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20131007近況飯エッセイ

 おやつに生八ツ橋を食べる。
あんこの甘さにニッキの香りが上品な一品だった。

 誰かからおみやげでもらっていたであろうものを、お下がりと
して頂いて帰る。もらった家族が甘いモノをあまり必要としない
タイプなので、甘いモノをとても必要とする私に譲ってくれた。
 食べ物の好みが同じだとここで取り合いになるところだが、う
まいこと住み分けができていて助かっている。

 買おうと思えば全国どこでも買えるのかもしれないけれど、生
八ツ橋といえばやはり京都土産だろう。生八ツ橋だけでも十二分
に京都らしいお土産なのに、求肥の抹茶味の方がより一層京都ら
しさを醸しだす。
 この様なお菓子なら全国どこの名産になってもおかしくないと
思うのだけれど、その他の地域に出かけてもお土産屋でその地域
ならではの生八ツ橋に出会ったことは、私は今のところ無い。全
国に仕事で出かける人ならば、出会っているのかもしれないけれ
ど。

 求肥の皮に香りをつけているニッキを味わうと、子供の頃食べ
て食べきることが出来なかったニッキのアメを思い出した。
祖父が食べているのをもらって食べたのだけれど、子供には刺激
が強くて、その辛さに吐き出してしまった。
辛さの中に甘さも感じていたのだが、耐え切ることが出来なく
て出してしまい、もったいないことをしたものだと想い出す。
 よく考えると、辛いアメとは実に斬新な味付けだと思う。
ニッキの味が辛かったのかニッキは香りだけで辛さは他のものの
味だったのかは、わからないけれど、確かにとても辛かったよう
に記憶している。私の記憶違いかも知れなくて、はっきりとしな
いところがもどかしいが。

 今度昔ながらのアメを扱っているお菓子屋さんを見つけたら、
ニッキのアメが売ってあるか探してみようと思います。

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最終更新日 : 2016-06-25 17:31:18

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20131008近況飯エッセイ

 おやつにチョコチップクッキーを食べる。
ほんのりシナモンの香りが漂う美味しい一品だった。

 今日食べたものはチョコチップの含有率がしっかりと書いてあ
って、12パーセントとのこと。一割以上チョコチップが入ってい
るので、どの一枚をとってもシッカリとチョコチップが入ってい
た。
 子供の頃食べていたチョコチップクッキーは、もっと混ぜ方が
荒いというかチョコ含有率が少ないというか、ハズレを取るとチ
ョコチップを探すのが難しい普通のクッキーのような一枚があっ
たように思う。
 今例にあげているチョコチップクッキーだけでなくて、あらゆ
るお菓子に昔は当たり外れがあったような記憶があるのだけれど。
製造に使われている機械が、今のものより大雑把に作るように出
来ていたのだろうか。
 当たり外れがあることは決して悪いことばかりではないと思う、
そのハズレに当たったことで一つ誰かと話す話題が増えるし、ハ
ズレを引いた相手とは親近感が高まるだろう。そういう点で言う
と、製品の仕上がりにばらつきが少なくてよくできた品物という
のも、ありがたくもあるが寂しくもあるのかもしれない。

 こういう工場生産品や、個性のない物の集まりを喩える時に、
どこを切っても同じ顔が出てくるということで、金太郎飴が喩え
に出されることがある。しかし、この喩えはいかがなものかと思
う。
 記号化されているとはいえ、複雑な人の顔を飴細工で再現した
ものが、どこを切っても同じであるとは思えない、観察不足なの
ではないだろうか。まあわかりやすい物のたとえなのだろうけれ
ども、今の時代ならコピー&ペーストのようだと言ったほうが、子
供にでもスマートフォンが普及しつつある今ならわかりやすいか
もしれない。

 安定して美味しく食べることが出来るのはとても有難いことだ
けれども、なにもかも完全に同じようにはならないのではないか
なと思います。とくに自然の産物については、当たり外れがある
ことが当たり前くらいに思っておいたほうが、気楽でいいような
気がします。

