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ようこそ、レッドカーペットへ

ようこそ、レッドカーペットへ。映画が大好きな、あなたのご来場を心からお待ちしておりました。
えっ? 特に好きって言うほどでもない? 結構ですよ。大いに歓迎致します。これから映画の魅力をご一緒に探ってゆきましょう。
この本は、2012年1月1日から12月31日までに私が映画館で鑑賞した、洋画18本、邦画19本を収めた映画のレビュー集です。各作品私の独断と偏見による5点満点の採点をつけてみました。レンタルビデオ店でDVDを借りるときのご参考にでもして頂ければ嬉しいです。
あなたのお好きなように、どこからでもお読み頂けるように、一作品一ページにレイアウトしてみました。
また、予告編のアドレスも掲載致しました。コピーしてお使い下さいませ。
巻末には、2012年の映画マイベスト5も選んでみました。
ご案内役はわたくし、天見谷行人が務めさせて頂きます。
ではごゆっくり、映画の森をご散策下さい。また、映画館でお会いしましょう。


ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル

2012年1月6日鑑賞
***トム•クルーズのおいしいアクションレストラン***
人気のアクションシリーズ、「ミッション・インポッシブル」
シリーズ作品の中で、今回はアクションやエンタメ性など、全体のまとまりがとてもよかった感じがしますね。
 調べてみたら監督は、僕の大好きな「レミーのおいしいレストラン」を監督したブラッド・バードさんじゃないですか。
これはいいですよ。
今回が初の実写映画の監督だそうです。

主人公のイーサンはあくまでもヒーローで「何があっても死なない」というアクション映画のお約束はしっかり守って作ってくれてますよ。だからこっちは安心して、どれだけドキドキハラハラさせて楽しませてくれるのか? という所を見ていけば言い訳ですね。
今回はイーサンの乗る車にも注目ですね。
007シリーズにはボンドカーがありましたが、それと同じように「M・Iカー」とでも呼べる様な車が登場します。どうやらBMWがPRもかねて全面協力しているみたいですね。
この車の安全性などもアピールしたかったのでしょうね。トム・クルーズ演じるイーサンを絶体絶命の危機からクルマが救います。企業イメージにとって美味しい演出です。
ちょっと気になる女優さんが出ていました。イーサンの敵方になる金髪の女性。レア・セドゥー。
この女優さん、個人的に好みですねぇ。今後もっと作品に出てほしいなぁ。
それに「ハートロッカー」で主演を務めたジェレミー・レナーも出てますよ。緊迫感のある、いい演技してるんですよ、この人。終盤のトム・クルーズとの絡みのシーンも印象に残ります。

派手なアクションと明快なストーリー、スクリーンに映えるスター達の共演、そしてちょっぴりウエットな「ラブ」と言う名の 香辛料をチョイチョイ、とふりかけたこの作品。
料理に例えると、ディナー程のボリュームとか、重厚さとはちょっと違う感じです。お腹にもたれない感じに出来上がった、誰でも気軽に楽しめる高級レストランのランチ メニュー。そんな感じの作品ですね。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
美術 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆☆
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作品データ
監督   ブラッド・バード
主演   トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ
製作   2011年 アメリカ
上映時間 132分

予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=IE8300sv0oM&feature




リアル・スティール

2012年1月13日鑑賞
***ポンコツでもいい、父親は強くあってほしい***
ロボット格闘技を通して、失われた父と子の絆を取り戻してゆく、その姿がとてもドラマチックに描かれた、近未来SFアクションストーリー。
映画に爽やかなエンディングをお望みの方にはお勧めの作品と言えます。

