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12月24日

 巷じゃあ、クリスマスだ何だって浮かれてるけど、俺たちはそれどこじゃねーっつーの。

ああ、あの記者に全部ぶっちゃけても面白かったかもしんねーな。

アイツ・・・鳴瀬とは、連絡がつかねえだけで俺はまだ“終わった”なんて思っちゃいないからね?『あー、大学で勉強頑張ってんだなー』『忙しいのかなー』って俺は・・・恋人を思うあまりの優しさで!

・・・そっとしといてやっただけなんだよ。そしたら

あ、前に鳴瀬がテレビに出ててビビッたっつったよね?・・・いや、ビビッたっつーか。何かこう、アイツがあんまり楽しそうにゲラゲラ笑ってんの見たら・・・この、胸のあたりが異常に熱くなってさ、次の瞬間だ。ホントに一瞬だけこんな気持ちになったんだ。

 ──── いつか、殺してやる・・・って。

12月25日

 じんぐるべぇ~、じんぐるべぇ~・・・今年のクリスマスは、久しぶりにオンナと一緒。

な~んの面白味もないフィギュアみたいな女と。

アイツが俺の前から消えて二年か。いつのまにやら、俺だけの鳴瀬めぐみが“みんなのめぐっちぃ”になっちまったわけだ。だから、アイツがファンどもに媚を売ってるから

俺は・・・悪魔に魂を売って

ってか、大学の研究室に忍び込んで『あるモノ』を手に入れてやったのさ。神経に効くキッツーいヤツをな?

12月26日

 何か、アイツ・・・変な事言いだしやがったんだ。何?
 
あんたのことしってる
 
だの
 
ぜんぶおもいだした
 
だの。極めつけは、『おねがいころさないで』・・・バカヤローが。今までの、な?こんな事俺だって言いたかねーけどよ。今まで俺がさんざん面倒見てやった、その“恩”を忘れてよくそんな事が言えるよな!
 
 ──── お前・・・あのままだったら、おっ死んじまってたんだぜ?

12月27日

 「一緒に暮らすって言ったよな」

いやだ

「ドライブ、行ったじゃん」

しらないわからない

・・・この女(アマ)、昔のキラキラした目をしてなかったんだ。今となっちゃ、身も心もアイツに支配されちまったみてえだ。腐りきった、カネと欲にまみれた薄汚い世界にどっぷり浸かっちまったアイツ

 ──── 鳴瀬めぐみ、にな。

12月28日

 めぐみを連れてくるのは、さすがに骨が折れたよ。何たって超売れっ子のアイドルだからね。でも、『関係者』になっちまえば簡単だった。ホントに偶然、俺の前のバイト先の本屋で『握手&サイン会』をやるって話が。この時ばかりは、神様も俺が正しいって。味方してくれたんだ!・・・ホント、そう思ったよ。
 
 裏に車を停めて、『失礼しまーす』楽屋として使ってた事務所に潜入成功。人ひとりスッポリ収まるくらいデッカイ木箱を台車に載せて。
 
「・・・どうも」

「・・・えっ、俺の事覚えてない?」
 
その時にひと言、俺の名前を言ってくれりゃあ・・・こんな事思いとどまったかもしれないな。首、傾げやがるから・・・注射して、木箱に放り込んで(笑)。マネージャーがトイレに行ってくれてて助かったよ。
 
「アレッ、めぐみ・・・どっか行ってるんですか」

「さあ・・・僕が来た時にはいらっしゃいませんでしたけど」
 
 ──── フザけんな、アイツを呼び捨てにしていいのは俺だけだ。


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