目次
〜まえがき〜
〜目次〜
第一回 『1Q84』とクラウド
第一回 『1Q84』とクラウド ~G から Uへ~
第一回 『1Q84』とクラウド ~U から Gへ~
第二回 『1Q84』と丸刈りの誕生
第二回 『1Q84』と丸刈りの誕生 ~G から Uへ~
第二回 『1Q84』と丸刈りの誕生 ~U から Gへ~
第三回 『監獄の誕生』と丸刈りの消失
第三回 『監獄の誕生』と丸刈りの消失~G から U へ~
第三回 『監獄の誕生』と丸刈りの消失~U から G へ~
第四回 『恋する原発2』
第四回 『恋する原発2』~G から U へ~
第四回 『恋する原発2』~U から G へ~
第五回 『1Q84』再び
第五回 『1Q84』再び~G から U へ~
第五回 『1Q84』再び~U から G へ~
第六回 『55歳からのハローライフ』と、彼と巡礼と帯
第六回 『55歳からのハローライフ』と、彼と巡礼と帯~表紙~
予告編:残念なボツ原稿
第六回 『55歳からのハローライフ』と、彼と巡礼と帯 ~U から Gへ~
第六回 『55歳からのハローライフ』と、彼と巡礼と帯~G から Uへ~
第七回 『Nウェイの森』(KOW版)と、『フィンランドの駅』
第七回  『Nウェイの森』(KOW版)と、『フィンランドの駅』~表紙~
予告編:第七回  『Nウェイの森』(KOW版)と、『フィンランドの駅』
第七回  『Nウェイの森』(KOW版)と、『フィンランドの駅』~G から U へ~
第七回  『Nウェイの森』(KOW版)と、『フィンランドの駅』~U から G へ~
第八回 『想像ラジオ』と斬新な王道
第八回  『想像ラジオ』と斬新な王道~表紙~
予告編:第八回  『想像ラジオ』と斬新な王道
第八回  『想像ラジオ』と斬新な王道 ~G から Uへ~
第急回 『風立ちぬ』と紅白歌合戦
第急回 『風立ちぬ』と紅白歌合戦~表紙~
第急回 『風立ちぬ』と紅白歌合戦~G から Uへ~
第十回 『天誅~闇の仕置き人~』とキス我慢選手権
第十回  『天誅~闇の仕置き人~』とキス我慢選手権~表紙~
第十回 『天誅~闇の仕置き人~』とキス我慢選手権~G から Uへ~
第十一回 『帝都物語』とオリンピック憲章
第十一回  『帝都物語』とオリンピック憲章~表紙~
第十一回  『帝都物語』とオリンピック憲章 ~G から Uへ~
第十二回 『天罰~闇の仕分け人~』と「あなたはなぜ原発作業員ではないのか?」
第十二回 『天罰~闇の仕分け人~』と「あなたはなぜ原発作業員ではないのか?」~表紙~
第十二回 『天罰~闇の仕分け人~』と「あなたはなぜ原発作業員ではないのか?」~G から U へ~
第十三回 『天×誅 THE MOVIE ~今宵、お前にXを~』と「よりぬきウマシカさん」
第十三回 『天×誅 THE MOVIE ~今宵、お前にXを~』と「よりぬきウマシカさん」~表紙~
第十三回 『天×誅 THE MOVIE ~今宵、お前にXを~』と「よりぬきウマシカさん」~G から U へ~
「はみだしウマシカさん」
第十四回 『雑味しんぼ』と連載休止
第十四回 『雑味しんぼ』と連載休止~表紙~
第十四回 『雑味しんぼ』と連載休止 ~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その2」
第十五回 『女のいない男たち』と2014 W杯
第十五回 『女のいない男たち』と2014 W杯~表紙~
第十五回 『女のいない男たち』と2014 W杯 ~U から Gへ~
第十五回 『女のいない男たち』と2014 W杯 ~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その3」
第十六回 『キュウソネコカミ』とみんな大好き陰謀論
第十六回 『キュウソネコカミ』とみんな大好き陰謀論~表紙~
第十六回 『キュウソネコカミ』とみんな大好き陰謀論~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その4」
第十七回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 前編
第十七回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 前編~表紙~
第十七回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 前編~G から Uへ~
第十八回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 後編
第十八回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 後編~表紙~
第十八回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 後編~U から Gへ~
第十八回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 後編~G から Uへ~
「はみだしUマシカさん その5」
第十九回 『殉愛(仮)』と雑パンⅢ世
第十九回 『殉愛(仮)』と雑パンⅢ世~表紙~
第十九回 『殉愛(仮)』と雑パンⅢ世(仮)~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その6」
第二十回 『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』と『さくら』 前編
第二十回 『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』と『さくら』 前編~表紙~
第二十回 『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』と『さくら』 前編~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その7」
第二十一回 『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』と「いじめられていたら、とにかく逃げなさい」 後編
第二十一回 『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』と「いじめられていたら、とにかく逃げなさい」 後編~表紙~
第二十一回 『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』と「いじめられていたら、とにかく逃げなさい」 後編~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その8」
第二十二回 『21世紀の資本』と「ヒバナの瞬き」
第二十二回 『21世紀の資本』と「ヒバナの瞬き」~表紙~
第二十二回 『21世紀の資本』と「ヒバナの瞬き」~U から Gへ~
第二十二回 『21世紀の資本』と「ヒバナの瞬き」~G から Uへ~
第二十三回 「うどんから目を離すな」と「ウマシカを好きだなんて貂犀かも」
第二十三回 「うどんから目を離すな」と「ウマシカを好きだなんて貂犀かも」~表紙~
第二十三回 「うどんから目を離すな」と「ウマシカを好きだなんて貂犀かも」~G から U へ~
第二十四回 『ヒストリエ』と「幻の巨人」
第二十四回 『ヒストリエ』と「幻の巨人」~表紙~
第二十四回 『ヒストリエ』と「幻の巨人」〜U から G へ~
第二十四回 『ヒストリエ』と「幻の巨人」〜G から U へ~
第二十五回 『Z』と『世界の半分を怒らせる』
第二十五回 『Z』と『世界の半分を怒らせる』~表紙~
第二十五回 『Z』と『世界の半分を怒らせる』~G から U へ~
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」~表紙~
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
別冊はみだしウマシカさん 番外編「私は思い出す」
第二十六回 『賢者の愛』と「ネトウハ♡」の逆襲
第二十六回 『賢者の愛』と「ネトウハ♡」の逆襲~表紙~
第二十六回 『賢者の愛』と「ネトウハ♡」の逆襲~G から U へ~
第虹十七回 『ドラえもん』と「うまうましかじか」
第虹十七回 『ドラえもん』と「うまうましかじか」~表紙~
第虹十七回 『ドラえもん』と「うまうましかじか」~U から Gへ~
第虹十七回 『ドラえもん』と「うまうましかじか」~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その9」
第二十八回 『ドンマイMYフレンド』と無評の評
第二十八回 『ドンマイMYフレンド』と無評の評〜表紙~
