目次
1.僕とリャンさん
01~06
07~11
12~16
17~20
21~24
25~30
31~32
33~39
40~43
2.僕とリャンさんとその他
44~50
3.僕とリャンさん(その2)
51~57
58~61
62~64
4.僕とリャンさんと修正屋どん兵衛
65~70
71~76
5.僕とリャンさん(その3)
77~79
80~83
84~87
88~91
6.僕とリャンさんと修正屋どん兵衛と祝い屋三太
92~96
97-99
100~104
7.リャンさん
105~110
111~112
8.僕とリャンさん(その4)
113~116
117~120
121~124
125~131
132~136
137~140
141~144
145~148
149~152
9.僕とハチ公とデンデン親分
153~159
10.小ネタ・ある作家と浮浪者
160~164
11.僕とリャンさん(その5)
165~167
168~170
171~173
12.災厄後の僕とリャンさん
174~179
180~183
184~185
186~189
13.僕とリャンさんと修正屋どん兵衛とデンデン親分とハチ公とバナ子と祝い屋三太
190~192
193~195
196~199
200~202
14.僕とリャンさん(その6)
203~206
207~211
212~215
216~217
218~222
223~224
225~228
229~230
15.忘却された僕とリャンさん
231~235
236~239
240~243
244~246
16.ソーシャル小説ゲーム構想とその失敗
247~249
250~254(ソーシャル小説ゲーム構想)
255~259〔JJJ-01~05〕
260~262(反省会)
17.僕とリャンさん(その7)
263~265
266~268
269~274
275~277(終)

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01~06

 
01: 「日常生活の、見たものをそのまま、右から左に書き並べて、それっぽいことを付記したら『ツイッター小説』と言い張れるのじゃないか」 と、63字を費やして呟いたところ、「でもそれを誰が読むあるか」と、リャンさんが冷視してきた。 続 


02: 「そりゃ読者は想定しにくいけど」と、僕は続ける。「とりあえず、非実在青年問題とか、政治家の悪口とか、シーシェパードとか、温暖化のウソとか、検索にひっかかりそうな単語を並べておけば、一人か二人の目には触れるかも知れないよ」 続 

03: 「不可あるね。そんな適当な指針で、何が書ける言うあるか。中味のある小説にはならないあるよ」と、リャンさんは毎度のことながら、手厳しい。「だいたいあなた、私のことリャンさん言うけど、キャラクタ設定、何も考えてないでしょ」 続 

04: 「あ、分っちゃいますか」と、僕は苦笑するしかない。「とりあえず対話形式にしないと、読めたものにならないと思うから、僕、に対応する人物として登場してもらってるんです。あと、細かく地の文を書けないから、インチキ中国人ぽくして」 続 

05: 「語るに落ちたね」リャンさんは、ニヤリと笑った。「実際わたし、日本人だし、名前も、良二ある。中国も台湾も香港も、行ったこともないね」「え、そうだったんですか?」僕はちょっとびっくりする。「そんな設定にして良いんですか?」 続 

06: 「まあ、何でも良いあるね。とりあえず、タイトル表示を、二重鉤括弧に変更したよ」と、リャンさんは中華鍋を棚に戻しながら言う。どうやらここは、厨房だったらしい。「そろそろ飽きたから、いったん休止するある」僕もそれには賛成だ。 続 


07~11

 
07: 「何か、飽きたあるね」と、リャンさん。せっかく呟きの小説を再開しようとしている僕の意欲を、ごっそり奪うような言い方だ。「どうしてですか。フォローがつかないからですか?」「いやあ、そうじゃなくて」リャンさんは、眠そうだ。 続 

08: 「そもそも小説にしようという事柄が無いね。愚痴でも書き並べるか」退屈顔のリャンさんの提案に、僕も相槌を打って、「じゃあそうします。いやあ、ちょうど今、つまらない小説を読んでしまいまして」「どんな小説あるか?」 続 

09: 「ショート・ショートというんですか、短いやつで、褒めている人がいたので、読んでみたのですよ」「そしたら?」「つまらなかったです」そう言うと、リャンさんは溜息まじりに、「どこがどういうふうにつまらないか、述べるあるよ」 続 

