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最終章

次の日、ネオスはルギの部屋を訪れた。
傷はラシェルの治療ですっかり癒え、体力も回復したルギに装備を返すと、黒刀に黒皮鎧と、完全武装したネオスは言った。

「…一騎打ちだ。いいな?」
「……臨むところだ………」

アジトの外には、団員が集まっていた。
ルークやシーマ、ラシェルが心配そうに見守る中、二人の対決が始まった。

ルギが、腰から弐対の剣を抜いた。
鈍い銀色の刀身が、朝日を浴びて光る。
同時に、ネオスも黒刀を抜いた。
艶のない真っ黒な刀が、ルギの髪をかすめる。
一瞬、がら空きになったネオスの胴体に、ルギが双剣を鋏みこむ。
しかし、ネオスはすばやく身を引いてかわした。


二人の攻防を見ていたシーマが、ルークに囁きかけた。

「あのルギって奴…、結構やりますね」

ルークは、面白くなさそうに息を吐いた。

「それでしょうね。ルドベキア盗賊ギルドでも生粋の精鋭らしいですから」
「頭領とそれなりにやりあうなんて、凄いですね。でも…」

シーマがそういいながら二人に視線を戻すと、腕の差がだんだんハッキリしてきた。

二刀流のルギに、ネオスは防戦一方だったが、一瞬の隙をついて、ルギに足払いをかけた。

「うっ」

仰向けに倒れるルギの喉元に、ネオスが刀を突きつける。

「……双剣の弱点は、転倒に弱いことだな……」
「…………っ!!!」

ルギは怒りをあらわにした。


「止めを刺せ……!」

しかし、その言葉に答えず、ネオスはルギに背を向けた。

「必要がない」
「馬鹿にしてるのか!?」

ルギは怒鳴る。
しかし、ネオスはそれには答えなかった。
そして、ルギを見ないまま、言った。

「お前は、今日からうちの団員だ。ルドベキアのギルドは脱退済らしいからな」
「……!?」
「今の腕じゃ、俺に勝てないことくらいは、わかっているのだろう? 悔しければ、いつでも相手をしてやる。お前が気の済むまでな」

肩越しに、ルギを振り返る。

「…俺を倒して見せろ」
「…………」

ルギは、ネオスを睨んで、小さく言った。

「………後悔するなよ」
「やれるものならな」

フッと笑って、ネオスはアジトに戻った。

ルギは、二回も同じ相手に負けてしまった自分の実力不足に腹が立ち、そして、生きているうちに果たせなかった妹との約束を思い出し、その場に崩れ落ちた。

「…ユイリ、待っていてくれ…。俺は、必ず………」

悔し涙と、悲しい涙がにじむ。
必ず、約束を果たす。

そう心に誓い、ルギはネオスのアジトに残る決意を固めた。


=to be continued =

最終更新日 : 2013-03-24 04:16:18

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