第二十八回 『ドンマイMYフレンド』と無評の評~G から Uへ~
第二十九回 『眼と精神』と山登り
第二十九回 『眼と精神』と山登り~表紙~
第二十九回 『眼と精神』と山登り~U から Gへ~
第二十九回 『眼と精神』と山登り~G から Uへ~
第三十回 『独立国家のつくりかた』とコピーロボット
第三十回 『独立国家のつくりかた』とコピーロボット~表紙~
第三十回 『独立国家のつくりかた』とコピーロボット~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その10」
第三十一回 『アイネクライネ』と台湾事情
第三十一回 『アイネクライネ』と台湾事情~表紙~
第三十一回 『アイネクライネ』と台湾事情~U から Gへ~
第三十一回 『アイネクライネ』と台湾事情~G から Uへ~
第三十二回 「恋する十四松」とM-1グランプリ
第三十二回 「恋する十四松」とM-1グランプリ~表紙~
第三十二回 「恋する十四松」とM-1グランプリ~G から Uへ~
第三十三回 『最低。』と最高。のあいだ
第三十三回 『最低。』と最高。のあいだ〜表紙~
第三十三回 『最低。』と最高。のあいだ~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その11」
第三十四回 『性の歴史』とお茶の間にある非日常
第三十四回 『性の歴史』とお茶の間にある非日常~表紙~
第三十四回 『性の歴史』とお茶の間にある非日常~U から G へ~
第三十四回 『性の歴史』とお茶の間にある非日常~G から Uへ~
第三十五回 『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』と「グラフィティGO」
第三十五回 『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』と「グラフィティGO」~表紙~
第三十五回 『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』と「グラフィティGO」~G から U へ~
第三十六回 『ニンジャスレイヤー』と「ブロークン・ハート」
第三十六回 『ニンジャスレイヤー』と「ブロークン・ハート」~表紙~
第三十六回 『ニンジャスレイヤー』と「ブロークン・ハート」~G から Uへ~
第三十七回 『アウター・ワールド』と妄想の「ドラゴンボールGO」
第三十七回 『アウター・ワールド』と妄想の「ドラゴンボールGO」~表紙~
第三十七回 『アウター・ワールド』と妄想の「ドラゴンボールGO」~G から Uへ~
「はみだしウマシカさん その12」
第三十八回 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と『アウター・ワールド』再び
第三十八回 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と『アウター・ワールド』再び~表紙~
第三十八回 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と『アウター・ワールド』再び~G から U へ~
「はみだしウマシカさん その13」
大THANK YOU回 『一齣漫画宣言』と『アウター・ワールド』三たび
大THANK YOU回 『一齣漫画宣言』と『アウター・ワールド』三たび~表紙~
大THANK YOU回 『一齣漫画宣言』と『アウター・ワールド』三たび~U から G へ~
大THANK YOU回 『一齣漫画宣言』と『アウター・ワールド』三たび~G から U へ~
第始終回『世界の終わりとカールスモーキー・ワンダーランド』
第始終回 『世界の終わりとカールスモーキー・ワンダーランド』〜表紙~
第始終回 『世界の終わりとカールスモーキー・ワンダーランド』~G から Uへ~
はみだしウマシカさん その14
第四十一回 間違った聖地巡礼と『この世界の片隅の職業としての小説家(仮)』
第四十一回 間違った聖地巡礼と『この世界の片隅の職業としての小説家(仮)』~表紙~
第四十一回 間違った聖地巡礼と『この世界の片隅の職業としての小説家(仮)』~G から U へ~
第四十二回 『初恋にさようなら』と新しい愛国教育
第四十二回 『初恋にさようなら』と新しい愛国教育~表紙~
第四十二回 『初恋にさようなら』と新しい愛国教育~G から U へ~
第四十三回 スノーデンと『Brothers - A Tale of Two Sons』
第四十三回 スノーデンと『Brothers - A Tale of Two Sons』~表紙~
第四十三回 スノーデンと『Brothers - A Tale of Two Sons』~U から G へ~
第四十三回 スノーデンと『Brothers - A Tale of Two Sons』~G から U へ~
第四十四回  『雑の名は●』と『人工知能の夢』
第四十四回 『雑の名は●』と『人工知能の夢』~表紙~
第四十四回 『雑の名は●』と『人工知能の夢』~G から U へ~
はみだしウマシカさん その15
第四十五回  『雑の名は●2』とロケットパンチ
第四十五回  『雑の名は●2』とロケットパンチ~表紙~
第四十五回 『雑の名は●2』とロケットパンチ~U から G へ~
第四十五回 『雑の名は●2』とロケットパンチ~G から U へ~
第四十六回  『文学部唯野教授』と信派の自由
第四十六回 『文学部唯野教授』と信派の自由~表紙~
第四十六回 『文学部唯野教授』と信派の自由〜G から U へ~
第四十七回 『先ず隗より始めよ』と読解力
第四十七回 『先ず隗より始めよ』と読解力~ 表紙~
第四十七回 『先ず隗より始めよ』と読解力~G から U へ~
はみだしウマシカさん その16
第四十罰回 平成の終焉と『ラリパッパブルース』
第四十罰回 平成の終焉と『ラリパッパブルース』~表紙~
第四十罰回 平成の終焉と『ラリパッパブルース』~U から G へ~
第四十罰回 平成の終焉と『ラリパッパブルース』~G から U へ~
はみだしウマシカさん その17
第至急回 花粉症と『フクロウの声が聞こえる』
第至急回 花粉症と『フクロウの声が聞こえる』~表紙~
第至急回 花粉症と『フクロウの声が聞こえる』~U から G へ~
第至急回 花粉症と『フクロウの声が聞こえる』~G から U へ~
第至急回 花粉症と『フクロウの声が聞こえる』~Uメンバーから Gメンバーへ~
第至急回 花粉症と『フクロウの声が聞こえる』~Gメンバーから Uメンバーへ~
考るうウマシカ番外編~第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~
第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~表紙~
第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~G から K へ~
『月曜日の憂鬱』
第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~G から K へ~
第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~K から G へ~
第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~G から K へ~
第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~K から G へ~
はみだしウマシカさん その18
第五十一回 『DEVILMAN crybaby』と『人工知能の夢』再び
第五十一回 『DEVILMAN crybaby』と『人工知能の夢』再び~表紙~
第五十一回 『DEVILMAN crybaby』と『人工知能の夢』再び~G から U へ~
はみだしウマシカさん その19
第五十二回 「負けない死に方」と『僕は頑張るよっ』
第五十二回 「負けない死に方」と『僕は頑張るよっ』〜表紙~
第五十二回 「負けない死に方」と『僕は頑張るよっ』〜G から U へ~
第誤算回 『使命』と「ナンシー席が空いてますけど、何か?」
第誤算回 『使命』と「ナンシー席が空いてますけど、何か?」~表紙~
第誤算回 『使命』と「ナンシー席が空いてますけど、何か?」~G から U へ~
第五十四回 『メロン牧場』とつまらない
第五十四回 『メロン牧場』とつまらない~表紙~
第五十四回 『メロン牧場』とつまらない~G から U へ~
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〜まえがき〜

