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待チ希ム

 

君の視線が僕を避け始め、

僕ではなく、 僕の後ろに向いた時。

 

それが。

 

何もかもが亡くなる合図(シグナル)。

 

この世に存在する全ての悪夢の内、

最悪なものを言葉に載せることの出来る僕だから。

 

安心して、

 

僕の息の根を、止めてください。

 

欠片の希望も見つけられないように、

精一杯の終わりを下さい。

 

 

 

僕の視線が君を捉えた時。

 

それが。

 

 

 

僕が亡くなる合図(シグナル)。

 

 


大好きな笑顔

 

大好きな君

大好きな君

大好きな君

 

素敵な笑顔

素敵な笑顔

素敵な笑顔

 

 

 

君の笑顔が好きだから

どうしても欲しくて

我慢できなくて

細心の注意を払って

愛しい瞬間に

首を刎ねたのに

 

 

 

 

転がる君は笑っていない

 

 

 

 

大嫌いな君

大嫌いな君

大嫌いな君

 

君なんて

 

 

 

 

もう……

 

 


不協和音

 

僕は貴方を想い、

貴方は君を想い、

君は彼女を想い、

彼女は僕を想う。

 

 

 

誰もが、

 

 

 

先行し、

追い駈け、

行き違い、

遠離る。

 

 

 

不安を煽るだけの旋律。

 

終止線だけが重なる四重奏(クヮルテット)。

 

 


冥い夜

 

黄色の闇が来る。

 

渦を巻く黒い雲を従えて、

宙(そら)が黄色に汚染されていく。

 

 

 

白い闇が来る。

 

黒い雲が敷き詰められていく天(そら)に、

白が滲み出てくる。

 

 

 

遠くに見える気圧の塊に、

冥(くら)い夜が浸食されていく。

 


いろはにほへと

 

畳の小径の脇の線路に

面電車が通り過ぎる

の欠片を敷き詰めたような

先の露台(テラス)は

んのりと

リドットに染まってみえた

 

は経ち

さかったその背に届かなかった

檎をもぐのは容易く

るまった

ビィ色の艶やかな表皮

き出でる泉で冷やす

顔が

だとても切なくて

情がこみ上げる

 

の容良い唇が

いだ言葉のひとつひとつを

りに堕ちても

くしたりしたくない

 

園へ

かう君は

かないで

くはずだから

される僕はせめて

荷にならないように

の両端を上げて

らかく微笑もう

だけを見る君には

して伝わらないだろうけど

 

切を こ越えて

に立つ君の

には冷えた林檎

の天(そら)は白く輝き

え冴えとした空気に

々が映える

く手を見つめる彼の視線の強さに

暈がした

 

ら し思惟し

んだ ひ『光』

め続ける君の

中をそっと見上げる

ノウドロップの僕

 

 



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