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同一症状、同一患者が診療科により全く異なる診断、治療が行われている異常事態

線維筋痛症か身体表現性障害または心因性疼痛かー

  

738-0060

広島県廿日市陽光台5丁目12

廿日市記念病院リハビリテーション科

戸田克広

 

まとめ

 医学的に説明のできない痛みや諸症状を世界の慢性痛・リウマチ・ペインクリニックの業界は線維筋痛症あるいはその不完全型と診断し、精神科の業界は身体表現性障害と診断しています。医学の異なる業界が同一症状、同一患者に対して異なる診断、異なる治療を行っている異常事態が起きています。身体表現性障害と診断するより線維筋痛症あるいはその不完全型と診断する方がほぼ間違いなく治療成績がよくなるため、線維筋痛症あるいはその不完全型と診断することが望ましいと考えています。身体表現性障害と診断することは誤りであることを説明しています。精神科の業界の診断基準が2013年に大幅に変更され、身体表現性障害という病名がなくなる予定です。

 

医学的に説明のできない痛みや症状

 医学的に説明のできない痛み(medically unexplained pain: MUP)、あるいは医学的に説明のできない症状(medically unexplained symptom: MUS)がどのように診断されているかを皆様ご存知でしょうか。実は医学的に説明のできない痛みや諸症状の診断は診療科によって全く異なっているのです。

 

身体表現性障害

 精神科では医学的に説明のできない痛みや諸症状は身体表現性障害(somatoform disorder)と診断されています。身体表現性障害は心気症転換性障害身体化障害somatization disorder)、疼痛性障害pain disorder)、身体醜形障害、鑑別不能型身体表現性障害、特定不能の身体表現清祥外により構成されています。より具体的に言えば医学的に説明のできない痛みや諸症状は身体表現性障害の中の身体化障害や疼痛性障害と診断されています。具体的な診断基準は成書を参照していただきたいと思います。概要を述べると、痛みやその他の多彩な症状(不定愁訴)を訴えるがそれを説明するに足る他覚所見がない場合に、身体化障害や疼痛性障害と診断されます。他覚所見とは理学所見(腫れ、発赤、局所発熱など)、画像所見、血液所見、神経生理学的検査(神経伝導速度など)などの異常です。精神科以外の診療科を身体科ということがあります。医学的に説明のできない痛みや諸症状を訴える患者さんが身体科を受診した場合、診断が不能であり身体疾患ではないから精神科の疾患に違いないと言う仮説に基づき精神科に紹介されていました。精神科を紹介されても少なくない患者さんは精神科を受診しません。医療難民になってしまいます。精神科を受診した場合でも問題が起こります。精神的に問題がないから精神疾患ではないと診断されることがあります。この場合、身体科からは精神科受診を勧められ、精神科からは身体科受診を勧められます。この場合にも医療難民になってしまいます。身体表現性障害と診断される場合もあります。説明のできない痛みや諸症状は、多くの場合身体化障害や疼痛性障害の診断基準を満たしてしまうのです。

 

身体表現性障害という診断は誤り

 説明のできない痛みや諸症状を訴える患者さんが該当する疾患は通常は身体化障害や疼痛性障害です。身体化障害や疼痛性障害にはそれなりに診断基準はあります。前述したように、身体表現性障害は心気症、転換性障害、身体化障害、疼痛性障害、身体醜形障害などを含んでいます。厳密に言えば、身体表現性障害には診断基準がありません。例えば、身体醜形障害とは、おおざっぱに言えば、自分の身体は醜いのではないかと過剰に心配して社会生活に障害が起こる状態です。そのような疾患を含んでいるため、当然といえば当然ですが、身体表現性障害には診断基準がないのです。DSM-IVを記載した教科書には「身体表現性障害とは十分な医学的説明が見出せない身体症状(例えば、疼痛、吐き気、眩暈)からなる障害の一群である。」と記載されています[1]。診断基準がない以上、身体表現性障害という診断は不適切です。

 北里大学精神科教授の宮岡等医師は「線維筋痛症症例の診察を精神科医に依頼したら身体表現性障害と診断されたという身体科の医師の話をしばしば耳にするが、これには問題がある。第一に身体表現性障害というのはいくつかの疾患を含むカテゴリーの呼称であり、診断名ではない。診断名として取り上げるのは誤用である。第二に、もし身体表現性障害に含まれる疾患として診断するなら、持続性身体表現性疼痛障害や疼痛性障害である。」と述べています[2]。なお、身体化障害や疼痛性障害は後述するDSMに記載されている病名ですが、世界標準の診断名であるICD-10ではやや異なる病名になっているため注意が必要です。ICD-10とは疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)の第10版です。身体化障害はDSMICD-10で同じなのですが、DSMの疼痛性障害はICD-10では持続性身体表現性疼痛障害に該当します。

