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ゾンビ in 早稲田 「2種類のカレーライスを食らう!」 1.

昼下がりの早稲田。

 

西早稲田の交差点から東南方面に200メートルほど進んだ早稲田通り沿いの路上パーキングに一台の車が駐車した。

真っ赤なイケてるスポーツカー(車種は不明)。

 

 カチャ・・・

 

ドアを開けて悠然と出てきたのは・・・

そう、奴だ!ゾンビィィィー!

 

そうなのだ、前回(中野富士見町のエスニック料理)のときにも触れたが彼はゾンビの分際で運転もするし、自身の車も所有しているのだ。

しかも赤いスポーツカーとは、なんたることか。

 

たま~にシャープな動きをするときがあるものの、基本的にはヨタヨタと足元すらおぼつかないはずなのだが、一体このゾンビはどうやって運転しているのだろうか。

 

それはそうと今回、彼が向かっているのはどうやらカレー屋らしい。

いつもは死んだ目をしているが・・・というか実際に死んでいるわけだが、 そんな彼が車から降りた途端に激しい視線をそのカレー屋に浴びせたからすぐにわかった。

 「ここに行きます!」と言わんばかりだ。

 

しかしながら、やはり歩きはおっそい。

横断歩道の信号が赤になって渡れずにちょっとイラつき気味。

やはり今日も飢えているようだ。

でも、赤信号を理解してちゃんと待っているし、周囲にいる人間も襲わずにしっかりルールを守って生活している君は実に素晴らしいゾンビだ。

 

そしてようやく待ちに待ったカレー屋に到着。

席に着いてメニューをしばらく眺めると、いつものように店員に注文。

 「う~、うぅ~」

またしても、唸っているだけなのだが、なぜかちゃんと注文が通る謎。

しかも手を挙げて店員を呼びやがった。

 


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ゾンビ in 早稲田 「2種類のカレーライスを食らう!」 2.

彼が注文したのは、インド風ポークカレーなるもの。

この店はどうやらタイカレーも出しているようだ。

このゾンビほんとカレー好きだな・・・

しかし前回はタイカレーだったせいか、今回はインド風でまとめてきやがった。

前回も紹介したようにタイとインドのカレーは性質が違う。

中にはタイでもパネンカレーのようにインド風に近いものもあるが、基本的に使われる材料、香辛料、調味料などに違いがある。

 

まぁ、そんなことは置いておいて話を戻そう。

ゾンビの食生活は実に興味深い。

とは言っても興味深いのはこのゾンビに限った話だが。

なぜなら大半のゾンビ達は人間や家畜を襲ってはただ食らうだけだ。

 

特に臓物が好きなようだが、それ以上に目新しいデータはなかった。

どいつもこいつも同じような奴らばかりなので、面白みもなく、研究も行き詰っていた。

そんな中で彼を発見したのだ。

他のゾンビとは全く違う。

そりゃそうだろう、なんせ運転したり店で金払ってメシを食ってるんだから。

なぜかお金もかなり持っているようだ。

あの車はかなりの値段がするだろう。

そして、なんと言ってもめちゃくちゃグルメだ。

ちゃんと「食」にこだわってやがる。

多くのゾンビーズは社会性も人間性もゼロ。

唯一、残ったものといえば「食べる」という欲求ぐらいだ。

しかもお決まりで人間や家畜を乱暴に襲っては生きたままがっつこうとする。

 

それに対してこいつはちゃんとお金を支払って、人間が作ったものを味わって食べている。

むしろ他のゾンビーズを見下しているかのようだ。

 「オレにはステイタスがあるんだぜ!」と。

ルックスと挙動以外はほとんど普通の人間に近いレベルにまで来ている。

脳は腐っているはずなのになぜ思考できるのだろうか。

カレーが好きなゾンビなんて聞いたことないし・・・


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ゾンビ in 早稲田 「2種類のカレーライスを食らう!」 3.

あっ、そうこうしているうちに料理が運ばれてきた。 

 「う~、ううう~」

おー、なんだかすごく嬉しそうだ。

良かったな、ゾンビ。

私もなんだか嬉しくなってきたぞ。

む、いつの間にかサラダまで頼んでる。

コールスローサラダか?

うっ、出た! やっぱり先にサラダから食べ始めやがった。

これまた食べる順ダイエットでやってるのか?

炭水化物を同時に摂取するカレーのような場合はそのダイエットはあまり意味がないが。

もっとも、食べる順ダイエットでサラダから先に食ってるのかどうかは本人にしか分からないことではある。

いずれにしても彼なりにこだわりがあるのだろう。

ライスは見るところ中盛りだな。

ゾンビだったら大盛りぐらい食えそうなもんだが。

おかしいな・・・いつもはもっとすごい量を食ってる気がするぞ。

そうか、ライスの量だけ多くてもルーとのバランスが崩れて困るってわけか。

残った白めしだけ食うのは嫌ってか。

ほんとなんなんだこのゾンビ。ふざけすぎてる。

 

どうやらサラダを食い終えたらしい。

いよいよカレーだな。

このポークカレーのルーはサラッとしてスープ状ではあるが色が黒っぽくて見るからにコクがあってうまそうだ。

ゾンビはスプーンでカレーを数回すくってライスに掛けると少し混ぜてから朽ち果て気味の口に流し込んだ。

-- う・ま・ウィーー! --

とスタン・ハンセンばりに今にも声が聴こえてきそうな、なんとも悦な表情をしている。

こうなるともう止まらない。

尋常ではないスプーンの動き。これが彼の不思議なところだ。

いつもはスローモーな動きのくせに食べることになると動きがやばい。

 

ちょっと引く・・・


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奥付



グルメなゾンビ②ゾンビin早稲田「2種類のカレーライスを食らう!」


http://p.booklog.jp/book/64064


著者 : うめ友紀ちゃん
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/zomzom-v/profile


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