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レ•ミゼラブル

2013年1月23日鑑賞

***大作を作ってみた感はあるけれど***

前半のアン•ハサウェイの部分と、後半、学生、市民たちの武装蜂起の部分、これは見応えがありました。というか、途中は寝ちゃったのでよく分かんないのですが……。
アン•ハサウェイは、よく演じていたと思いますよ。
以前の彼女の作品では、可愛いだけの女の子としての役柄が多かったようにおもいます。
今回は縫製工場に勤めるシングルマザーです。
貧しさのため子供を預けています。お針子の仕事も、夜の体を売る仕事がバレてクビになってしまいます。遂には貧しさから自分の髪の毛まで売ってしまう。そういう悲惨な境遇の女性をどう演じたら良いのか?
アン•ハサウェイの眼がすごかったんです。
「自分にはこんな役、演じられない! もう、どうしていいか分らない!」という悲痛な表情。
僕はこれ、監督が狙って撮った表情だと思います。
そう言う精神状態になるまで,役者を追いつめるんです。
キツイことですけど、いい作品をつくろうという覚悟のある監督ならそれをやる。
邦画では李相日監督が「悪人」のとき、妻夫木君と、深津絵里さんにそういう追いつめ方をやりました。
後半の武装蜂起の部分、群衆劇としての見せ場ですね。僕は舞台版「レ•ミゼラブル」は観ていないのですが、おそらく映画作品にするより、舞台での群衆劇の方がいいんじゃないかとおもいました。
立ち上がる学生たちのうた声、たなびく三色旗。旗を振るたびにバサッバサッという音さえ聞こえる。それは映画では再現されていません。もったいないことです。とても効果的なのに。なんで入れなかったんだろう? 旗の音を。
また、上映が始まってまず驚いたのは、スクリーンのサイズなんです。
これ、なんと、標準サイズなんですよ。ビスタサイズではないんです。監督のこだわりなんでしょうか? 僕はまるで一昔前のテレビを見ている様でした。 いまいち狙いがよく分からなかったですね。
僕がカントクなら、これだけの大作なんだし、思い切って3Dミュージカルにしてみたいですね。
舞台で大ヒットしている作品の映画化なのですから、映画にしか出来ないことをやるべきでしょう。
キャメラアングルの移動、大規模なロケーション。そして編集。これらは舞台では絶対に出来ないことです。これだけいい題材なんだから、もったいないなぁと思った作品でした。

********************
ちなみに、フランス国歌「ラ•マルセイエーズ」の歌詞がとてつもなく過激な歌詞であることは、ご承知の方も多いと思います。7番まで歌詞はあるそうですが、一番とリフレインの歌詞はこちら

進め 祖国の子らよ
栄光の日は来た!
我らに向かって 暴君の
血塗られた旗が 掲げられた
血塗られた旗が 掲げられた
聞こえるか? 戦場の
獰猛な敵兵の咆哮が
奴らは君らの元に来る
君らの子と妻の 喉を掻ききるために!

市民らよ 武器を取れ
隊列を組め
進め! 進め!
敵の汚れた血で
我らの畑の畝を満たすまで!

******
とまあ、こんな感じです。やはり、革命のお国柄なんですね。

**************
天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆
美術 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆

**********
作品データ

監督   トム•フーパー
主演   ヒュー•ジャックマン、ラッセル•クロウ、アン•ハサウェイ
製作   2012年 
上映時間 158分 

 
予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=cl9gni_N_hk




ファースト•ポジション 夢に向かって踊れ!