 

身体化障害と疼痛性障害診断の大前提は身体疾患の否定

 後述するように、身体科領域の診断がついた場合には精神科領域の診断をつけてはならないという不文律があります。DSM-IVを記載した教科書には「疼痛性障害(pain disorder)の一次的症状は、1つかそれ以上の場所に疼痛が存在しており、その疼痛は精神科以外の身体的な状態あるいは神経学的状態によっては、十分には説明できないというものである。」と記載されています[1]。また身体化障害の診断基準には「的適切な検索を行っても、基準Bの個々の症状は、既知の一般身体疾患または物質(例:乱用薬物、投薬)の直接的作用として十分説明できない。」という記載があります[1]。つまり、線維筋痛症やその不完全型で症状を十分に説明できれば、疼痛性障害や身体化障害と診断できないのです。「身体表現性障害であるから線維筋痛症やその不完全型ではない。」という理論は論外ですが、「疼痛性障害あるいは身体化障害であるから線維筋痛症やその不完全型ではない。」という理論はこれらの基本を無視しています。

 

線維筋痛症、慢性広範痛症、慢性局所痛症

 疾患により不完全型あるいはグレーゾーンが多い疾患と少ない疾患があります。エイズはそれが少ない疾患ですが、線維筋痛症はそれが多い疾患です。

 線維筋痛症という疾患があります。身体の広範囲に説明のできない痛みや諸症状が生じる疾患です。先進国における線維筋痛症の有病率は約2%です[3]。身体5か所(右半身・左半身・腰を含まない上半身・腰を含む下半身・体幹部)に3か月以上の痛みがあり、18か所の圧痛点のうち11か所以上に圧痛があれば、いかなる疾患が合併していても線維筋痛症と診断されます[4]。これは1990年にアメリカリウマチ学会が定めた線維筋痛症の分類基準(診断基準)です[4]2010年に新しい予備的診断基準が報告されましたが[5]、診断に時間がかかるために、私は1990年の基準を使用しています。2010年の基準が発表されましたが、1990年の基準も使用可能なのです[6]。通常、身体5か所に3か月以上の痛みがあるが、圧痛点が10以下であり他の疾患で症状を説明できない場合が慢性広範痛症です。線維筋痛症を含む慢性広範痛症の有病率は5-18%と報告されており、平均的には10%以上と推測されています[7-16]。さらに言えば、慢性広範痛症の基準を満たさないが、通常の腰痛症や肩こりよりも痛みの範囲が広く、他の疾患で症状を説明できない場合が慢性局所痛症です。慢性局所痛症の有病率は慢性広範痛症と線維筋痛症をあわせた有病率の1-2倍です[3, 17-19]。慢性広範痛症も慢性局所痛症も線維筋痛症の不完全型と推測されています[20] [21-22]。つまり、不完全型まで含めると線維筋痛症の有病率は少なくとも20%です(図1)。

 慢性広範痛症や慢性局所痛症に線維筋痛症の治療を行えば、有意差はないが線維筋痛症よりも優れた治療成績を得ることができます[23]。世界で線維筋痛症の治療を行っている施設では通常慢性広範痛症に対しては線維筋痛症と同じ治療を行っています[24]。つまり、治療の観点からは慢性広範痛症/慢性局所痛症を線維筋痛症と区別する必要はありません。線維筋痛症は何とか日本に輸入され始めた状態ですが、慢性広範痛症や慢性局所痛症は全く知られていません。正式な日本語医学用語は現時点では存在せず、私が個人に翻訳して使用している状態です。

 線維筋痛症の患者さんを問診すると、多くの人は元々肩こりや腰痛があり、10年、20年かけて徐々に痛みの範囲、痛みの程度、痛みの持続時間が悪化しています。交通事故後の場合には例外でこの悪化が急速に進みます。後ろ向き研究ではありますが、女性慢性腰痛症患者の約1/3は将来線維筋痛症になるという報告もあります[25]。以上の話を総合すると、肩こりや腰痛から慢性局所痛症や慢性広範痛症を経由して最後に線維筋痛症になると推測されます[17] [19] [25-29](図1)。線維筋痛症とはこの痛み状態とでもいうべき集団の最悪の状態なのです。

 

 

 

