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12月7日

 今度は、俺のほうがおかしくなっちまいそうだ。毎日毎日、まるで人形(フィギュア)に向かって話してるみたいな気分だ。せっかくパソコンで会話できるようになったって

“声”

が聞こえなきゃ同じだろ?ますます彼女の目からは生気が感じられなくなっていた。こんなんじゃ・・・どうすりゃいい?コイツにとって、このまま生きていくとしたら

何が希望なんだ。

俺の自業自得だって事は分かってる。分かってるけど

 ──── やっぱり俺のやった事は、間違いだったのか?

12月16日

 今日は、アイツが久々に喋ってくれたよ。

かえして

「・・・何を」

わたしをかえして

・・・なのにさー、こんな事言われりゃイラつくの分かるかな。一体どこに?誰に返せばいいって言うんだ。こんなになっちまったお前を拾ってくれる“ヤサシイヒト”なんかいるわけねーだろーが!!

「自分じゃ何も出来ねえくせに、エラそうな事言ってんじゃねえよ!!」

・・・って思わず怒鳴っちまった俺に、アイツの頬を伝う一筋の涙だけがまだ、しぶとく抵抗を続けていたんだ。

12月22日

 あのまま、六日が過ぎた。俺たちの間には何となくギクシャク、ピリピリした空気が漂っていた。アイツも、ずっとご機嫌ナナメ。何も話そうとしないし、何聞いたってダンマリ。おまけにメシもろくに食わなかったから、無理やり口に押し込んだら・・・むせて吐き出すし。だって、ずっとボロボロ泣いてんだもん。ティッシュで拭いてやるのもバカらしくなっちまうくらいだった。

 ──── ホントに人形だったら、さぞ楽だったろうな。

12月24日

 巷じゃあ、クリスマスだ何だって浮かれてるけど、俺たちはそれどこじゃねーっつーの。

ああ、あの記者に全部ぶっちゃけても面白かったかもしんねーな。

アイツ・・・鳴瀬とは、連絡がつかねえだけで俺はまだ“終わった”なんて思っちゃいないからね?『あー、大学で勉強頑張ってんだなー』『忙しいのかなー』って俺は・・・恋人を思うあまりの優しさで!

・・・そっとしといてやっただけなんだよ。そしたら

あ、前に鳴瀬がテレビに出ててビビッたっつったよね?・・・いや、ビビッたっつーか。何かこう、アイツがあんまり楽しそうにゲラゲラ笑ってんの見たら・・・この、胸のあたりが異常に熱くなってさ、次の瞬間だ。ホントに一瞬だけこんな気持ちになったんだ。

 ──── いつか、殺してやる・・・って。

12月25日

 じんぐるべぇ~、じんぐるべぇ~・・・今年のクリスマスは、久しぶりにオンナと一緒。

な~んの面白味もないフィギュアみたいな女と。

アイツが俺の前から消えて二年か。いつのまにやら、俺だけの鳴瀬めぐみが“みんなのめぐっちぃ”になっちまったわけだ。だから、アイツがファンどもに媚を売ってるから

俺は・・・悪魔に魂を売って

ってか、大学の研究室に忍び込んで『あるモノ』を手に入れてやったのさ。神経に効くキッツーいヤツをな?


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