2013年1月29日鑑賞

***それでも君は踊り続けるのか***

以前バレエの先生と話をする機会があった。
「先生、バレリーナって結婚を機会に引退って考えるものですか?」
一瞬、間があった。
こいつ、何をアホなことを訊いておるのだ、という感じで
「何言ってんの!! たかが結婚でバレエ辞めるもんですか!!」
今度はこちらが「エッ?!」と絶句した。
バレエのセカイ等、何も知らない私には思いもつかない言葉だったのだ。バレリーナにとっては、人生の一大イベントである結婚も、「たかが」結婚なのである。彼女たちにとってバレエとは、人生そのものなのだ、と了承した。
食べるのもバレエのため。肉体トレーニングもバレエのため。普段の何気ない生活もバレエを中心に廻っている。

この作品は、バレエダンサーを目指す若者たちの、コンテストの模様と、そこに出場するまでを取材したドキュメンタリーである。
全世界レベルで行われる決勝の舞台、誰もが憧れるファイナリストになるためには、まずは各国で行われる予選を勝ち抜かなければならない。その予選ですら、凄まじくレベルが高いのである。
「もう、この子は天才」
「彼女は踊るために生まれて来たんだ」
なんて言うティーンエイジャー達が、それこそ掃いて捨てるぐらい集まってくる。

そんなコンクールに出場する本人は、もちろん緊張はしている。しかし、それ以上に、家族や専属のコーチの緊張がハンパでは ないのだ。自分たちが手塩にかけて磨き上げ、育てた才能。それが世間に認められるのか? それとも今までやって来たことは全て無駄だと全否定されるのか?  
実はこのコンクールは本人だけでなく、親と、指導者が、バレエにどれだけ真摯に取り組んだのかが判定される、評価される場でもあるのだ。それはまるで最後の審判さながらだ。
親が我が子のバレエに賭ける金の使い方も尋常ではない。
自分の子供をバレエダンサーにしようと決意した親にとって、「お金」は、もはや、タダの紙くずである。それこそ湯水のようにジャブジャブお金を使う。
子供のために専属の振り付けの先生を雇う。レッスンも広い専用ダンススタジオを丸ごと借りる。一足80ドルするトウシューズは一日で履き潰す高価な消耗品だ。
娘がコンクールを目指している会社社長は、娘の練習環境を整えるために自分の会社さえ移転させてしまう。
全ては愛する娘や息子のバレエのため。成功の切符を手に入れるため。
バレエに限らず、芸事を仕事にする、それで「飯を食っていく」ということはとても困難な道のりだ。実力はもちろん「運」も大切な要素だろう。
コンクールの映像は、観客として観ているこちらの胸まで苦しくなる。
とても残酷なのだが、ここで勝者と敗者がはっきり分かれる。
幸いにも選ばれた若者達にとっては、正に夢の切符を手にしたようなものだ。
「あなたは夢を追い続けなさい」と大人達から許された特権階級の仲間入りなのである。
彼らのある者は、バレエ団からオファーがあり、ある者には名門バレエ学校の入学許可、スカラシップが与えられる。
スポットライトを浴びることを許されるのは、ほんの一握りの若者達だけ。
彼らは夢の階段をひとつ上った。
しかし、まだ次の階段が待っている。
いま、舞台袖から、スポットライトのその先へ、まさに踊り出そうとする若いダンサー達。思わず声をかけたくなる。
「君の歩いて来た道は間違ってない。自分を信じなさい。このチャンスを楽しみなさい」
若いダンサーは夢への一歩を今踏み出すのだ。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆☆
美術 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆☆

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作品データ

監督   ベス•カーグマン
主演   アラン•ベル、ジュールズ•ジャーヴィス•フォーガティ、
     ミケーラ•デ•プリンス
製作   2011年 アメリカ合衆国
上映時間 94分 


予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=c4BYOCglirQ&feature=share

木洩れ日の家で

2013年2月4日鑑賞


***モノクロームが映し出す「人間の枯れ方」***


モノクロームの画面から、様々な色彩が鮮やかに立ち上がってくる。監督の絵心に思わず魅せられてしまう。
予告編を見て「これはどうしてもスクリーンで観てみたい」と思っていたが、ようやく劇場で観ることが出来た。