この作品を観ながらぼんやり思ったのは、アメリカはもう一度、強い父親像を求めているんだろうかという事です。
離婚して子供を手放してしまった父親。
彼はロボット格闘技で日銭を稼いでいる中年オヤジ。
 別れた奥さんが亡くなり、一人息子を引き取るのは自分か、それとも裕福な親類か、彼は選択を迫られます。
親権の優先権は自分にある。ちょうど格闘技に使うロボットが壊れた所でした。
結局彼は、実の息子との生活よりも仕事を選びました。
息子を親類に譲る代わりに10万ドルの大金を手に入れます。これで再びロボットが買える。格闘技がやれる。
 引き取った親類がイタリア旅行をする間、彼はひと時、実の息子を預かる事になるのですが……
 「僕を売ったんだね」という息子。この子役さんの不機嫌な顔がとてもいいと思いましたね。

 その少年はあるポンコツロボットを見つけます。その名はアトム。
 この旧式のロボットにはある特徴がありました。人間の動きをそのまま真似る事が出来る。つまり人間の分身になる事ができる。映画の終盤、この機能が素晴らしい奇跡を生み出します。
もうお分かりのように、この作品、手塚治虫氏の「鉄腕アトム」や浦沢直樹氏の「PL
UTO」、 それに名作「ロッキー」等を合体させ、焼き直した作品なんですね。

終盤のロボットチャンピオンと旧式のロボット「アトム」との闘い。

これなんかスタローンが、最強のチャンピオン「アポロ」に立ち向かってゆく、下町のロートルボクサー「ロッキー」のまんま、パクリです。
 ただあくまで父親とは何をすべきか? 

メリカにとって父親らしい父親とはどうあるべきか? 

という事にとてもこだわった視点で作られている作品だなぁと感じました。
 この作品の他の国での評価が聞いてみたいものですね。それぞれの国でのそれぞれの父親像が違うでしょうから。
 日本のかつての家父長制度を今持ち出したとしたら、一笑に付されてしまうでしょうが、アメリカだけは、なんだか楽天的にその辺りの復活を本気で考えているんじゃないか? 

そんな事を考えさせてくれる作品でした。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆
美術 ☆☆☆
音楽 ☆☆☆
総合評価 ☆☆☆
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作品データ

監督   ショーン・レヴィ
主演   ヒュー・ジャックマン、ダコダ・ゴヨ、エヴァンジェリン・リリー
製作   2011年 アメリカ
上映時間 128分


予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=xTO6dJIbDqk&feature




J・エドガー

2012年3月3日鑑賞
***権力の頂上、バベルの塔から見える景色は? ***
さすがクリント・イーストウッド監督と思わせます。派手な仕掛けは一切なし。
それでも作品全編に漂う緊張感が、観客をスクリーンにぐいぐいと引き込んでゆきます。
 老け顔の特殊メイクが見事に決まったレオナルド・デュカプリオ。抑制の効いた演技も魅力的です。色々と悪いイメージしか湧かないFBIのフーバー長官、その功罪にはいろんな意見があろうと思います。時にはその強引すぎる捜査手法もこの作品では描かれます。

 共産主義、その思想を極端に敵視したフーバー長官、その一方で、先進的な科学捜査の手法をいち早く取り入れ、アメリカ国民を犯罪から守ろうとした姿勢も伺えるのです。
 一人の人間、J・
エドガー・フーバーを、出来る限りニュートラルな視点で描こうと言うのが、この作品の狙いの様です。
  たとえば、彼は同性愛者ではなかったのかと言う微妙な問題もあります。彼が最も信頼していた側近。その男性からの愛情を、ジョン・エドガーは受け止めま す。その辺りの描き方も、けっして野次馬根性的な、さもしい見方でとらえないところが、クリント•イーストウッド監督の趣味の良さなんですね。
主演のレオナルド•デュカプリオ、今回は若き日のジョン・エドガーと、晩年のフーバー長官を見事に演じ分けております。
必要とあらば大統領のプライバシーまで探りを入れていたフーバー長官。
彼はアメリカを影で操りたかったのでしょうか?
権力欲の固まりの様な人間だったのでしょうか?
この作品を観る限り、ひとりの人間、ジョン・エドガーは、コンプレックスを持ち、傷つきやすく、人並みに女性からの愛情を求めていたように感じられます。
 しかし、彼はその強力な意志の力で、権力の階段をどんどん上ってゆきました。そして雲に隠れて見えないバベルの塔の頂上に立ってしまったのでしょう。
 その頂きから見える風景は、意外にも雲に覆われ、何も見えず、孤独感に苛まれる様な狭苦しい場所だったのかも知れません。
 そんな彼の苛立ちをレオナルド・デュカプリオが見事に演じきっているのが印象的でした。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
美術 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆☆
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作品データ
監督   クリント・イーストウッド
主演   レオナルド・デュカプリオ、ナオミ・ワッツ
製作   2011年  アメリカ合衆国
上映時間 137分

