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朽ちたる樹

お前の望むような形を与えることができなかった
こんなにも愛していたというのに
何故そんなに憎しみを募らせるまで俺といたの
独りが怖かっただけ?

貴方からは愛が伝わってこない そう云い遺し
朝の光が爆ぜる扉に消えた

だから俺は唱うのさ こんなブルースを
温々と育ってきたお嬢様には解らないだろう
だから俺は 誰も見向きもしないステージで
お前は無邪気に他人を傷つけて、自覚もない

俺たちの終わりは惨憺たるものだった
契り 反故にして 罵りあった
お前のしがみつきが いつか 愛のようにおもえた
でも 実は俺じゃなくてもよかったんだな

じぶんだけが苦しんできたなんて 正気かよ
呑気も度が過ぎれば不愉快だ

無駄になっちまったエンゲージリング
過去に放り投げ ひとつ溜息をついた
だから俺は唱うのさ こんなブルースを
かつて二人で育てた朽ちたる樹を弔うために

喪うことを怖れた余り それが現実のものとなった
血に濡れたknife握り締めた俺を安堵感が抱きとめた
(2003-08-11)

10
最終更新日 : 2013-01-27 00:23:58

rebirth

忘れかけていた飢餓感
旧友との再会よろしく 憎まれ口叩いた
俺を柔らかにくるんでいた空気は
俄に尖り 容赦なく 衝き刺してくる

何一つ 壊れないものなんてなかった
解ってはいたけれど 堪らない

carry on 独りごちて 運命と揉みあう
生命の命ずるままに 身構える
I never wanna die. ドラマは終わらない
生命の命ずるままに 身構える

虚無や冷笑は疎ましい
此処は深淵だと いい加減 気づけよ
思えば幾つもの奇蹟が起こった
生きてゆくにはそれで充分だろう

喪う恐ろしさに立ち向かわなければ
もう親愛なる者を離したくない
(2003-08-01)

11
最終更新日 : 2013-01-27 00:24:13

Babel

初出: 2008-08-24

渇愛

孤独だとおもいしらされ 安らかな死を希む夜更け
出鱈目なおとぎばなしの破片が 躰じゅうをぐちゃぐちゃにしてゆく
烈しい憎しみが 毒のように躰じゅうに廻り
喉の渇きに堪えられずに 海の水に口をつけた

夕暮れの公園 置き去りにされそう
雑踏に立ち尽くし 識った貌を必死にさがした

愛してほしい 愛してよ? そんなんじゃ全然足りない
ありのままの私を 愛してよ?
さもなきゃ きっと 逆恨みしちゃうよ?

何故独りぼっちなの 私は希まれない子供
眠剤bourbonで流し込んで 舗装された荒野に転げでる

もし此の境遇が 罰でも身に覚えがない
ね 優しかったパパは いつになったら お迎えに きてくれるの?



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