森 の中の古びた二階建ての家。俗な世間から隔絶された様な佇まいをみせる家。主人公のおばあちゃんは、愛犬フィラと二人でここに住んでいる。一人息子は別に 家を持っていて、忘れた頃に訪ねてくるだけ。だから愛犬フィラは、おばあちゃんにとって、ただ一人の家族であり、子供であり、話し相手であり、頼りになる 相棒でもある。
この犬の名演技には本当に感心させられる。喜び、怒り、悲しみ、好奇心、従順。ありとあらゆる表情を見せて、観客を楽しませてくれる。この何とも愛らしい犬、フィラの表情だけでも充分一本の映画が撮れる程だと、僕は本当にそう思う。
もちろんこの映画の魅力はそれだけではない。
主人公のおばあちゃんを演じるポーランドの女優ダヌタ•シャフラルスカの表情に注目したい。
時折クローズアッップで彼女の顔が映し出される。

彫刻を思わせる様な首筋の深いシワ。年齢を重ねた目元、口元の小じわ。そのシワが決して醜くは映っていないのだ。むしろ、シワの一本一本が無言の演技をしているかのようだ。
ひとりの女優、ダヌタ•シャフラルスカとして、演技とどう取り組んで来たのか? また、一人の女性としてどう「老いて来たか?」その「枯れ方」が美しく「枯れている」のである。
顔はその人の心の履歴書でもある。自分の人生とどのように真摯に向きあって来たか?
残酷だが、それが顔に出るのである。
この女優さんには、老いてなお人を魅了する豊かな表情がある。
美しい歳の取り方とは、こういう人のことを言うのだと思う。
きっとこの人はのびのびとした少女時代を送ったに違いない。
心にたっぷりと滋養を受け取りながら育って来た人であろう。
この作品は、極論してしまえばストーリーらしきものは、あってない様な物である。
おばあちゃんと愛犬フィラとの日常会話で、ほぼ作品が成り立っている。それでもこの作品は観る人を惹き付けて止まない。
キャメラは、おばあちゃんの一軒家を取り囲む森の木々、その緑の木の葉を映してゆく。
光が木の葉にあたる。
木の葉たちの光の反射は、まるで光そのものが饒舌なおしゃべりをしているかのようだ。
刺す様なキラッとする光、周りを明るくする光、少し陰った光。ひっそりと控えめな光。木々の光の強弱をキャメラに捉えるだけで、これだけ豊かな表現をなし得た、ドロタ•ケンジェジャフスカ監督の映像感覚は本当に素晴らしいと思う。
色あせて一見モノクロの様に見える人生になっても、光り輝く、色彩豊かな心を映しとってみせた監督の手腕。人が歳を重ねることの美しさ。女優ダヌタ•シャフラルスカの魅力をじっくりと堪能したい、逸品であるといえる。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆
配役 ☆☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆☆
美術 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆☆

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作品データ


監督   ドロタ•ケンジェジャフスカ
主演   ダヌタ•シャフラルスカ、クシシュトフ•グロビシュ
製作   2007年 ポーランド
上映時間 104分


予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=mS8Q388syZs&feature=share



テッド

2013年2月28日鑑賞


***いやぁ〜、いい映画じゃないですかぁ〜***


全然予想と違いました。
予告編や前評判では、スケベで品の悪い、テディベアを使ったブラックコメディーなんだろうと思ってました。
全然違った。
いい意味で予想を裏切られました。
映画への愛が一杯詰まった映画なんですね、これは。
特にB級アクション映画への、監督のこだわり、敬意、オマージュが一杯詰まってます。
B級アクション映画や、オバカ映画が大好きでよく見ていると言う「コアな映画ファン」には、もう、たまらなく面白い!と思います。

