな!』『みんなでめぐっちぃを捜しに行こう!!』とかって、ご丁寧に捜索隊の結成写真まで載っけてあったりする。

 ──── なあ、こんなの見てどう思う?

6月17日

 実は俺、『友だち』とはあの日から一緒に暮らしてたりする。『住むトコがないんなら、ウチに来れば』って。アパートの家賃だってバカになんないんだし・・・とか言って“助けてやるつもり”で半ば強引に(笑)。たしかに、ここだって広いってわけじゃないけど、二人くらいなら割と余裕はある。でも、こんなの他の連中には知られたくないな。んなさ

『“お持ち帰り”したオンナと同棲してる!』

とかヘンな噂立てられても困るし。そんな、男と女がふたりっきり一つ屋根の下で暮らしてたって実際何もありゃしないし。

 ──── 本当に、ただのルームメイトなんだって。

7月1日

 その“オンナトモダチ”を家に連れ込んだのは春だったから、この時期に着るには結構暑いじゃない?そこで俺は夏向きの服をプレゼントしたんだけど・・・“無口だから”ありがとうの一つもなし。嫌なのかどうかも、顔見ただけじゃ分かんない。ただ彼女に着せてあげるだけ。

 ──── 俺って、案外センスいいかも。

7月5日

 前にも書いたか?・・・俺がいなきゃ“ナニモデキナイ”って話。彼女は一日中椅子に座ったまんまで、食事でさえも一人じゃ無理だから、毎日、朝昼晩俺がスプーンで口へ運ぶんだ。しかもほんの少し口を開けるだけ、ほとんど噛めないから

いっつも『おかゆ』みたいな

それじゃあ栄養が偏ると思って、赤ちゃんの離乳食っていうか・・・ペースト状のベビーフードってヤツをあげたり。

 こぼしても、自分じゃ口の周りを拭えない。ましてや体なんて・・・ウチには風呂がなかったから、たまに俺が蒸しタオルで拭いてやるくらいしかできない。エロいって思うのは勝手だけど、トイレで用足すのだって・・・。

 とにかく彼女は、俺がいなきゃダメなんだ。日に日に、俺の中でも彼女の存在が大きくなってきてる。まあ、無味乾燥な大学生活に比べりゃ、この“ふたり暮らし”は充実してる。彼女を独りにして、大学になんか行けないよ。

 ──── だってこれは『自分で蒔いた種』なんだから。

7月16日

 今朝、彼女の様子が少しおかしかった。いつもより寝息が荒く大きな気はしたんだけど、俺が起こそうとした時には、もう充血した目を潤ませてこっちを見てた。椅子に座らせるのに抱きかかえてやっとその『異変』に気づいた。

熱、出してたんだ。

もたれかかるその体は火照り、無表情な顔もこの時ばかりはさすがに辛そうだった。

 いつも一緒にいるけど、今日は買い物にも行かないで付きっきり。ちょうど買い置きしてた薬があって良かった。今、彼女は俺の横で静かに眠ってる。だいぶ楽になったのかな。

 ──── 俺も、もう寝よう。


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