 人間は考える葦である、と昔の人は言った。

 しかし残念ながら私は、葦のことをよく知らない。形とか、何科なのかとか。そもそもパスカルって誰? ん、ルソーじゃないよね? って誰に聞いてんの、自分。

 そんな葦以下の、どこの馬の骨とも鹿の骨とも知れない私(G)と友人(U)が合わさって、馬鹿な考えを披露する。とりあえずは自分自身の思考世界を拡げるために。

 上手くいけばあなたの視界も少しくらいは開けるかもしれない、と願って。

 

 我々は、考えるウマとシカである。

 

「お金と感情と公平さを等価に」がモットー

Ⓒウマシカ制作委員会

 


〜目次〜

~第一回 『1Q84』とクラウド~
 幕開けはレビューの応酬から。(2013年1月頃)
~第二回 『1Q84』と丸刈りの誕生~
 どうでもいい発想をいくつか。とんでもない妄想は一旦おあずけで。(2013年2月頃)
~第三回 『監獄の誕生』と丸刈りの消失~
 とんでもない妄想、できました。(2013年2月頃)
~第四回と第五回セット 『恋する原発2』と『1Q84』再び~
 攻守のバランスにご期待ください。(2013年3月頃)
~第六回 『55歳からのハローライフ』と、彼と巡礼と帯~
 帯、はじめました。(2013年4月頃)
~第七回 『Nウェイの森』(KOW版)と、『フィンランドの駅』~
 北欧のウマシカです。(2013年4月頃)
~第八回 『想像ラジオ』と斬新な王道~
 末広がってもいいですか?(2013年7月頃)
~第急回 『風立ちぬ』と紅白歌合戦~
 空メール編に突入です。(2014年1月頃)
~第十回 『天誅~闇の仕置き人~』とキス我慢選手権~
 ご一緒に握り飯もいかがですか? (2014年2月頃)
~第十一回 『帝都物語』とオリンピック憲章~
 五輪だけがオリンピックじゃない。(2014年2月頃)
~第十二回 『天罰~闇の仕分け人~』と「あなたはなぜ原発作業員ではないのか?」~
 ことここに極まられるり。(2014年3月頃)
~第十三回『天×誅 THE MOVIE ~今宵、お前にXを~』と「よりぬきウマシカさん」~
 天誅先生、ありがとう!(2014年5月頃)
~第十四回『雑味しんぼ』と連載休止~
 食べ残しがないように。(2014年5月頃)
~第十五回 『女のいない男たち』と2014 W杯~
 久々のウマとシカです。(2014年6月頃)
~第十六回 『キュウソネコカミ』とみんな大好き陰謀論~
 ネコとネズミとウマとシカです。(2014年9月頃)
~第十七回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 前編~
 後編に乞うご期待!(2014年11月頃)
~第十八回 『寄生獣』と「ネトウハ♡」とは何か? 後編~
 前編がおススメです! (2014年11月頃)

~第十九回 『殉愛(仮)』と雑パンⅢ世~
 これは国語の問題です。 (2014年12月頃)

~第二十回 『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』と『さくら』前編~

 クソ食うハエも好きずきです。(2015年3月頃)

~第二十一回 『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』と「いじめられていたら、とにかく逃げなさい」 後編~
 覚えられるようなアレじゃありません。(2015年3月頃)

