閉じる


パークタイペイホテル(台北美侖飯店) 朝食

 昨夜の暴食が心配されたものの、起床すれば腹が空く。
 麺が多かったためか、意外と腹にたまらなかったようだ。

 これなら、本日のメイン・イベント『パレ・デ・シン』(君品酒店)のアフタヌーン・ティーも万全の状態で迎えられそうだ。

 

 まずは、ホテルの朝食バイキングへ。

 1階にあるレストランで、ビュッフェ形式だ。

 事前のネット情報では、評価が見事に分かれていた。

 美味しいという意見と、美味しくないという意見。

 味覚は人それぞれだから当たり前だが、これでは全く参考にならない。
 とりあえず、否定的な意見もあるので、伯爵の期待値はかなり下がっている。

 

 12月の平日ということもあり、宿泊客が少ない為か。

 朝食場所は、まばらだった。

 このホテルの近くには色々な店があるらしいので、わざわざ高いホテルの朝食を食べる人も多くはないらしい。
 といっても、一見するとかなりローカルな店ばかりなので、伯爵のようなヘタレ人間には不向きかもしれない。

 あまり並ばずに取れるビュッフェは、快適なものだ。
 朝から、ゆっくり落ち着いて食べる。

 喧騒のないビュッフェは、なんとなく優雅だなあ。

 

 

 朝食内容は、オーソドックスなホテル・ビュッフェ。

 目新しいものはなく、オリジナルティや豪華さには欠ける。
 品数も、決して多いとはいえない。

 しかし、和・洋・中のバランスは取れていて、不満に感じるところはなかった。

 中華系は、味付けが日本人向けにアレンジされているのか、ローカルな癖が少ない。
 伯爵にとっては、美味しいという評価に至った。

 ビジネス向けには最適ではないかなあ。

 ちなみに、蕎麦は殆ど日本のもの遜色ない出来栄え。

 伯爵は、2杯をたいらげる。

 

 

 

 

 


1
最終更新日 : 2013-02-24 17:37:24

永康刀削麺

 朝食の後は、ホテル周辺を散歩。

 チェックしていたお茶の店などを見ておきたかったが、しっかり地図で確認しないと到達できないことがわかった。
 地図では、すぐそばにあるはずなのに。

 単なる散歩のつもりだったので、執着せずにブラブラ。
 気になる店もあったが、ローカル色強く、気軽に利用できるかどうか。

 約1時間後に、ホテルに戻る。

 

 チェックアウトを済ませると、MRTで台北車站に移動。
 三度目の宿泊なので、この辺は勝手が分かっている。

 MRT駅構内は、スーツケースを持ってホテルまで移動は可能だけど、歩行距離は長い。
 しかも、構内の案内に沿って進むので、苦手な人にはあまり向かないかも。

 まずはQスクエアを目指し、地下から入る。

 Qスクエアはデパートのようなものだが、スーツケース持って入っていいものか、初めは悩んだ。
 地下から入った場合、それしか方法がないので気にすることなど全くなかったのだが、ヘタレとは面倒くさいモノである。

 

 

 

 時刻は、まだ10時30分。

 この時間にはホテルには入れない。

 そこで荷物だけ預け、再びMRTで永康街に向かった。

 荷物の預けは、伯爵の予想を裏切り、ひどく簡単なものだった。

 あらかじめ用意していた英語のフレーズも使わず、スーツケースを持ってドア・ボーイに近づいただけで、向うから声をかけてくれたのだ。

 こちらかが宿泊客かどうかの確認もなく、逆に心配になってしまう。

 あまりに不安な伯爵は、本日チェックインだと説明を付け加え、万全を期す。

 これはいらぬ心配だったようで、チェックイン時も荷物のトラブルは無し。

 身軽になった伯爵は、再びMRTの駅に戻る。

 途中にゲームの広告を見つけ、情報量0のゲームにオタク心を燃やす。

 アートな置物が飾ってあるのも良し。

 ああ、これぞ台北。

 

 

 

 

 

 

 さて、伯爵が目指す永康街。

 『鼎泰豊』の本店があり、日本の観光客に最も有名であるといっても過言ではない。
 ただ、これまではMRTの最寄り駅まで徒歩で15分程度と遠かったため、移動手段は個人旅行ならタクシーが一般的だった。

 先のホテルの最寄り駅・大安からも、徒歩15~20分で移動は可能だが、交通量の多い道なので排気ガスが気になってしまう。

 距離的に遠いてはいえないまでも、アクセスが良いとはいえない状況だった。

 しかし、2012年の秋に『東門』という駅が完成。
 永康街は、より身近になったのだ。

 

 

 まだ新しい駅に感激し、駅を出て僅かで鼎泰豊。
 あらためて、便利さを噛みしめる。

 マップを見ながら、伯爵らは『永康刀削麺』を探しあてた。
 ガイドブック掲載率100%に近い有名店らしいが、伯爵は初体験。
 本日は、午後3時からビュッフェである。
 本来なら、昼食など食べている余裕はない。

