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9月14日

 いやー、怖いね酒って。俺、何やってんだろ。昨日の日記見てビックリだよ。まあ、喜びのあまり、勢いに任せて・・・っていうか、流れでやっちまったって事で許してもらえるとありがたいんだけど。今は、画面の何げない言葉が全部怒ってるような気がして落ち着かなかった。かと言って、『昨日の事、怒ってる?』って聞く勇気もなし。

9月21日

 ちょっとした事でも、彼女との会話が成立するには1分かそこら掛かってしまう。でも、それが余計にいじらしく、愛おしく感じたり。ゆっくり、ゆっくり・・・一文字ずつ心の中身が言葉になって浮かび上がってくるのは、ただ音として消えていくより印象深い気がするんだよな。たとえそれが
 
きようはあめ
 
窓を流れる滴をぼんやり眺めながら感じた、他愛もない事だったとしても。

9月24日

 『風呂、入りたいだろ?』いつものようにタオルで体を拭きながら、聞いたんだ。やっぱり何も言わなかったけど、それが、俺には余計に辛かった。フッと、

コイツも年頃のオンナなんだ

そう思ったら、何かもうまともに見れなくなって。慌てて服を着せた。

「ゴメンな」

そのまま買い物に出かけた俺を待っていたのは・・・

いつもありがとう

 ──── もう戻れないのかな、俺たち。

10月2日

 なるべくいっぱい会話するようにしてたら、だいぶスムーズにキャッチボール出来るようにはなってきた。もう、トイレの心配もない。だって、漏らしそうになったら

といといといといといといといといといといといといとい

『れ』まで間に合わないくらい必死になるからね。

 ──── 可愛いヤツだな。

10月4日

 告白した。・・・っても、『好き』とか『愛してる』みたいな普遍的でカッコつけた台詞より
 
このまま二人で、ずっと一緒に生きていこう
 
って、そんな具体的(笑)な言葉が口をついていた。『嫌だったら、0。OKしてくれるなら、1・・・押して』俺には画面の文字がすべてだった。彼女の気持ちが正確に反映されるように、押し間違いがあったら困るからあえて離れた位置のキーを押してもらう事にしたんだ。したら・・・わざわざ『かな』キーを押して
 
いいよ
 
って打ってくれてさ。


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