~第二十二回 『21世紀の資本』と「ヒバナの瞬き」~
 自称、ウマシカの王です。(2015年4月頃)

~第二十三回 「うどんから目を離すな」と「ウマシカを好きだなんて貂犀かも」~
 若干やっつけウマシカです。(2015年6月頃)

~第二十四回 『ヒストリエ』と「幻の巨人」~
 進撃のウマシカです。 。(2015年6月頃)

~第二十五回 『Z』と『世界の半分を怒らせる』~
 別冊の紹介です。(2015年6月頃)

~別冊よりぬきウマシカさん 番外編「私は思い出す」~

 考えるウマシカ 第二十五回より 。(2015年6月頃)

~第二十六回 『賢者の愛』と「ネトウハ♡」の逆襲~
 世界のほとんどに嫌われる、妄想の四面楚歌です。(2015年8月頃)

~第虹十七回 『ドラえもん』と「うまうましかじか」~
 ウマシカ色の、虹の懸け橋。(2015年9月頃)

~第二十八回 『ドンマイMYフレンド』と無評の評~
 ムヒョ~のヒョ~くらいの温度です、実際は。(2015年11月頃)

~第二十九回 『眼と精神』と山登り~
 みんな、オラに文才を分けてくれるような可能性なり玉がもしオラにあるとすれば、分けてもらえたらもちろんオラ大いに助かりますという意味も含めての。(2015年12月頃)

~第三十回 『独立国家のつくりかた』とコピーロボット~
 厚顔無恥では負けたくない。(2016年1月頃)

~第三十一回 『アイネクライネ』と台湾事情~
 無事で何より。あと見ないふり。(2016年2月頃)

~第三十二回 「恋する十四松」とM-1グランプリ~
 タイトルにするほどアレじゃなくてアレですが。(2016年3月頃)

~第三十三回 『最低。』と最高。のあいだ~
 やっと逢えたね、っ、て。(2016年4月頃)

~第三十四回 『性の歴史』とお茶の間の非日常~
 非日常という名のお色気番組。 (2016年5月頃)

~第三十五回 『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』と「グラフィティGO」~
「キン消しGO」はちょっと探しづらい。(2016年7月頃)

~第三十六回 『ニンジャスレイヤー』と「ブロークン・ハート」~
 やっつけくらいでむしろいい。(2016年8月頃)

~第三十七回 『アウターワールド』と妄想の「ドラゴンボールGO」~
 バカ檬、リリースだぜ!(2016年8月頃)

~第三十八回 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と『アウター・ワールド』再び~
 終戦がらみで思い切って。(2016年8月頃)

~大THANK YOU回  『一齣漫画宣言』と『アウター・ワールド』三たび~
 でっかい感謝です。(2016年9月頃)

~第始終回『世界の終わりとカールスモーキー・ワンダーランド』~
 軽く煙に巻く感じで。(2016年11月頃)

~第四十一回 間違った聖地巡礼と『この世界の片隅の職業としての小説家(仮)』~
 この世界の片隅の職業としてのウマシカ(仮)です。(2016年12月頃)

~第四十二回 『初恋にさようなら』と新しい愛国教育~
 愛国にこんにちわ。(2017年3月頃)

~第四十三回 スノーデンと『Brothers - A Tale of Two Sons』~
 思った以上にふるいます。(2017年5月頃)。

~第四十四回 『雑の名は●』と『人工知能の夢』~
 自分、雑食系ですから。(2018年1月頃)

~第四十五回 『雑の名は●2』とロケットパンチ~
 生きることは戦いです。(2018年1月頃)

~第四十六回 『文学部唯野教授』と信派の自由~
 21世紀のウマシカです。(2018年2月頃)

~第四十七回 『先ず隗より始めよ』と読解力~
 烈火の塊です。(2018年3月頃)

~第四十罰回 平成の終焉と『ラリパッパブルース』~
「ひふみよいむなやんで言葉は枯れ散るらん」です。(2018年4月頃)

~第至急回 花粉症と『フクロウの声が聞こえる』~
 異物を楽しむウマシカです。(2018年4月頃)

考るうウマシカ番外編

~第五十回 『月曜日の憂鬱』と『初恋にさようなら』再び~
 記念回です。(2018年8月頃)

~第五十一回 『DEVILMAN crybaby』と『人工知能の夢』再び~
 ピラミッド、下から見上げるか? 上から見下ろすか?(2018年10月頃)

~第五十二回 「負けない死に方」と『僕は頑張るよっ』~
 言うはやすしきよしの回です。(2018年10月頃)

~第誤算回 『使命』と「ナンシー席が空いてますけど、何か?」~
 たとえ干されても、干し肉もまた滋味深いウマシカです。(2019年3月頃)

~第五十四回~『メロン牧場』とつまらない~
 元祖ウマとシカの放し飼い牧場。(2019年3月頃)


第一回 『1Q84』とクラウド ~G から Uへ~

 まず、ネットでも指摘がいくつかあったんだけど、村上春樹『1Q84』と、押井守監督のアニメ映画『うる星やつら~ビューティフルドリーマー~』が冒頭とラスト、かなり一緒だったという指摘から始めたい。しかも『うる星』の上映は1984年、まあこれは偶然だと思うけど。

 ただし、『1Q84』が全体通してわかりやすく説明されていたのに対し、『うる星』の方は何回か意識して観ないとオチの仕込みに気づかない。でも、それが押井映画の良い所であり、初期の春樹もそういう隠し玉タイプの作家だったと思うんだけど、最近はどんどんわかりやすくなってる。もちろん、豊富な読書量と知識量は健在だから、引用文献を読み直さないと理解の取りこぼしはたくさんあるだろうけど、少なくとも『羊をめぐる冒険』の頃と比べたらだいぶ理解されやすい物語だと思う。

 

