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満月の巫女〜鏡〜



人一倍目立つのは 彼女の髪の色なのか 
大きな身振り手振りのせいなのか 
あの笑顔のせいかのか 

いたずらっこで いじめっこ なのに あの笑顔で みつめられると たいていの人が 許してしまう。
 次から次へと 夢見たいな話ばかりするけど 次にあったときには またちがう夢をみていたりする。
 ひとなつっこいのかと 
思っていれば 心の奥には 人をよせつけないところもあるみたいで 
なかよくなったつもりでいた 下弦の月の巫女が 本当は冷たい人かもと とまどっていたりもする。
 一人でいるときには なんだか 泣きそうに静かにしている。 

さみしいのかなと よっていってみると 
『きゃあ〜!夜!!あそぼ!』と 振り回されたり 撫でまわされたりする!! 
天真爛漫にふるまっているけど 実は策略家だということを 
上弦の月の巫女にはみぬかれていて まじめに説教なんかされるんだけど きいちゃあ いない。 
上弦の月の巫女からみると 彼女は自由すぎる人。

 新月の巫女はいつも彼女をうらやましそうにみている。 
どうして あんなにわがままなのに 人をひきつけるのだろう。 
いつもは 一人でいたいと思う新月の巫女も 彼女とならいても 楽しいかななんて 思ってみたりする。
 新月の巫女からみると 彼女はかわいらしい人。

 誰にでも 平等に接しているようにみえて はむかってこない下弦の月の巫女には けっこう 甘えている。 それでも 頼ってくれているように感じて 巫女はせっせと尽くしている。
 でも ときどき 考えていることがわからなくなって不安になる。 
下弦の月の巫女からみると 彼女はつかみどころのない人。 


満月のようにあかるいのに 本当は 接する人で その見え方がちがってくる。 

まるで その人を映す鏡。 だから 猫は 彼女をこうよんでいた 満月の鏡の巫女と。
 私は私らしく いるはずだけど みんなの印象は どれも 嘘みたいに思える。
 本当の私は どこにいるんだろう。 笑顔でいるのは きらいじゃない。 
みんなが 喜んでくれるから。私だって楽しい。 
でも なんだか すごく いじわるな気持ちのときもある。 
だって べつに いい子じゃないんだ。
 みんな いいかげんなことをいう。 
誰もきらいなわけじゃないけど 誰も特別なわけじゃ、、、、なかった。

 あいつは別。 
なんか やなやつだった。 
笑っている私に『どうして悲しい顔しているの?』って聞いてきたりするから 涙がでてきちゃうじゃない。 
テンション高く走り回っているのに 『今日は 疲れているね』なんて 頭をぽんぽん。 
気になりだすと とまらない。 あいつを目でおっていること、みんなにばればれみたい。 
だって 好きで好きで たまらなくなっていっちゃうの。 

 って 聞いてる?夜!
         鏡の巫女は ころころ表情をかえながら
         どんなに『あいつ』にひかれているか
          でも どんなに『あいつ』がにくたらしいかと
          えんえんと話している。 
いつも みんなの求める私なはずなのに あいつには 私は私にみえるらしい。
そんな私をあいつはどうおもうんだろう。 あいしてくれてないなんて ありえない。 
もし 愛してくれてなかったら どうしよう。
 あいつの心が私でいっぱいで はみだしそうじゃないと 
いやだ! いますぐ 抱きしめてくれないと いやだ。
         鏡の巫女は たちあがると 私をほおりだして 
        駆けだした! 
 『わかってると 思うけど。。。私。。。』 
『わかっていると 思うけど 君は巫女。』 
ちょっと待ってよ。そんなこと どうでもいい。
ただ 私があなたを好きで あなたが私を好きなら 世界が崩壊したって かまわないのに。 
『宇宙でいちばん愛しているよ。きっと永遠に』 だったら 今 抱いて。私を連れて逃げて。 
あいつは 首をふった。 
『君は大切な人だから』 大切なんだったら 願いを叶えて! 笑顔でほほえむあいつが 気持ちをかえるわけはなかった。 
『君は月の女神。いつもみあげているよ。』 見守ってくれなくていい。
抱きしめて! 欲しいなら 私の心臓を引き出してくれていいのに。
 、、、じゃあ いい! わたしのためには 月だってとってくれる人じゃないと嫌だ。 
だから あなたじゃ だめだ。 あっかんべー。 
 たくさんある私の愛をうけとめてくれなきゃ。 
ほかのものと 比べてほしくない。 
あいつのこと わすれられるわけでもないし きらいになれるわけでもないけど 愛は唯一無二の存在。 
この愛を 今は 神にささげよう。 
この愛を いつか 我が子にささげよう。      
君はいつも 私を映す鏡。      
愛があふれるときは 君も愛にあふれ      
愛が足りないときは 君は涙にあふれる。      
鏡の巫女は 胸をはって 猫の頭をぽんぽんとたたいた。 
『たくさんあるから 夜にもわけてあげるね。  私の愛』      
そういうと 鏡の巫女は      
おもいっきり 猫をだきしめて キス攻めにあわせた。      
いい迷惑だと おもいながら      
こんな愛も また一つの愛の形だと 猫は思った。

この本の内容は以上です。


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