主人公の少年ジョンは、クリスマスに両親からクマのぬいぐるみをプレゼントされました。
彼は人付き合いが苦手。友達が誰もいない。
「くまさん、僕と友達になってよ。一生の付き合いだよ」
そう言って彼はクリスマスの夜、ぬいぐるみのクマを抱いて、すやすやと眠りました。
彼の願いは神様に届きました。それはクリスマスの奇跡となりました。
朝、眼を覚ましたジョン。
「おはよう」
話しかけて来たのは、まさか!? 
クマのぬいぐるみ!?
さ あ、それから家族は大パニック。そして、生きて人間と話が出来るクマのぬいぐるみのニュースは、全米を駆け巡りました。テレビのワイドショーに単独出演。 まるでハリウッドスター並みの大人気。ジョンと一緒に公園を散歩していると、サインを求められます。モッコモコの手でサインをする、ぬいぐるみのクマ、そ の名は「テッド」
そしてー
『ー
あれから四十年!!』じゃなかった。これでは綾小路きみまろさんですね。
 …
…あれから27年が経ちました。
ジョ ンはレンタカーショップに勤める、中年のオッサンになりました。相変わらず友達は少ない。でも、嬉しいことに四年間付き合っている彼女がいる。ロングヘ アーでかなりの美人。いま同棲中。二人だけの甘〜い濃密な時間を楽しんでいると、そこに割って入ってくるヤツがいる。それがいまやおっさんになったテッ ド。ぬいぐるみのクマも歳をとるんですね。
ジョンとは「オレとお前は一生友達」と誓った仲です。
だから、彼女のことも相談する仲だし、いっしょにイケナイ葉っぱを吸って、ラリってハイになったりする間柄です。

ジョンの恋人ロリーは、そんな二人を観て
「あなたのために言うのよ。テッドに出て行ってもらえないかしら」とジョンに持ちかけるのですが……。

この作品、僕が一番驚いたのは「音楽のセンスの良さ」なんです。
もうねぇ、僕は大絶賛したい!!
これは、こういう場面だから、こういう音楽を入れるべき。そして音楽を必要としないシーンは、絶対に音楽を入れちゃダメ!!
そう言うことがちゃんと出来てるんです。
これ、当たり前なようで、実はなかなかセンスが必要です。意外に難しいんですよ、皆さん。
ほんと、もう、まじめに他の監督は見習ってほしいぐらいです。
とってもお洒落で、気が利いていて、映画をより引き立てている。本当に音楽の使い方がうまいなぁ〜、
と唸ってしまいました。
この作品はB級アクション映画への愛が一杯詰まっています。
更にはラブストーリーあり、男と男のファイトシーンあり、サスペンスあり、何とカーチェイスまであるという、ハリウッド映画の美味しいところ全部がこれ一本にギュッと詰まってる。
もうこれはフルコース楽しめるオトナの映画なんですね。
偏見など持たず、是非、映画館で楽しんでみて頂きたい作品です。
なお「F●
CK YOU!」「Bitch!」なんかの汚いコトバが連発されるので、カップルで観に行ってはマズい、と仰るレビュアーの方も結構いらっしゃいますが、僕は個人的に、意外にカップルで観に行っても、盛り上がるんじゃないかと思いますよ。心の広い女性であれば……許してくれるんじゃないかと。
是非、彼氏、彼女と、お二人で笑いながら鑑賞してみて下さい。
僕はもう一回観てもいいかなと思える作品でした。
R1
5+指定なので、「よゐこ」の皆さんはまだ観ちゃダメよ。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
美術 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆☆

