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果て

 

「其の果ての向こうには、何が在るの、」

「果ての向こうには何も無い。だから、『果て』なのさ。」

「果ての向こうには何も無い世界が有る、って事、」

「『何も無い世界』なんてものが存在するなら、其処は『果て』じゃあない。

 『果ての向こう』などという概念が誤りなんだ。

 『果て』より先は『時間』も『空間』も『想い』も何もかもから隔絶された究極の『無』でなけれがならない。

 そして其の『無』すらも在ってはならない筈。」

「それじゃあ、」

「僕等の『脳』に『心』に『果ての向こう』という『言葉』がある限り、僕等は『果て』へ到達する事は無い。」

「僕等は進んで往けるんだね、一緒に。」

「ああ、永遠(ずっと)。」

 

 

 

そう云って踏み出した、僕等の足の下の、自由。

 

 


花火

 

短い夜

一瞬の花火

君と僕

 

 

 

光の後を追う音は

目に見える刻(とき)

 

二人の間の群青と

宵宮の堤燈の対照

 

合わす視線に絡まる感情が

はらはらと闇に融ける

 

 

 

刹那の夢

彩る天(そら)

右手と左手

 


この本の内容は以上です。


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