 とりあえず、今までの春樹作品をまとめて再構築した感じを受けた。たとえば、「リーダー 対 リトル・ピープル」の関係は、『羊をめぐる冒険』の「黒幕的存在 対 羊」の関係とほぼ同等だし、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の「やみくろ」も思い出す。また、エピソードの真相を明かさない点は、短編集『神の子どもたちはみな踊る』でも同様で、「言葉は石になる」という象徴的なセリフもあり、そこでも多くは語られない。さらに同じ短編集の「蜂蜜パイ」を引き継いだ物語だとも思う。他にも、宗教を扱っている点では、『アンダーグラウンド』での聞き取りが消化されて物語に強く出たのだと思うし、二人称で「あなた」と語りかける部分は、『アフターダーク』を思い出した。意図的に過去作の要素を詰め込んで、「初心者でも始められる春樹入門」にわざわざしたっぽいと感じた。

「わかりにくい物は排除される」時代の流れに迎合してんのかどうなのか。単に年齢を重ねることで丸くなり、若い読者にも本を読んでほしい的な老婆心なのか、それとも俺の見立てがまったくの見当はずれなのか。わかんないけどね。

 

 ところで、俺はそもそも、謎解きへの興味というものが薄い。謎がわかったところで現実とは関係ないし、読者が自分で結論を出せばいいと思うから。書評やらいろいろ出てるけど、無粋だと思うね、俺は。ただ、「リトル・ピープル」や「空気さなぎ」について自分の考えを書くことが、読む人にとって俺自身の値打ちを判断する一つの材料になると思うから、公平さという観点からあえて展開してみようと思う。

「リトル・ピープル」ってのは、『1984』に出てくる「ビッグ・ブラザー」って存在に対応する物だ。その名の通り小さく、人数が増えたり減ったりする。

 これにはいくつかの仮説が立てられると思う。たとえばわかりやすいのは、いわゆる「ビッグ・ブラザー」的な父性の支配から、「リトル・ピープル」的な母性の支配へ、という例の流れ。あからさまな暴力や権力を持ち出す父的な支配ではなく、より民主化されたと見せかけて、それと気づかない内に取り込まれる母親的な「空気」の支配。よく文化人とかが言いそうな話だけど。「空気」だからこそ、形も数も変えられる「リトル・ピープル」という存在となじみがいい。さらに「空気さなぎ」という言葉も、繭、ネット、網というイメージとなじみがいい。文字通り「空気」が支配する網は、インターネットなど見えない無数の糸によって編まれている。現在はびこっているインターネットの萌芽が、1984年にあったのかもしれない。(ちなみに、クラウドって俺は全然知らないんだけど、「空気さなぎ」とここら辺でつながりそう? 雲と「空気さなぎ」って近いっちゃ近くない? どっちも見えないラインをつないで形成される感じとか。ちょっと無理にでもつなげてみてくんない? 無茶ぶりすぎ?)

 また、他の考え方で言うなら、世界を動かすような支配者層が「ビッグ・ブラザー」のような大きい規模の少数な存在から、「リトル・ピープル」というある程度小さい規模の多数の存在に変わっている、ということもいえるのかもしれない。民主化の流れの中で、世界を動かす財閥やら何やらの支配層も、権力をある程度は広く分配する構造が生まれたというような。

 または、春樹自身はインタビューで、森の精的な発言をしてるみたいだから、単に人の心に巣食う妖怪ってことかもしれん。

 

 でもここまで書いてみて、解釈はどんな場合でも各読者に委ねられるべきだし、いちいち他人に伝達する必要はないな、と改めて思った。国語のテストじゃあるまいし。

「リトル・ピープル」や「空気さなぎ」が何なのか、それぞれが考えて自分の結論に辿り着くこと。それが何であれ、そこがどこであれ、自分が決めた選択を受け入れること。これ、そのまま『1Q84』のラストシーンにもつながるしね。まとめとして綺麗じゃね?

 だから、俺が第一回目に『1Q84』を持ってきたのは、解釈をどうこう言いたいためじゃない。それよりも、この小説中でもっとも俺の目を引いた文章について、今後それがどう受け止められて、どう動いていくのかが気になったから。以下にその部分を引用してみる。

 

「何があっても、どんなことをしても、私の力でそれを本物にしなくてはならない。いや、私と天吾くんとの二人の力で、それを本物にしなくてはならない。私たちは集められるだけの力を集めて、ひとつに合わせなくてはならない。私たち二人のためにも、そしてこの小さなもののためにも。」(1Q84 BOOK3〈10月-12月〉P588)

 

「集められるだけの力を集めて、ひとつに合わせなくてはならない」って、たとえば不特定多数にデモ運動を呼びかける言葉としても使える物だ。ここでの「私たち」は「青豆+天吾」、さらにこの後「天吾と私とこの小さなものの三人で」って箇所もあるから、「私たち=天吾+青豆(+小さなもの)」って解釈でいいんだろう。その「私たち」のために集める力とは何の、誰の力なのか。元々春樹は、親や親戚との付き合いも夫婦揃ってほとんどない、夫婦の力だけでやっていく、というスタンスだったから、家族という最小単位で力を合わせようって意味はあると思う。ただ、それだけじゃない気もする。

 たとえば、「小さなもの」ってのは決して子供って意味に限定されない。はっきり受精してないのに妊娠してる設定だから、本当に青豆のお腹に人間の子供がいるかは断定できない。そう考えると「小さなもの」っていうのは、もしかしたら個人の誇りとか、あるいは春樹自身の作品とか(子供のいない春樹には作品が子供的存在なのかも)、そして作品を通しての作家と読者のつながりを指すとしても、あんまりおかしくないかもしれない。さらに「小さなもの」と「リトル・ピープル」は、同じ「小」でも、意味的に対を成す言葉だろうな、と思う。「小さなもの」はお腹の中で固定されてる、弱い守るべき存在。「リトル・ピープル」は神出鬼没で自由に世界を侵食できる、むしろ私たちを脅かす存在。弱い「小さなもの」を含めた「私たち」のために、「私たち」同士が集まって力をひとつにする=連帯することで「小さなもの」を「リトル・ピープル」から守ること。少し前から春樹はネットで読者とコミュニケーションしてるエッセイを何冊か出してるから、連帯というキーワードを今作に含める意味はあると俺は思う。

