孤独
孤独なら傷つかない 孤独なら嘘はない
だけど 孤独だと笑えない
寂しくて 侘びしい
誰かを愛すれば それだけ苦しみが募る
誰かを憎めば 己までも憎くなる
人は変わってしまうものなのか 時に運ばれて
人は変わってしまうものなのか 周りに流されて
信ずる者は きっと 裏切られる
誰かを疑えば 疑わしい己に出逢う
(1992)
如月の海
夜明け前の砂浜に二人佇む
打ち寄せる高波 二人を象徴する様
如月 海は寒い 風も冷たい
躰を寄せあう二人
人生ほど儘ならない 皮肉なものはないよね
蒼白い月明かりに海は紫
遥かな水平線 二人を象徴する様
二人は歩きはじめた 足跡がつく
東の空が霞みはじめた
人生ほど儘ならない 皮肉なものはないよね
(1992)
硝子細工
硝子細工 墜ちて毀れた 破片は粉雪
二人の愛 傷つけあって 終わり告げた
風に桜が散りゆくように 椿墜ちるように
硝子細工 美しくも脆い 破片は粉雪
二人の愛 硝子細工に似ている 切なく、儚い
やがて氷が融けるように 形あるもの皆、毀れてゆく
二人の愛は硝子細工
(1992)