 1990年の分類基準(診断基準)が報告された後、2010年に新しい臨床上の診断基準が、2011年に研究用の診断基準が報告されました。3つの診断基準とも痛みやその他の症状の組み合わせで診断することになっています。症状の観点から決められた診断基準です。症状の観点から決められた診断基準であれば、どのような基準を作っても必ずそれを満たさない不完全型の線維筋痛症が存在します。前述したように治療方法が同じであれば、二つの疾患あるいは状態を鑑別する臨床上の意義はありません。線維筋痛症の診断基準は臨床上は無意味なのです。では、線維筋痛症の診断基準の意義は何なのでしょうか。それは学問のためです。学会発表や論文作成のためなのです。線維筋痛症は不完全型あるいはグレーゾーンが多い疾患です。正確に言えば不完全型あるいはグレーゾーンの方が遙かに多い疾患です。前述したように、肩こりや腰痛から慢性局所痛症や慢性広範痛症を経由して最後に線維筋痛症になると推測されます。連続的な疾患のどこに線引きをして、どこからを線維筋痛症と診断するかということは、BMIにおいていくら以上を肥満と見なすかということと同じです。厳密に言えば、その線引きには科学的根拠はありません。学会発表や論文作成の際には均一の患者を線維筋痛症としないと混乱が起こります。あまりにも症状が軽い患者さんを線維筋痛症として報告したのでは学問の世界に混乱が起こります。線維筋痛症の診断基準とは、学会発表や論文作成の際に均一の患者を線維筋痛症として報告するために必要なのです。圧痛点の数が10であるため線維筋痛症ではないから治療が行われないことが日本では起こっています。それは不適切な医療です。

 

同一の症状、同一の患者さんに対して異なる診療科が異なる診断、治療を行っている

 実は、医学的に説明のできない痛みや諸症状を精神科は身体表現性障害と診断し、身体表現性障害の治療を行っています。一方、日本以外の先進国の痛みを治療する診療科では線維筋痛症あるいはその不完全型の慢性広範痛症や慢性局所痛症と診断し、線維筋痛症の治療を行っているのです。同一の症状、同一の患者さんに対して、異なる診療科が異なる診断、異なる治療を行っているのです。これは医学界に許容されない混乱を引き起こしています。例えば、胃や腸の同一症状、同一患者さんを内科と外科が全く異なる診断、異なる治療を行っていることと同様なのです。なぜこのようなことが起きたのでしょうか。それは二つの業界が独自に診断基準を決めてしまったことが原因です。線維筋痛症の診断基準はアメリカリウマチ学会が定めました。慢性痛やペインクリニックの業界はそれをそのまま使用しています。精神科の業界は線維筋痛症の診断基準を決める過程に関与していません。身体表現性障害とはアメリカ精神医学会(American Psychiatric Association)が定めた「精神障害の分類と診断の手引き」(The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders: DSM)で定められているのです。正確に言えばその最新版であるDSM- IV-TRtext revision)に定められているのです。Text revisionとは改訂版と言う意味です。世界の精神科の業界はこのDSM-IV-TRを受け入れているため、精神科における世界標準の診断基準になっています。アメリカ精神医学会がDSM-IV-TRを定める際に、ほぼ間違いなく痛みの専門家が加わっていないと私は推測しています。精神科の業界と慢性痛・リウマチ・ペインクリニックの業界が独自に医学的に説明のできない痛みや諸症状をどのように診断するのかを決めたために起こった混乱です。慢性痛・リウマチ・ペインクリニックの業界でもこの混乱に気がついています。2009年にMerskey医師はアメリカリウマチ学会の機関紙であるPainに「Thus notions of somatization (and also of the DSM-IV idea of a pain disorder) increasingly lack validity and it is to be hoped that both Somatization Disorder and Pain Disorder will be dropped in the forthcoming revision of DSM-V. 身体化の概念(そして,DSM-IVの疼痛性障害の概念も)は,益々妥当性を欠いている。そして,近刊予定であるDSM-Vという改訂版では身体化障害と疼痛性障害はなくなることが望ましい。」という趣旨のcommentaryを発表しています。Merskey医師は世界の痛みの業界の大物です。1994年に国際疼痛学会が痛みの用語集(書籍)[30]を出版しましたが,その編者の一人がMerskey医師なのです[30]。通常の論文は,症例報告、原著、総説の3つです。症例報告とは、珍しい経過を辿ったりした一人の患者の報告です。原著とは、同じ疾患の患者を50人、100人集めて,そこから新しい所見を見つける論文です。総説とは、一つの疾患に関して過去の論文を集めて,どのような報告がされているかを解説する論文です。しかし、commentaryは,現在の業界で行われていることに関して自分の意見を述べる論文であり,通常,該当する業界の権威者でないと採用されません。そのため,2009年のMerskey医師の論文は、Painすなわち国際疼痛学会自体が「身体化障害と疼痛性障害はなくなることが望ましいと提唱している。」とまで主張するつもりはありませんが、痛みの業界を代表する意見として国際疼痛学会がその論文の掲載を許可したと評価することができます。Thomas医師も身体化障害を新たな基準であるDSM-Vから除外すべきであると述べています[31]

