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【考察】介護とは……子供が何を訴えているのか教えてくれるもの。

 
「老人は子供に戻る」「赤ちゃん帰り」
 何も知らない赤ちゃんから寝返りをして、立ち上がり、言葉を覚え、成長していきます。やがて大人になり、心身ともに成長し、年齢を重ね、今度は衰えていくのです。何もできない赤ちゃんの状態と衰えてできなくなる状態がちょうど似ていることから高齢者介護の現場ではよく聴かれます。赤ちゃんは赤ちゃん、高齢者はあくまでも高齢者でこの表現は間違っている、と話す専門職が中にはいます。でも僕はやっぱりこの言葉は的確だと感じるのです。
 ペコロスの母に会いに行く/岡野雄一の中で”人生の重荷を降ろした笑顔と人生の重荷をまだ知らない笑顔の何ともよく似たものか。”とありました。
 赤ちゃんのとき誰もが何もできない状態です。その状態から成長し、できることが増えていきます。赤ちゃんの状態から後天的にできることが増えるのです。そして、歳を重ねていき、できることが増えます。身体的に考えれば筋肉もつきます。しかし、それは永続的ではありません。筋肉は衰えます。今80歳の人が訓練をして筋力を維持したとしても20歳のときと同じ筋力は保てていないはずです。必ず衰えがくるのです。若いときと比較すれば必ず衰えはあるのです。
 そう考えるならば、脳の状態だって萎縮するのは病気ばかりが原因ではなくて、年齢を重ねれば衰えるのが当たり前、萎縮するのが当たり前、と考えていったほうがいいのではないか? と僕は日々自分に問いかけています。今まで自分でできたことができなくなり、介護現場で言われる徘徊、異食などの「問題行動」は、僕たちが赤ちゃんの状態……ヒト科のヒトとしてみれば、最初はどこに何があるかわかるはずもないし、何が食べることができて、何が食べることができないのか、わかるはずがありません。
 子育てと介護をすることで目の前のおばあちゃんの行動は生まれたばかりのわが子の行動と似ている、と考えることでどのような対応をするのか想像が膨らむことは間違いないと僕は思っています。

【参考文献】


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