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作品データ

監督   セス・マクファーレン
主演   マーク・ウォールバーグ、ミラ・キュニス
製作   2012年 アメリカ合衆国
上映時間 106分


予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=nfZQYAtnrRE&feature=share



世界にひとつのプレイブック

2013年3月7日鑑賞
***見える障害、見えない障害***
劇場でこの作品を観ている最中、思うところありまして、あまり作品に集中出来なかったのです。
この作品は精神障害者の犯罪と社会復帰という、とても重いテーマに挑んだ作品なんですね。それを主人公のお父さん、ロバート•デ•ニーロのヒョウヒョウとした演技で、全体の重苦しいトーンをうまく中和させている。そんな味付けの作品だと思えました。
ロバート•デ•ニーロが演じるお父さん、何ともいい味出してます。仕事を辞めちゃって、今はギャンブルにハマってるダメダメなオヤジさんです。
彼は、犯罪を犯した息子パット(ブラッドリー•クーパー)を受け入れています。ようやく出所して来た息子パット。この物語の主人公です。彼は裁判所から精神障害者であると認定されます。もともとは妻の浮気の現場を生で目撃してしまったショックから、心にキズを負ったのです。彼は医療刑務所で治療を受けながら、刑期を過ごすことになりました。
(アメリカの司法制度や医療刑務所のことはさっぱり知識がありませんので、よく分かりませんが)
出所して来た彼に妙につきまとってくる女性がいる。名前はティファニー(ジェニファー•ローレンス)
実は彼女もまた、若いのに夫を突然の事故でなくし、心に大怪我を負っている。彼女の唯一の心の支えがダンスを踊ること。
「今、ダンスのパートナーを捜してるの。一緒にダンス大会に出てくれない?」とティファニーはパットに持ちかけるのですが……。
というのがこの作品のおおよその輪郭です。
******************
さて、これ以降は映画に直接関係ございませんので、あらかじめお断りをしておきます。
実は僕も精神障害を持っております。「うつ病」と診断され、市から障害者3級に認定された「精神障害者」です。障害者手帳というのも持っている。胸張って言うことでもないでしょうが、「れっきとした」「障害者」という”カテゴリー”に入る人間です。
実は障害者には、「見える障害」と「見えない障害」を持つ人がいるのです。
身体障害者は「眼に見える障害」です。誰が見ても「ああ、障害者だね」と一発で納得出来る。
やっかいなのは「見えない障害者」
代表的なのが心の病、精神障害ですね。
実は「精神障害」と一言で片付けてしまう、一括りにしてしまう、そのこと自体が僕には恐ろしいのです。
「精神障害」というひとつのカテゴリーのなかに、実に様々な症状の心の病があるからです。
実は「精神障害者」同士でさえ、病名が違えば、さっぱり相手の症状が理解出来ないのです。
この映画の主人公は「躁うつ病」です。
僕は「うつ病」ですが、この作品の「躁うつ病」の症状はさっぱり理解出来ません。その行動パターンに共感出来ないのです。
他にも「パニック障害」「統合失調症」最近では「新型うつ病」なんて言うのも出てきました。これらの病気も「うつ病」の僕からは理解不能なのです。ここに「精神障害」というひとつのカテゴリーでくくってしまう怖さがあるのです。
なお「てんかん」も見えない障害ですね。僕は以前てんかん発作の障害を持つ年配のご夫人と、ある映画会に行ってそのあとお茶を飲んで話をしたことがあります。
よく笑う、ほがらかで楽しい人です。とてもじゃないが、全く障害があるようには見えない。どこからどう見ても明るい近所のおばちゃんです。ところが……
「私ねぇ、太陽の光がダメなの。いつ発作が起きるか分らないから、日中、外で用事があるときは、ヘルパーさん頼んで、一緒に付き添ってもらわないと危なくて歩けないの」
そう言えば僕がお会いした日は、今にも雨が降りそうな曇り空の夕方でした。
この方や僕のように、表に見えない障害を持つ人達がいるということを、ちょっと気にとめておいて頂くとうれしいです。
そして僕を含め多くの「見えない障害者」たちが、逃れ様のない”偏見の眼”にさらされていることも知っておいて下さい。
更に言えば、「眼に見えない障害」の残酷さは「眼に見えないがゆえに」両親、兄弟からも理解されず「全く孤立してしまう」という苦しみを伴います。
この作品がそう言った「見た目には分らない障害者」がいるという気づきを生むきっかけになればいいなと思いました。
**************
天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆
美術 ☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆
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作品データ
監督   デヴィッド•O•ラッセル
主演   ブラッドリー・クーパー、
     ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ
製作   2012年 アメリカ合衆国
上映時間 122分
 予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=pp3e3twHiV4



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