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距離ゼロ

 

端末が繋がる音が脳に響く

入力装置で君の扉を叩くと

 

もう二人の距離は

 

ゼロ

 

 

全て架空の現実は

君と僕の間に在る

 

 

 

 

膨大な数のヒトが

二人の間に存在(い)たのに

僕と君は巡り逢った

 

そんな奇蹟は本当は何処にでも在り

一本づつ手繰り寄せた君への回線は

通信速度を上げていく

 

 

 

 

 

どんなに遠く離れていても

すぐ隣りで声がする

距離ゼロの絆

 

君からの両手いっぱいの情報は

言葉

画像

そして、熱量

 

 

 

 

電脳の海で

君へ辿り着けて良かった

 

 

 


自動人形(オートマータ)

 

彼(か)の人を造ろう

肌は白磁で

髪は鳶色の絹糸をよく梳いて

瞳は琥珀にしようか

鎖骨は左右対称に

指は長く

膝は丸く形よく

最後に薄紅をひこう

生きている証に

 

 

 

細い頤を上げ

喉の奥へ深く息を

 

 

彼の人は生きていく

そしてまた

彼の人を造ろう

 

 

 

僕は自動人形(オートマータ)

人間(ひと)を造る機械

 

 

彼の人は人間(ひと)

生きた人間(ひと)

 

 


待チ希ム

 

君の視線が僕を避け始め、

僕ではなく、 僕の後ろに向いた時。

 

それが。

 

何もかもが亡くなる合図(シグナル)。

 

この世に存在する全ての悪夢の内、

最悪なものを言葉に載せることの出来る僕だから。

 

安心して、

 

僕の息の根を、止めてください。

 

欠片の希望も見つけられないように、

精一杯の終わりを下さい。

 

 

 

僕の視線が君を捉えた時。

 

それが。

 

 

 

僕が亡くなる合図(シグナル)。

 

 


大好きな笑顔

 

大好きな君

大好きな君

大好きな君

 

素敵な笑顔

素敵な笑顔

素敵な笑顔

 

 

 

君の笑顔が好きだから

どうしても欲しくて

我慢できなくて

細心の注意を払って

愛しい瞬間に

首を刎ねたのに

 

 

 

 

転がる君は笑っていない

 

 

 

 

大嫌いな君

大嫌いな君

大嫌いな君

 

君なんて

 

 

 

 

もう……

 

 


不協和音

 

僕は貴方を想い、

貴方は君を想い、

君は彼女を想い、

彼女は僕を想う。

 

 

 

誰もが、

 

 

 

先行し、

追い駈け、

行き違い、

遠離る。

 

 

 

不安を煽るだけの旋律。

 

終止線だけが重なる四重奏(クヮルテット)。

 

 



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