 しかし、ちょっと腹は空いている。

 朝食をセーブした影響が、すでに出始めていた。

 まあ、麺の一杯くらいは…。

 いつものパターンに陥り、おもむろに入店。

 

 

 

 時刻は11:30。

 まだ早いのか、客は少ない。

 伯爵は、ガイドブックの写真が美味そうだった『炸醤麺』大55元(約165円)を注文。
 ツレは、何故か『酸辣湯麺』70元(約210円)を選択。

 待つことしばし。

 到着した麺は、ガイドブックの写真となんら偽りのない麺だった。

 期待を胸に、食す。

 

 麺は生温かく、腰がある。

 辛いと思っていた肉味噌は、ほとんど辛くない。

 予想とは、かなりのギャップがあった。

 そして何より、大は量が多い。

 しまったぁー。

 また昨日と同じパターンだ。

 失敗を、次に活かせば良い。

 普段、会社で自分が使う言葉ではないか~。
 ああ、俺ってダメ人間。

 などと、一杯の麺で妙に自己否定的になる伯爵。

 

 ちなみに、ツレの『酸辣湯麺』も予想は全くの別モノであった。

 スープは、とても優しい味。

 そこに主に野菜のエキスが溶け込んでいる。
 これが甘く、そしてかすかな酸味を含んでいる。

 かなり独特な味で、これまた完食は難しそうだ。

 『大』頼んで、二人とも残したらマズいよな。
 伯爵の脳裏に、世間体を気にした感情が浮かぶ。
 しかし、刀削麺のボリュームは、後のビュッフェへの期待を確実に削いでいく。
 どうすんべぇ。

 

 ふと見た先に、おばちゃんが奇妙な行動をとっていた。
 おばちゃんは、店の人間ではない。

 どうやら客らしいのだが、無人の席にある容器を開け、スプーンで中の液体をビニールに掬っているではないか。

 何をしているのだ、いったい。

 その場は、横目でみるばかり。

 おばちゃんが消えてから、ツレに話しかける。

 『何をやっていたのだろう?よくお店の人、文句をいわないね……』

 『ああ、あれ。お金払っていたよ』

 つまり、容器の中身だけ購入していったということだ。
 買うということは、それだけ美味いということか。

 

 容器は、全てのテーブルに備えられているわけではないらしい。

 伯爵のテーブルには、置かれていなかった。

 隣のテーブルから失敬すると、それがラー油らしきものだと分かった。

 試しに、自分の麺にかけてみる。

 味が一変した。

 おとなしかった友人が突然不良になったような、そんな一瞬だった。

 パンチが効いた。

 やるじゃない!

 食欲増進。

 これなら、完食。

 というか、また食べたい。

 とりあえず、ひと匙のラー油が伯爵の尊厳を救った。

 

 しかし、午後のビュッフェには最悪の状態で臨まなければならない。

 

 

 

 

 

 

 


2
最終更新日 : 2013-02-24 17:37:24

泌園

 刀削麺を食べ終えた伯爵らは、同じ永康街にある『泌園』へと向かった。

 ここも、ガイドブックの露出度高いお店である。

 観光客目当ての店かと思って敬遠していたが、お茶に興味のある方々のブログでは評価が高いようだ。

 

 公園の目前に店はあった。

 派手な看板ではないので、あやうく通り過ぎるところだった。

 入店すると、先に女性二人がお茶を飲んでいる。
 日本人の観光客らしい。

 その時、店員は年配の男性が一人。

 あれ、ガイドブックでは女性の店主だったけど……。

 

 とりあえず、挨拶だけして店内を物色。

 商品はきちんと整列されており、簡単に手に取ることができる。

 烏龍茶のティーバッグが好評なようで、それも簡単に見つけることができた。

 先の女性二人に説明が終わり、伯爵らもお茶をいただく。

 あまり作法も知らぬ伯爵だったが、薦められるままに飲む。

 味は、日本で飲む烏龍茶とは少し違う。

 まずは、香り。

 香りが非常に良い。

 香を楽しみ、そして味わう。

 スッキリという表現が相応しく、清々しさが心地よい。

 店内から見える公園の風景が穏やかで、永康街にいることを忘れてしまいそうな瞬間だった。

 

 まるで、台湾のおじいちゃんの家に遊びに来たかのような錯覚。

 おじいちゃんは、お茶の説明を続ける。

 良いお茶は、何杯でも香が続く。

 しかし、中国の大手メーカーでは香料を使うこともある。

 そういうお茶は、2,3杯ですぐに香が消える。

 試飲で1杯しか飲ませないような店は、気をつけた方が良い。

 おじいちゃんのウンチクが、なぜか嬉しく感じてしまう。

 

 言葉のとおり、お茶を何杯もいただき、烏龍茶のティーバッグとプーアル茶を購入。
 ちなみに、プーアル茶は台湾産は存在しないとのこと。

 この店でも、大陸(中国)産だという。

 帰宅してから飲んでみたが、想像以上に飲み易かった。

 おじいちゃん曰く、プーアル茶は美味しいものではない。

 『健康のため』だそうだ。

 それでも、こんなに飲みやすいプーアル茶には出会ったことがなかった。

 健康に良いのなら、もっと買っておけばよかった。

 