予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=askoLBCpx7s



ヒューゴの不思議な発明

2012年3月5日鑑賞
***メリエス作品のなんというみずみずしさ***
どうしてなんでしょうねぇ。
最新の3D技術を駆使して、名匠マーティン・スコセッシ監督が映画を撮る。当然いいものが出来ると思うじゃないですか。
ところが……
なぜか画が全然活き活きしていないのですねぇ。
この作品は映画の黎明期に活躍したジュルジュ・メリエスへの、限りない敬愛の念を込めて製作された事が伺えます。
エンドロールを観ていると製作陣の中に、何とあのジョニー・デップの名前もありました。やっぱりサイレント映画大好きなんですね、彼は。
この本編の終盤、映画史の上で貴重な資料ともいえる、ジュルジュ・メリエス作品の幾つかが登場すると、あら不思議。
今までの憂うつな暗い画面が、おもちゃ箱をひっくり返したように活き活きと動き始めます。
例えば……
クラシカルな複葉機の大編隊がぶんぶん飛び廻ったり、
指揮者らしい男がいて、その上には大きな五線譜があるかと思うと、次の瞬間には男の頸がすっ飛んで、五線譜の上で次々に音符になってゆきます。
あるいは、歌舞伎役者の様な顔のある白っぽいお月様。徐々にクローズアップされてくると、その顔に何と大砲の弾がズドンと打ち込まれる。
〜さぞやお月さん、痛かろう〜
どこかでこんな民謡調の歌謡曲が昔あったなぁ。それはさておき……
これらの奇抜なアイデアの映像が次々にスクリーンに現れて僕たちの目を楽しませてくれます。
まるでスクリーンが生命の水を与えられ、一気に潤った様な瑞々しさ。その新鮮な驚き。
まさかこのような映像を、映画の歴史が始まった当初、すでに撮影していたとは!
マーティン・スコセッシ監督が本作品を作るきっかけになったのがよく分かりますね。
映画作品というのは単に映像技術の進化でより刺激的になったり、より優れた作品になるとは限らない、という事をスコセッシ監督自らが図らずも証明してしまった形になりました。
これは何とも切ないです。
余談ですが、実際、3D映画作品の途中で、まさか寝てしまったのは、私の映画鑑賞史上、この作品が初めての貴重な体験でありました。
ただ、ジュルジュ・メリエスという、映画の歴史において絶対に避けて通れない奇才が存在したという事実を、もっと世に知らしめるには、この作品はその使命を果たしたのだと思います。
それにしても、これをきっかけに、ジュルジュ・メリエス作品の上映会なんかを、どこかのミニシアターが開いてくれないかなぁ、と思うのは私だけではないでしょう。
追伸
この作品本編で、一人やたら活き活きと動いていた人物がおりました。青い制服の保安官です。とてもいい味を出しておりました。相棒の犬を唯一の友とし、浮浪児を孤児院に送り込む事を生き甲斐にしているかの様な、偏った熱意を持った人物をコミカルに演じていて印象的でした。
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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)
物語 ☆☆
配役 ☆☆☆☆
演出 ☆☆
美術 ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
総合評価 ☆☆
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作品データ
監督   マーティン・スコセッシ
主演   ベン・キングズレー、ジェード・ロウ、
          エイサ・バターフィールド
製作   2011年 アメリカ
上映時間 126分 
予告編映像はこちらのアドレスをコピーしてお使い下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=jSJ71pX3RdE&feature=share



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