 私はアメリカ精神医学会の機関紙であるThe American Journal of Psychiatryに「2013年に発表予定のDSM-5には間に合わないかもしれないが、その次のDSM-6身体表現性障害の診断基準を作る際には痛みの専門家を入れていただきたい。」という論文を投稿しましたが、不採用になりました。その論文は電子書籍として出版しました[32]

 

異なる医学理論が衝突した場合の解決方法

 医学的に説明のできない痛みや諸症状をめぐって異なる医学理論が存在し、それが衝突しているのです。この様な場合の解決方法はどうすればよいでしょうか。医学が何を目的にする学問であるのかを知っていれば簡単です。医学とは真実を探求する学問でもありますが、より優れた治療成績を求める学問でもあります。万人が納得する真実がわからない間は、治療成績が優れた医学理論が正しいのです。万人が納得する治療方法がない間は、治療成績が優れた治療方法を行うべきなのです。日本では明治時代後半から脚気論争が起きました。日清戦争およびその後の台湾平定戦、日露戦争の頃多くの兵士が脚気のために死亡しました。日清戦争およびその後の台湾平定戦では戦死者より脚気による死亡者の方が多く、日露戦争では戦死者と脚気による死亡者が同程度であったのです。栄養異常説と微生物説が対立しました。麦飯を食べれば脚気になりにくいのであれば、理論など気にせず麦飯を食べればよいのです。脚気はビタミンB1の欠乏により起こります。現在の知識で考えると、脚気で死亡することは気の毒でなりません。瀉血(意図的に出血させる治療方法)が有害か有用かという論争もありました。信じられないことですが体調を崩すと瀉血をするという医療がまかり通った時代がありました。アメリカ合衆国初代大統領のジョージ・ワシントンはほぼ間違いなく瀉血のし過ぎで死亡しています。瀉血が有害か有用かは治療成績を比べれば良いのです。現在では多血症などの特別な場合以外は瀉血は行われなくなっています。

 では、線維筋痛症と身体表現性障害の治療成績はどうなのでしょうか。線維筋痛症の治療成績は報告されていますが、身体表現性障害(身体化障害、疼痛性障害)の治療成績は私が調べた範囲では報告されていません。身体表現性障害に有効な薬物はごくわずかですが、線維筋痛症に有効な薬物はそれに比べると圧倒的に多いのです。例えば、薬物治療に限定しても、系統的総説やメタ解析によりアミトリプチリン(トリプタノール®[33-34]、ミルナシプラン(トレドミン®[34-35]、デュロキセチン(サインバルタ®[34-35] [36]、プレガバリン(リリカ®[35, 37-39]の有効性が示され、二重盲検法で有効な薬も多数あります。一方、身体表現性に有効な薬物治療はないとは言いませんがほとんどありません[40]。認知行動療法は身体表現性障害に有効ですが、線維筋痛症にも有効なのです。そのため、身体表現性障害と診断するより線維筋痛症と診断した方が治療成績がよいことが予想されます。医学的に説明のできない痛みや諸症状を精神科で身体表現性障害と診断された患者を私は多数診察しています。うつ病や不安障害を合併している場合に抗うつ薬の一種である選択的セロトニン再吸収阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitors: SSRI)を使用することには問題はありません。しかし、痛みに対してもSSRIが使用される頻度が圧倒的に多いのです。SSRIの鎮痛効果は弱いため、それでは有効性が低くなってしまいます。身体表現性障害と診断されてしまうと、ノイロトロピン®やデキストロメトルファン(メジコン®)という副作用が少ないが鎮痛効果が強い薬を内服できる機会をほぼ失ってしまいます。さらに言えば、身体表現性障害と診断されると、抗不安薬が年余にわたって処方されていることが多いのです。抗不安薬の長期投薬は多くの忌まわしい副作用を引き起こすとともに、常用量依存が起これば中止が困難になります[41]医学的に説明のできない痛みや諸症状を訴える患者さんが身体表現性障害と診断されることは精神的に痛めつけられるとともにほぼ間違いなく治療成績が悪くなることが予想されるため、患者さんが気の毒でなりません。だからこそ、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association)の機関紙であるThe American Journal of Psychiatryに前述のような論文を投稿したのです。

 日本では線維筋痛症やその不完全型と診断できる医師が他の先進国に比べると圧倒的に少ないため身体表現性障害と診断される危険性が高くなります。

 

身体表現性障害にプレガバリンが有効?