 ただし、「小さなもの」にいろんな意味を込める解釈の難点はやっぱ、最後に「三人で」って人として数えてる点だね。「小さなもの」を人数にしちゃってるってことは、やっぱ子供のことを指すんだろうな。「天吾と私と小さなもの、三つの力で」くらいにしとけば後々ぼやけたのに。これ、春樹的にはちょっと失敗って気がしない? や、現代の文豪に対してやっぱ不遜かね?

 

 さてここで話題転換、春樹は震災後、イスラエルだかの受賞スピーチで、原発とか震災とか戦争について発言してるよね。 春樹は、俺の印象では、文壇て呼ばれるような集団とは距離を置き、自分の書きたいことを書きたい様に書いて、『ノルウェイの森』がたまたま大ベストセラーになって、業界のメインストリームに半ば無理やり担ぎ上げられたタイプの作家だと思っている。『ウォーク・ドント・ラン』って村上龍との対談本でも、「宣伝されて一気に売れるってのがどういうことなのか、春樹さんも一度体験したほうがいい」って趣旨のことを龍に言われてて、その後『ノルウェイの森』で売れることを体験した春樹自身が、エッセイの中でその言葉を振り返ってたと思う。大きな宣伝されて、恐ろしく売れる本を書くことへの違和感、的な感じで。元々、十人に一人が気に入ればいいって言ってるし。

 学生時代はノンポリで当時デモに冷め切ってたってのは、いろんなところで書いてるけど、それでも東日本大震災の前に、デモの呼びかけと取られてもおかしくない言葉を書いたということ。そしてあのスピーチ。今後世界と春樹がどこへ向かうのか。世間がどう受け止めて、全体としてどう動くのか。または春樹的な文化が人心に働くのか。興味ある。

 俺なんて、一連の震災を身近で体験してはじめて、やっと世間に対して呼びかける意味みたいなことを考えるようになったのに。さすが春樹。しかもこういうスタンスに傾いてたからこそ、最近の作品がどんどんわかりやすく、理解されやすい物になってんのかもなって思った。とはいえ個人的には、説明の少ない、理解しづらい作品の方が好きなんだけど。まぁ仕方ない。

 とりあえず以上、どうかな?


第一回 『1Q84』とクラウド ~U から Gへ~

拡散する「1Q84」と収束する「1Q84」

 

 まずはノーベル文学賞、受賞できなくて残念だったね。村上春樹の「代わり」って言ったら失礼だけど、受賞したのは、中国の解放運動家みたいな人だったよね。 政治的な力が働いているとかいろいろ言われているけど。

 自分の目で見てきたんだけど、その中国では春樹がかなり人気なんだよね。ノーベル賞の受賞者は有名なのかはさっぱりわからないけど。北京や上海、広州の本屋では当たり前に『1Q84』が平積みされていたのを見かけたよ。

 あと去年は、イスラム圏、とは言ってもかなりゆるいイスラム圏だが、のトルコのイスタンブールの本屋でも見かけたし、そこから北上してセルビア、つまり元共産圏(とは言っても、以下略)、のベオグラードの本屋では「村上春樹」コーナーが作られていたのを見かけたよ(こっそり写真とってくれば良かった)。

 僕から見れば、言わば中国も含めて「少し体制的な」これらの国々で、『1Q84』が普通に売られていることに違和感があった。ごく普通に見える本屋さんなんだけど、運動家が草の根的に地下活動している訳でもないし、学生のバイトの店員さんが革命前夜的なハラハラ感をもって働いているわけでもないから、やっぱりごく普通の本屋さんなんだろうね。

 要するに『1Q84』はいろんな国で、人民を煽動したり、反体制的感情をいたずらに刺激することは無いごくごく安全で平和な「文芸書」って認められているみたいなんだ。でもやっぱり、僕は『1Q84』には反体制的な力がある気がする。春樹の言葉を借りれば、壁に向かって投げられる卵の一つなんだと思っている。

 

 さて、『1Q84』がこれだけ世界中の人に愛される理由の一つに、「おしゃれな恋愛物語」だからということがあるって断言しても間違いじゃないと思う。『ノルウェイの森』が大ヒットしたのと同じような理由で、この『1Q84』も大ヒットしたんじゃないかな。

 登場人物たちは、みんながみんな、「うんざりするほど」洗練された仕草や言葉を使いこなし、教養があり、頭の回転も速い。しがない塾講師で貧乏な設定だっただろう天吾も貧乏臭さはみじんも感じられない。男の一番の魅力は経済力かもしれないからね。青豆の容姿も、左右の耳の大きさが著しく異なって不格好で、顔が強烈に歪むことがあるけど、それぞれ髪の毛と強靭な精神力によって表に出ることがなく、それなりの美人というふうに描かれているね。

 ありふれた普通の男女のフリをした、リア充(笑)の美男美女の洗練された恋愛物語はそりゃ面白いし人気が出るだろう。そんなこんなで、言語の壁を越えて世界中に拡散された恋愛小説だが、もしそこに反体制的な「種(あるいは卵?)」が忍び込んでいたとしたら政治的にはすごいことになるよね。

 

 ところで、Gの言う、押井守監督のアニメ映画『うる星やつら~ビューティフルドリーマー~』とかなり一緒だという指摘がネットであるということについて、ちょっと検索してみたけど、見つからなかったよ。ネット上で過去の誰か、あるいは「名無しさん」がつぶやくなり、書き込むなりして、「いいね!」とか、「ググれカス!」とかで、ちょっと盛り上がって感じなのかな?