 

  


3
最終更新日 : 2013-02-24 17:37:25

意翔村

 泌園を後にした伯爵ら。
 ここで一度、永康街を出る。
 マップを片手に歩くこと15分程度。
 住宅街と思わしき一角に、『意翔村』があった。

 

 店の前にデカい車が横付けされており、はっきり言えば営業妨害に近い。

 が、そんなことは気にしていないようだ。

 入店すると3名ほどの中年男性。

 内装は『泌園』と真逆で、客が手にとれるような商品陳列はしていない。
 大きなテーブルがあるだけで、あとはお茶の貯蔵庫のようだ。

 もちろん、価格の表記もない。

 事前情報がなければ、ヘタレ伯爵は決して入店しないような雰囲気であった。

 

 気後れしている伯爵に、店主は優しく声をかける。

 『試飲?』

 明確な日本語だ。

 これで、緊張が一気に緩和される。

 『お願いします』というと、他の男性らも準備を手伝う。

 この男性ら、店員なのか、近所のおじさんなのか全く不明だ。

 しかし、店主のことを先生と称し、一緒に写真を撮ってくれるなどサービス精神旺盛だった。

 

 試飲は、他店と比べ特徴的だった。

 6つの茶碗を用意し、種類の違うお茶に湯を注ぐ。

 客はスプーンでお茶をかき混ぜ、まずはスプーンについた香りを確認し、次に味を試すのだ。
 『観光客は時間がないから』

 という理由から、店主が編み出した試飲方法らしい。

 台北ナビによれば、この店主はお茶のソムリエと称され、茶の鑑定に際しては相当の実力者とのこと。

 それで『先生』と呼ばれているのだ。

 

 試飲のお茶は、高山烏龍茶や東方美人茶など6種。

 大体100グラム400元(約1200円)程度の価格帯だ。
 もっと高いお茶もありそうだが、観光客にはこのシステムで対応している様子。

 伯爵は蜜酵烏龍茶と言うお茶を初めて試し、これを200グラム。
 ツレは東方美人茶を200グラム。

 帰宅してからのお茶ライフが充実したことは言うまでもない。

 

 

  


4
最終更新日 : 2013-02-24 17:37:25

昭和町文物市集

 意翔村を出た伯爵は、再び永康街に戻る。

 途中で見つけた菓子店が気になり、ふらりと入店。

 その名は『GANSO』。
 ガンソと呼ぶのか。
 店内には『元祖』という表記があるので、日本語と同じような使い方かもしれない。

 ひょっとすると、日本の店だったりして。

 店内を注意深く見まわしたが、それを証明する手掛かりはなかった。

 

 気になる菓子が二つ。

 ひとつはパイナップル・ケーキ。

 ガイドブックやネットでは、この店の情報はなかった。

 掘り出し物かも!?

 ささやかな期待が湧く。

 そして、もうひとつ気になる菓子が……。

 黒い。

 黒糖を思わせる外見に、くるみが埋まっている。
 くるみの含有率は高い。

 幸いにもバラ売りしているので、購入してみる。

 後に食べてみたのだが、甘さは極めて控え目。

 くるみの味が前面に出て、僅かながらに甘味が後を追う。

 黒い部分は水飴を硬くしたような感触。
 これが心地よい歯ごたえを生んでいる。

 日本では食べてことのない味で、次第にヤミツキになっていく。

 お茶うけに最適で、台湾烏龍茶との相性は抜群だった。

 

 

 

 

 

 

 さて、永康街を南下する。

 鼎泰豊を永康街の入り口とすると、目指す『昭和町文物市集』は出口にあたるような位置にある。
 これは、20店舗ほどが集う骨董市場だそうだ。
 事前にネットで確認したところでは、中国式のアンティーク家具や日本の雑貨、昔のポスターや写真などを扱っているらしい。

 オタク物発見の可能性は高く、せっかく永康街にいるのだから、チェックしない手はない。

 途中、分かりづらい個所もあったものの、地図をしっかりチェックしたので問題なく到着。

 しかし、どうにも活気がない。

 とういか、古い倉庫のようなもので、ネットの写真とは雰囲気が全然違う。
 中に入ってみると、わずかに一軒が開店しているようで、思いっきり入りづらい。

 入口を確認すると、午後2時から営業の標識。

 2時まで待つと、3時からのビュッフェに間に合わない可能性がある。

 ここは断念するしかない。

 何の収穫もなく、伯爵は元来た道を引き返した。

 

 道すがら、伯爵は思う。

 仮に開いていたとして、あれらの店を物色できたかどうか。
 人がいるのかどうかも分からない寂れた空間。

 ノスタルジーというよりも、得体のしれぬ重圧感。

 もう一度トライする気になるのだろうか。
 開店した空間が、どれだけ華やかに変わるのか疑問だ。

 

 そんなふうに思うのも、伯爵がヘタレだからかもしれない。

 


5
最終更新日 : 2013-02-24 17:37:25


読者登録

奇怪伯爵さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について