 日本の精神科では奇妙な治療が行われつつあります。医学的に説明のできない痛みや諸症状を身体表現性障害と診断してプレガバリン(リリカ®)を処方しています。「痛みにはプレガバリンが有効らしい。」という噂によりそのような治療が行われているようです。科学的根拠が最も強いメタ解析によりプレガバリンは線維筋痛症に有効な報告は多数出ていますが[37]、身体表現性障害においては症例報告でプレガバリンの有効性が報告されているに過ぎないのです[42]。痛みには痛み専用の治療をすべきです。痛み専用の治療とは線維筋痛症の治療を意味します。

 日本の精神科医の多くは線維筋痛症に対して敵意あるいは嫌悪感を抱いています。精神科を受診し身体表現性障害と診断され、私を受診して線維筋痛症あるいはその不完全型と診断された多くの患者さんから得た情報ではそのような結論にならざるを得ません。

 

身体化障害と疼痛性障害は存在しない

 ここまで私が述べたことを総合すると身体表現性障害は存在しないということになります。正確に言えば、身体表現性障害の中の身体化障害と疼痛性障害は存在しないということになります。私は他の医療機関で身体表現性障害と診断された患者さんを多数診療してきました。私が診察するとほとんどは線維筋痛症あるいはその不完全型である慢性広範痛症や慢性局所痛症です。前述したように、それが患者さんの幸福につながると考えています。

 私の考えは極端すぎると思う人がいると思います。しかし、少なくとも痛みの業界の権威者の一人であるMerskey医師は私と同じ意見を持っているのです。

 

精神科から身体表現性障害がなくなる

 私は散々身体表現性障害の問題点を述べてきましたが、DSM-Vでは身体表現性障害という病名はなくなりsomatic symptom disorder(身体症状障害)という病名に2013年に変更される予定です[43]身体表現性障害が身体症状障害と病名変更になるのではありません。身体表現性障害に含まれる心気症、身体化障害、疼痛性障害、鑑別不能型身体表現性障害の4つを身体症状障害にまとめるようです[44]。これは大きな変更です。私をはじめ多くの医師が身体表現性障害を批判していました。その批判は意味がなくなります。正式な疾病分類、診断基準が報告された後、再度批判をする必要があります。私はこの変更に違和感を感じます。身体科の医師から批判を受けたことが原因かどうかはわかりませんが、結果的に批判の矛先をかわしたことになります。somatic symptom disorderに批判が起これば、次のDSM-VIでは再び疾病分類や診断基準が変更になるのでしょうか。疾病概念そのものがこれほど大きく変化することには違和感を感じます。違和感と言うより、精神科の疾病分類に信用が置けなくなります。

 一方、線維筋痛症には全くぶれはありません。2010年に新しい診断基準は報告されましたが、1990年の分類基準(診断基準)は廃止でなく、使用可能です[6]。何より、疾患概念には全くぶれはないのです。その点が身体表現性障害とは大きく異なります。

 

交通事故後の医学的に説明のできない痛みや諸症状

 交通事故後に医学的に説明のできない痛みや諸症状を訴えた場合、今までは、賠償神経症、仮病、身体表現性障害とみなされていました。半永久的に就労不能になっても治療費や所得補償込みで100万円程度の損害賠償しか保険会社から提示されませんでした。しかし、日本に線維筋痛症やその不完全型の慢性広範痛症や慢性局所痛症の概念が輸入されてからそれは一変しました。判決が出た場合や和解の場合がありますが、症状が重篤であれば線維筋痛症の不完全型の場合でも約四千万円の和解金額が確定しています[45]

 保険会社は線維筋痛症ではなく身体表現性障害であると主張します。前述の様に実は同じ症状、同じ患者さんを身体表現性障害と診断したり、線維筋痛症およびその不完全型と診断しているのです。どちらと診断すべきかは既に述べました。

 百歩譲って身体表現性障害(身体化障害や疼痛性障害)が存在しても何ら問題はありません。精神科以外の診療科、つまり身体科領域の診断がついた場合には精神科領域の診断をつけてはならないという不文律があります。不文律であるため、教科書には記載されていません。精神科医全員が認めているわけではありませんが、そのような不文律が医学の世界にはあるのです。線維筋痛症の診断基準にも注目すべきです。1990年の分類基準(診断基準)を使用する限り、その基準を満たせば、その他にいかなる疾患が存在していても線維筋痛症と診断可能なのです[4]。そのため、百歩も二百歩も譲って身体表現性障害(身体化障害や疼痛性障害)が存在しても何ら問題はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛

 痛みは様々な観点から分類されています。痛みの原因の観点から侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛と分類されることがあります(図2。侵害受容性疼痛とは神経末端の侵害受容器という痛みを関知するセンサーが刺激されて起こる痛みです。火傷、棘が刺さる、打撲や骨折、あるいは炎症により起こった痛みが侵害受容性疼痛なのです。問題は神経障害性疼痛と心因性疼痛です。それらには、絶対的な診断基準はありませんが、日本で頻繁に用いられている診断基準は以下の通りです。侵害受容性疼痛ではない痛みの中で、痛みを説明するに足る異常がある痛みが神経障害性疼痛であり、侵害受容性疼痛ではない痛みの中で、痛みを説明するに足る異常がない痛みが心因性疼痛なのです。痛みを説明するに足る異常とは理学検査(腫れ、発赤、局所発熱など)、血液検査、画像検査、神経伝導速度などの検査です。

 神経障害性疼痛、心因性疼痛には違和感が残ります。漢字が示すように神経障害性疼痛とは神経が障害されて起こる痛みであり、心因性疼痛とは心に痛みの原因がある痛みです。しかし、現場で行われている診断基準は症状に基づいているのです。痛みの原因の観点で定義した痛みが、痛みの症状の観点で診断されているのです。痛みの原因の観点で定義した痛みは、痛みの原因の観点で診断されるべきです。逆に言うのであれば、痛みの症状の観点で診断されている痛みに、神経障害性疼痛、心因性疼痛などという痛みの原因の観点から命名されたような用語を用いることは間違っています。大変残念なことですが、現時点の医学レベルでは、神経障害性疼痛と心因性疼痛を原因の観点で区別することは不可能なのです。

 実は、心因性疼痛は医学的に説明のできない痛みとほぼ同義として扱われています。その結果、身体表現性障害の中の身体化障害や疼痛性障害と同一とは言いませんが、限りなく同一に近い概念になっています。心因性疼痛と身体化障害/疼痛性障害は成立した過程は異なるのですが、同一とは言いませんが、限りなく同一に近い概念に結果的になっています。

 

世界標準の医学における心因性疼痛

 日本医学では心因性疼痛単独の痛みが存在するという医学理論が有力です(図2)。痛みの専門家であるペインクリニック科の医師の約2/3は心因性疼痛単独の痛みが存在すると信じています[46]。日本語で書かれた医学書や医学論文には心因性疼痛という用語が頻繁に登場します。心因性疼痛の英語訳はpsychogenic painです。正確に言えばpsychogenic painの日本語訳が心因性疼痛です。しかし、今日の世界標準の医学ではpsychogenic pain単独は存在しないという医学理論が有力です(図3。英語で書かれた医学書や医学論文にはpsychogenic painという用語がほとんど登場しません。全くないとは言いませんが、ほとんど見かけないのです。インターネット上にPubMedという無料の検索サイトがあります。医師であれば全員が知っているはずの検索サイトであり、キーワードを入れるとその用語を論文のタイトルや要約に含む英語論文をほとんど全て知ることができます。PubMedに掲載されない英語雑誌は格が低いと見なされています。そのPubMedpsychogenic painという用語を入れて調べると、ほとんどpsychogenic painという用語を含んだ英語雑誌は見つかりません。

 私は心因性疼痛単独の痛みは存在しないと考えています。全ての痛みは精神状態によって変動するのです。精神状態によって変動しない痛みが存在するのでしょうか。「心因性疼痛という用語はなくすか、脳原性疼痛に変更すべき。」という趣旨の英語論文(コメント)を私は某英語雑誌に投稿しました。査読者の意見として「痛みの専門家の大部分はあなたの意見に賛成するでしょう。」という意見がつき不採用でした。つまり、当たり前すぎて英語雑誌に掲載する価値がないと判断されたのです。幸い、その論文は別の英語雑誌に採用になりました[47]。国際疼痛学会は侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の定義は発表していますが、心因性疼痛に関しては何もコメントしていません[48]。私は、国際疼痛学会の機関誌のPainに「国際疼痛学会はpsychogenic pain単独が存在するのか存在しないのか見解を出すべきである。」という趣旨の英語論文(コメント)を投稿しました。私の論文は不採用でしたが、痛みの業界の超有名医師から個人的にメールがありました。「psychogenic pain単独は存在しないと私は考えています。しかし、国際疼痛学会の見解を出すことはできません。」という内容の返事でした。

 

心因性疼痛に対する治療

 他の医療機関で心因性疼痛と診断されたり疑われた患者さんを私は多数治療しています。その患者さんたちに線維筋痛症の治療、すなわち神経障害性疼痛の治療を行えば全員ではありませんが、痛みは軽減します。身体表現性障害の場合と同じなのです。

 