「うる星〜」って、昭和的な安アパートにヒョウ柄の水着を着た巨乳のお姉ちゃんが天から舞い降りてきて、お宅っぽい主人公と恋愛感情と友情が混じり合ったドタバタ劇を繰り広げるってイメージなんだけど、それでオッケー? 映画版とかまったく知らないんだけど、想像するに『1Q84』の冒頭と終わりに共通点があるってことは、その映画もパラレルワールドだってことなんだろうかね。

 

『1Q84』の冒頭はすごいね。春樹ワールドの真骨頂だと思うんだが、あっちの世界とこっちの世界の境界線の描き方が絶妙で上手いんだよね。

 あっちの世界の手前まで青豆を導いたのかわからないけど、あの不吉で不気味なタクシーや首都高の非常階段、そんなものが1984年の東京にあったのかどうか、ギリギリのラインだと思う。「これから普通でないことするので、物事が普通でなく見えるかもしれない」とタクシー運転手が青豆に言うが、別次元からきた案内人がなんらかの理由で暗示的に言うしかなかったのか、ただの寂しいオヤジの上から目線の戯言か、ってところが絶妙だよね。そして同時に、われわれ読者もまたパラレルワールドに引き込まれるというわけだ。

 青豆は別世界に踏み込んで月が2つに見えるようになったけれど、天吾との2つのストーリーは、はじめは相互に関連性が無く、無限に離れた場所にあるよね。それが、時間的にも空間的にも一点に収束していくけれども、それは偶然かもしれないし、2つの月の引力の力かもしれないし、惹かれ合う男女の想う力なのかもしれないし、ストーリーの構成の力なのかもしれないし。いずれにせよ「運命」を感じさせて、とってもロマンチックで美しいと感じさせるんだ。村上春樹の小説はおしゃれだ。

 

 そうそう、今回のテーマはクラウド? ちょっと行き違いがあって、僕はそれをテーマにするつもりはなかったんだけど、関連して、言いたいことは一応あるんだ。

 あのアップルの故スティーブジョブスもジョージオーウェルの『1984』をオマージュにして、まさに1984年にCMを作らせているんだ。もう一つの1984年はIBMが支配する世界でさ、絶望的に体制的で支配的な世界みたいなんだけど、それを破壊するっていうかっこいいCMなんだよね。

 あれから20年近くたったけど、今じゃあ僕はアップルのiCloudに支配されている気がしてならない(笑)。体制を壊す側も、結局は体制側になってしまうのは避けられないのかもね。

 ちょっと今日はここまでにしておくよ。僕の『1Q84』の感想文は、まだ2つの月が重なっていない状態だから、また時間ができたら書くよ。

 次はビッグ・ブラザーとリトル・ピープルについて触れると思う。


第二回 『1Q84』と丸刈りの誕生 ~G から Uへ~

 Uの次回が楽しみだ。

 春樹の受賞は個人的にはどうでもいいと思ってんだけど。取ろうが取るまいが、作品の内容や価値が変わるわけじゃなし。ただ、春樹にとってやっぱ作品は子供みたいな物で、賞を取ったら嬉しいんだろうな、とは思う。いっつも拒まないもんね。

 

 あと、俺はおしゃれはもういいや派です。おしゃれさが文化の拡散にとって重要だろうとは思うけど。例の「流行は軽くなる」の流れだよね。当然、おしゃれなほうが人は惹かれるから。確かに、春樹が仕掛けたおしゃれ爆弾が世界各地で時間差炸裂する様は空想すると素敵な光景かもしんない。でも、俺はむしろ『1Q84』のおしゃれさは流した派だよ。そのせいで距離ができたってくらい。俺は、『神の子どもたちはみな踊る』。あのくらい地味な方が好き。

 

『うる星』のイメージは大体O.K。一軒家だけどおおむね合ってる。ただしマンガ版の話ね。押井監督のアニメ版は押井流に作品をねじ曲げたりいじり倒してて、その中でもイナバウアーばりにソリ具合が見事だったのが、例の作品。そもそも、『1Q84』と同じ仕掛けがあるって、Wikiがない当時は気づかない人も多かったはず。

 

『1Q84』もタイガーが右か左か、もし何の説明もなかったらただの誤植と思われちゃうかもしれない。でも、あえて説明されない物を読み解く読解力こそが文化の醍醐味だと俺は思うんだけどね(待てよ。タイガー、って虎縞。ってことは虎縞ビキニ? もしや、ラ…? …まさか、ねえ)。たとえば『寄生獣』で、ミギーに感情が芽生えてる事実はほのめかされるだけで明言されず、終盤で一気にたたみ掛ける演出。身の安全を確保するためには誰にも明かすことができなかった、それで読者にさえ隠してたんだっていう。ネ申だね。

 

 話がネ申方向に逸れた。 

 逸れついでにいうと、『1Q84』はパラレルワールドじゃないって文中で否定されてて、世界は一つしかない、ただ逸れてるだけ、逸れながら進んでるって感じだと思う。あと天吾がいつ月が二つある世界に移ったかは明言されてないんだよね。まぁ、読者も含めたバラバラの世界が一つに引っぱられる描写は見事だし、パラレルであろうがなかろうが大体一緒だと思う。引っパラレルワールドだな。これいける? 今からでもコピーに使ってもらえるかな。「1Q84年。引っパラレルワールドへようこそ」的な。緑と赤地の上に金文字で。

 

 話が引っパラレル方向に逸れた。まあいいや。もっと逸れついでに、てか一気に逸らすけど、新しいサイトの案を考えた。『1Q84』も「力を集めて」だし、ツイッターとか世界は繋がる方向へ進んでるけど、過度に繋がりすぎて飽きたら、一旦立ち止まる方向にも進むと思う。そのときに、そこまで繋がりたくはないんだけど、でも繋がっていたい、と思えるようなサイトがあればいんじゃないかと。