10: 「けなすだけなら誰でも出来る」「はあ、そうですね。じゃあ言いますけど、でも、つまらない小説のつまらなさを語っても、つまらないもんですよ?」「じゃあやめるある」リャンさんは即断即決というか、方針の無さには恐れ入るばかりだ。 続 

11: 僕は苦笑いして、「だいたい、褒めている人のコメントも、よく読んだら、別に褒めてるふうでもないですし」「もう良いね、何でも。その話題、飽きたね」リャンさんの不機嫌顔に、「じゃあ、何か別のことを呟きますね」 続
 

12~16

 
12: 「とりあえず、テキスポで本にしてみました」僕が言うと、リャンさんはまたも大きな溜息を吐いて、「なんてことをしたあるか。まだ11しか呟いてないのに」「まあ、まあ、中味が無きゃ、1のツイートも100のツイートも同じことですよ」 続


13: 「ちなみにテキスポ本のアドレスは、http://texpo.jp/texpo_book/toc/4443/ です」「知らんね。ああ、世の中、何でもお手軽に、お気軽にという風潮が間違ってるね。安易すぎるものは程度が知れるよ」 続

14: 「そうですね」と、僕は別の話題の端緒がつかめたぞとニヤニヤしながら、「最近、歌が売れませんけど」「突然あなた、何を言い出すかね」リャンさんの驚きをよそに、「歌が売れないのは、曲が安易過ぎるからだと思うんです。歌詞がひどい」 続

15: 「あ、リャンさん、たいへんです」「どしたね」リャンさんは、もうやる気ゼロだ。僕の方を振り向こうともしない。「僕もやる気がなくなりました」「どして」「何でしょう、こんなこと呟きたくないと、自分で拒絶反応が出たんです」 続

16: 「飽きたら止める、それで良いあるね」リャンさんは、慈愛に満ちた目で、「結局、右から左に呟くだけじゃ小説にはならないね。少しは考えないと」「うまく行くと思ったんですけど」「ま、しばらく休止するね」リャンさんは眠ってしまった。 続
 

17~20

 
17: ふと眠りから覚めると、もう3月だというのに寒々しい空はどん曇りで、飛び交う花粉に私は……「何をしてるあるか」顔を上げると、リャンさんが、冷たい表情を向けている。「あ、ちょっと、小説らしい文章を書いてみようと思いまして」 続

18: リャンさんの軽蔑視線に負けじと、僕は胸を張って、「ほら、素人の小説は、朝、目覚めたところから始まるというケースが非常に多い――ってことを、どこかで聞きかじったものですから。僕もそうしようと思ったんですけど、どうですか?」 続

19: 「最低ある。だいたいわたし、あなたの日常生活はもとより、感性とかにも興味ないあるよ」「え、そうなんですか? 僕はてっきり、リャンさんだけは僕の味方だと……」「あなた寝ぼけてるみたいだから、しばらく休憩するよろし」 続

20: そうして僕は、蕭々と揺れる芒の音を聞きながら、ゆっくりとまどろみの淵へ沈潜して……「まだ止めないか」とリャンさんが金属バットを持って、睨んでいる。「余計なこと考えないよう、意識とめてやるよ」ドガッと来て、僕は意識を失った。 続

 

21~24

 
21: 「だいたい日本が世界屈指の経済力だなんて、身の丈にあってないですよ」「突然なにを言うあるか?」すやすや眠っていたリャンさんが、飛び起きた。「いや、ほら、中国が経済力で中国に追い抜かれてたいへんだとか言われるのが耳障りで」 続

22: 僕の愚痴に、リャンさんは、「何だそんな話か」と眠そうなあくびをして、「基本的に、あんたに関係ない話あるよ」「まあ、そうなんですけど。でも、世界第二位の経済力が落ちぶれたとか聞かされると、何だか癪にさわるので」 続

23: 「あなた自分で、身の丈に合ってない言うてた違うか」「そうなんですけど、右顧左眄している人を見てると、自分もそわそわ落ち着かない気分になるんです。といったところで、中国は人口10倍、国土20倍ですから、較べるだけ無駄ですね」 続

24: 「だからあなたに関係無い話、違うか」リャンさんは、冷たく、「身の丈を知らない勘違い人間が頑張ってるある。頑張る気力の無いあなたは、甲斐のない愚痴などこぼさず、ただ眠ってるある」「はあ、そうですか……」僕もまた目をつぶる。 続
 
 

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