中枢性過敏

 脊髄や脳といった中枢神経は痛みなどの刺激が継続すると機能障害が起こることがわかっています。これを中枢神経の可塑性と言います。可塑性とは元来は工業界の用語です。力をある物体に加えてその物体が変形した後、その力をなくした際に変形したままである場合にはその物質には可塑性があると言います。力をなくした際に変形がなくなる場合にはその物質には弾力性があると言います。中枢神経の機能障害と記載しましたが、現時点では器質的な異常が見つかっていないというのみであり、器質的な異常なのかもしれません。中枢神経に刺激が継続的に送られて、脳に機能障害が起こり過敏になる状態を中枢性過敏(central sensitization)と言います[49-50]

 

中枢性過敏症候群

 実は、中枢性過敏によって起こる疾患群があります。中枢性過敏症候群(central sensitivity syndrome: CSS)と言います[49-50]。線維筋痛症は中枢性過敏症候群の代表疾患の一つなのです。中枢性過敏症候群に含まれる疾患(症候群)に何が含まれるのかは確定していませんが、線維筋痛症以外に、慢性疲労症候群、うつ病、不安障害、口腔顔面痛、外陰部痛、化学物質過敏症、むずむず脚症候群などが含まれています。これらの疾患は互いに合併することが多いのです。これらの疾患は医学的に説明のできない痛みや諸症状を引き起こします。今まで医学的に説明のできない痛みや諸症状を線維筋痛症と診断すべきか身体表現性障害と診断すべきかと述べてきました。さらに正確に言えば、医学的に説明のできない痛みや諸症状を中枢性過敏症候群と診断すべきか、身体表現性障害と診断すべきかということになります。

 Sensitivitysensitizationが感作と翻訳される場合があります。しかし、現時点では通常、感作とは抗原抗体反応が起こる場合に限定して使用されています。Central sensitizationcentral sensitivity syndromeに抗原抗体反応が起こっているのかどうかは現時点では不明のため、感作という用語は現時点では適切ではありません[49-50]

 機能性身体症候群(functional somatic syndrome: FSS)という症候群があります。痛みや多彩な症状を訴えるが検査で異常がない疾患群を意味します。実は、機能性身体症候群に含まれる疾患(症候群)は中枢性過敏症候群に含まれる疾患群とほぼ同じなのです[50]。機能性身体症候群という用語は適切ではないと私は考えています[51]。一つ目の理由は機能性身体症候群という用語が身体表現性障害と類似している点です。機能性身体症候群を提唱している人の話や論文では限りなく身体表現性障害に類似した意味で使用されていることがあります。二つ目の理由は、機能性身体症候群より中枢性過敏症候群の方が病名から症状の原因が分かりやすいのです。三つ目の理由はほぼ同じ概念に対して二つの病名があるより一つの病名に統一した方が病名の普及上有利なのです。

 

まとめ

 本書では医学的に説明のできない痛みや諸症状の診断、治療が混乱していることを述べました。また、身体障害性疼痛や心因性疼痛は存在しないことも説明しました。日本医学が世界標準の医学に近づくことを願っています。また、慢性痛・リウマチ・ペインクリニックの業界と精神科の業界が一つになって医学的に説明のできない痛みや諸症状の診断、治療が統一されることを願っています。

 私に連絡せず、本書をいかなる目的に使用していただいても構いません。ただし、出典は明示してください。

 

引用論文

1) ベンジャミン・J・サドック, バージニア・A・サドック: カプラン臨床精神医学テキストDSM-IV診断基準の臨床への展開 第1版第5. メディカル・サイエンス・インターナショナル, 東京, 2002.

2) 宮岡等: 線維筋痛症と精神疾患の鑑別. 日本線維筋痛症学会編. 線維筋痛症診療ガイドライン2011. 日本医事新報社, 東京, 70-76, 2011.

3) Toda K: The prevalence of fibromyalgia in Japanese workers. Scand J Rheumatol. 36: 140-144, 2007.

4) Wolfe F, Smythe HA, Yunus MB, Bennett RM, Bombardier C, Goldenberg DL, Tugwell P, Campbell SM, Abeles M, Clark P, Fam AG, Farber SJ, Fiechtner JJ, Franklin CR, Gatter RA, Hamaty D, Lessard J, Lichtbroun AS, Masi AT, McCain GA, Reynolds WJ, Romano TJ, Russell IJ, Sheon RP: The American College of Rheumatology 1990 Criteria for the Classification of Fibromyalgia. Report of the Multicenter Criteria Committee. Arthritis Rheum. 33: 160-172, 1990.

5) Wolfe F, Clauw DJ, Fitzcharles MA, Goldenberg DL, Katz RS, Mease P, Russell AS, Russell IJ, Winfield JB, Yunus MB: The American College of Rheumatology preliminary diagnostic criteria for fibromyalgia and measurement of symptom severity. Arthritis Care Res (Hoboken). 62: 600-610, 2010.