 

 題して、「空に宛てた手紙」。 

 たとえば、フェイスブックやらで昔の恋人と会って云々とかあるらしいけど、そこまでじゃない、連絡取りたい訳じゃないし、そもそも今どうしてるか知りたいって程でもない。

 でも、何らかの想いがあって、それを誰かに伝えたい。本人に直接届いてもいいけど、別に届かなくてもいい。または、想いを表に出すことで、実際の告白に踏み切れるかもしれない。

 そこで恋文部門、手紙部門と二つあって、手紙部門は、友達や家族、故人とかに宛てて手紙を書ける。

 そうやってみんなが書いた手紙をおしゃれなデザインで掲載する。誰でも閲覧可能。本人に届くかもしれないし、届かないかもしれない。目的はそれを読んで、どきっとする人、ほっとする人、いろいろな想いを抱くこと。俺自身、そのくらいなら書きたいことがあるような気がする。

 更に詳細を書くと、気に入ったら「いいね」みたいに、「届け!」切手(スタンプ)を送ることでポイントが加算されて、ポイントの高い人気ある手紙は、どんどん上位にランクしていく。

 ただ、手紙は通常一ヶ月くらいで整理されてタンスにしまわれるので、一ヶ月過ぎたものはランクから外されていく。もちろん、検索で過去の手紙も探すことができる。新着順とかでも見ることは可能。

 読んで良かった手紙には、返信を送ることができる。返信者は受取人、差出人の二種類から自分の立場を選んで入力する。本当の受取人(想われ人)が「自分です」って名乗ったり、あるかもしれない。

 ただ、誰でも作成、返信できるわけじゃなく、手紙の差出人、受取人は登録必須にする。メアドとか簡単な登録で、基本匿名、基本無料でできればいいと思う。

 また、差出人が手紙のURLを誰にでも送れる機能も付ける。例えばラジオのDJにオンエアーで告白を頼む感じで、自分が書いた手紙のURLを相手に直接送ることもできる。

 任意で情報を入力する項目もある。あなた/相手のイニシャル、今のあなたの年代、出会った当時の年代、あなた/相手 の好きな 本/映画/音楽/趣味、出会った場所、○県○市、が入力できる。

 絶対守るルールは、個人情報保護。当人以外で、簡単に個人を特定できるような内容は書かない。また、感謝の手紙であること。恨み言、悪口にならないように。内容によっては、管理者が独断で削除できる。

 どうかな? たとえ既存であったとしても、新しくやったらおもしろいと思うんだけど。他人の手紙とか読んだら面白そう。バレンタインにちなんでる訳でもないんだけど。

 あとこれ、『1Q84』の内容にもちょっとかぶるよね。何年も会ってない人たちの世界が、逸れてるようで繋がってない? さすが春樹。収斂されたわ。

 

 ところで、次は体罰について書こうと思ってたんだけど、アイドルが丸刈りにしてネット動画で謝罪ってアレ、本当に胸クソ悪い体罰だと俺は思う。たとえ坊主にしたのは独断だったとしても(その後公式な弁解読んだら、スタッフは止めはしたけど結局傍観してたって話。無力かお前らは)、公式チャンネルでの放送には大人のスタッフが関わってることを認めてる。つまり周囲の大人が若い女の丸坊主涙謝罪にGOサイン出して撮影してるってことだ(そしてこの体罰は、動画や画像を観た世界中の人々を加害者に仕立てあげることで完成した。まるで映画の『セブン』みたいに)。 

 良識ある大人なら謝罪放送でさらし者にせず、坊主にしたのは隠してカツラかぶせて、とりあえず脱退、数年後に髪が伸びたら、「実はあのとき、彼女は坊主にした」って明かしてグループに戻す、とかにすればいい。大人がカツラかぶった彼女と一緒に登場して代理で謝るんでもいい。この映像はショッキングなため、ファンの方だけご覧ください的な警告を付けるんでもいい。俺みたいな単に不快を感じた一般人に対して、今からでも何か言うべきだ。

 思い出したのは、他人の謝罪場面に偶然出くわしたときの居心地の悪さ。例えば電車の遅延で駅員に怒鳴るおっさん、わざと周りに聞こえるように大声で罵倒して、仕方なく謝罪する駅員見て、俺はすごい嫌な気分になる。アレの数倍、気分が悪くなった。

 大体、ちょっと確認したいんだけど、彼女、「メンバーやファンのみなさん、スタッフさん、家族、たくさんのみなさま」に向かって謝ってるみたいだけど、その中に俺は含まれてないよね。俺はあのグループに関して一銭も金を落としてない部外者だ。もし彼女がそんな俺も含めた「みなさま」に謝ってるつもりなら、俺は絶対に許さない。

 だって女性を丸坊主にして泣かせて謝罪させる「みなさま」って、人間として最低だろう。街中でそんな光景に出くわしたら「みなさま」のほうが完全に悪人、下手したら通報されるよ。

 

 どうかしてる、本当に。この国の空気がそれを許してしまってるのなら、本当に醜いことだと思う。それこそ大阪の体罰の件じゃないけど、この際行政が介入して、あのグループの放送を一旦中止すればいいんじゃないだろうか。それから視聴者はテレビの中の人に過度な期待を抱くのはもうやめるべきだ。そういう時代じゃない。 

 でもきっとああいうのが面白いと思う人々もたくさんいるんだろう。俺にとっていくら悪趣味だと思える物でも娯楽になるし、金が動くから回り続ける。まだまだ今後もこういう失望感を味わうんだって覚悟は必要だな。ここはそういう場所なんだ。

 気が滅入るけど、次回はそこらへんをテーマに書いてみたい。

 今回はこんな感じ。どうかな?



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