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46) 戸田克広: 2010年の時点で日本の麻酔科医・ペインクリニック医の2/3は心因性疼痛単独が存在すると信じている. ブクログ, 2013, http://p.booklog.jp/book/63752

47) Toda K: The term "psychogenic pain" should be abolished or changed to "braingenic pain" (pain whose affected area is in the brain). Pain Pract. 11: 421, 2011.

48) International Association for the Study of Pain: IASP Taxonomy. 2012, http://www.iasp-pain.org/Content/NavigationMenu/GeneralResourceLinks/PainDefinitions/default.htm

49) 戸田克広: 中枢性過敏症候群(central sensitivity syndrome. 日本医事新報. 4553(2011730): 84-88, 2011.

50) 戸田克広: 中枢性過敏症候群. 産科と婦人科. 80: 2013 (採用決定).

51) Toda K: The term of functional somatic syndrome should be changed to the term of central sensitivity syndrome. Pain Pract. 12: 83, 2012..


著者紹介

著者紹介

 

戸田克広(とだかつひろ)

 1985年新潟大学医学部医学科卒業。元整形外科医。2001年から2004年までアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)に勤務した際、線維筋痛症に出会う。帰国後、線維筋痛症を中心とした中枢性過敏症候群や原因不明の痛みの治療を専門にしている。2007年から廿日市記念病院リハビリテーション科(自称慢性痛科)勤務。『線維筋痛症がわかる本』(主婦の友社)を2010年に出版。電子書籍『抗不安薬による常用量依存恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、抗不安薬の罠、日本医学の闇http://p.booklog.jp/book/621402012年に出版。ブログにて線維筋痛症を中心とした中枢性過敏症候群や痛みの情報を発信している。実名でツイッターをしている。

 

ツイッター:@KatsuhiroTodaMD

 実名でツイッターをしています。キーワードに「線維筋痛症」と入れればすぐに私のつぶやきが出てきます。痛みや抗不安薬に関する問題であれば遠慮なく質問して下さい。私がわかる範囲でお答えいたします。

 

電子書籍:抗不安薬による常用量依存恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇http://p.booklog.jp/book/62140

 日本医学の悪しき習慣である抗不安薬の使用方法に対する内部告発の書籍です。276の引用文献をつけています。2012年の時点では抗不安薬による常用量依存に関して最も詳しい日本語医学書です。医学書ですが、一般の方が理解できる内容になっています。

 

・戸田克広: 「正しい線維筋痛症の知識」の普及を目指して!―まず知ろう診療のポイントー. CareNet 2011

http://www.carenet.com/conference/qa/autoimmune/mt110927/index.html

 薬の優先順位など、私が行っている線維筋痛症の最新の治療方法を記載しています。

 

・戸田克広: 線維筋痛症の基本. CareNet 2012

http://www.carenet.com/special/1208/contribution/index.html

 さらに最新の情報を記載しています。線維筋痛症における薬の優先順位を記載しています。

 

ブログ:腰痛、肩こりから慢性広範痛症、線維筋痛症へー中枢性過敏症候群ー戸田克広 http://fibro.exblog.jp/

 線維筋痛症を中心にした中枢性過敏症候群や抗不安薬による常用量依存などに関する最新の英語論文の翻訳や、痛みに関する私の意見を記載しています。

 

線維筋痛症に関する情報

戸田克広: 線維筋痛症がわかる本. 主婦の友社, 東京, 2010.

医学書ではない一般書ですが、引用文献を400以上つけており、医師が読むに耐える一般書です。

 


電子書籍

通常の書籍のみならず電子書籍もあります。

電子書籍(アップル版、アンドロイド版、パソコン版)

http://bukure.shufunotomo.co.jp/digital/?p=10451

通常の書籍、電子書籍(kindle版)

http://www.amazon.co.jp/%E7%B7%9A%E7%B6%AD%E7%AD%8B%E7%97%9B%E7%97%87%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-ebook/dp/B0095BMLE8/ref=tmm_kin_title_0

電子書籍(XMDF形式)

http://books.livedoor.com/item/4801844


 


奥付

同一症状、同一患者が診療科により全く異なる診断、治療が行われている異常事態

線維筋痛症か身体表現性障害または心因性疼痛かー

 

著者:戸田克広

2013313日 第1版第2刷発行

http://p.booklog.jp/book/67945

著者:戸田克広

発行者:吉田健吾

発行所:株式会社ブクログ

    〒150-8512東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー

           http://booklog.co.jp


奥付



同一症状、同一患者が診療科により全く異なる診断、治療が行われている異常事態


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著者 : 戸田克広
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