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最終更新日 : 2016-06-25 17:31:18

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20131010近況飯エッセイ

 昼食と夕食に鯖寿司を食べる。
パッと見た見た目が小さい枕のような、豪快な一品だった。

 毎年この時期は秋祭り、先日も地域の秋祭りでお宮さんに参っ
て宴会があったところ。私の家でも恒例の鯖寿司が作られた。
 鯖の半身の一番幅があるところに合わせて、もち米を炊いたご
飯で合わせた寿司飯をたっぷりと長方形に整えて、しばらく重し
を乗せてなじませたもの。鯖も酢で締めてあり、しっとりとして
いながらシッカリとした歯ざわりが美味しい。

 毎年とても美味しく頂いているのだけれど、鯖の尻尾の方に近
づくと、ほとんど寿司飯のおにぎりを食べているような感じにな
ってしまうのが、おもしろくもあり困ったところでもあり。
 なによりもそのご飯の量が食べる人を驚かせる、幅がさばの半
身の一番太くなったところと同じなら、それを切り分けた時の断
面の高さがそれの半分から3分の1位はある。かける重しの重さで
この高さは変わってくるし、時間が経てば更に縮むが、ご飯の量
が変わるわけではないので、5切れも食べればお腹いっぱいになっ
てくる。
 地方によっては鯖の半身に頭も付いているところがあるようだ
が、私の地方では頭までは付いていない。その点は少し豪快さに
かける感があるが、食べやすくていいと思う。

 今年もこの次期を迎えることが出来て、無事一年を過ごせたん
だなと感慨深く思います。

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最終更新日 : 2016-06-25 17:31:18

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20131012近況エッセイ

 食後に栗の渋皮煮を食べる。
秋の夕食を締めくくるにふさわしい一品だった。

 親族からもらったもので、手作りのありがたいもの。甘いもの
好きの私としては、嬉しくてもらった現場にいたら小躍りしてし
まったかもしれない。と言ったらいい過ぎか、しかしそれくらい
うれしくて美味しいものだった。

 茹でて食べるだけならば邪魔でしょうがない渋皮だけれど、渋
皮煮となればその名の通り主人公の仲間入り。しっとりと煮上げ
られた渋皮は、食べるうえで全く邪魔にならず、中の実を食べる
上での食感の違いを出すためにとてもいい働きをしているように
思う。
 多分渋皮と一緒に煮て作ることには、なにか他にも意味があっ
て伝わってきているのだろうけれども、今のところ知らない。
うまく煮ることで渋皮も美味しく食べることが出来るということ
と、渋皮を剥く面倒から解放されるというのが、渋皮煮のメリッ
トだろうと思う。大体渋皮を剥いて煮たら、ただの甘露煮になっ
てしまう。

 好みの問題はあるだろうけれども、甘露煮と渋皮煮を並べた時
に、甘露煮の方が食べやすいヒトが多くなるのではないかと思う。
渋皮の食感を良しとする人よりも、渋皮のない栗の身のみを食べ
る方がいい人が多いと、他の果物の皮を剥いて食べることから思
う。
 けれど、今取れる旬の栗を食べている気分を味わうなら、断然
渋皮煮のほうが雰囲気が出るのではないだろうか。

 また来年も渋皮煮が食べられますように、秋らしくない暑さを
なんとか乗り切りたいと思います。

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最終更新日 : 2016-06-25 17:31:18

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20131014近況飯エッセイ

 昼食に豚丼を食べる。
甘辛い味付けがされた豚肉の旨味が引き立つ一品だった。

 入っていた具材は、
豚肉
たまねぎ
そしてうえにかけた刻みネギ。
 普段ならばネギは無かったところだけれども、今日は新鮮なネ
ギが手に入ったために、刻んで用意してくれてあった。

 豚肉とたまねぎを甘辛く似たものだけでも、十二分に美味しく
て嬉しいのだけれども、ネギの味と香りが加わることでより一層
美味しさの深みがましたように思える。
 ネギの辛味が甘辛い味付けを引き締めて、食べた後口が爽やか
になっていたように思う。香りも同様に食後をさっぱりとさせる
に、とてもいい組み合わせだと思う。ネギが苦手な人にはツライ
組み合わせだろうが、お互いを引き立て合う具材だと思う。

 牛肉が好きな人は牛丼の方がいいのだろうが、牛が体質的にあ
まり得意でない私は豚丼の方がありがたい。牛肉のあわないもの
に当たると、その肉の匂いだけで食べるのが辛い時があるが、豚
肉は大抵のものが美味しく食べることができる。
 少し前に、牛肉に大きな問題がでた時には、牛丼のチェーン店
でも豚丼がメインのメニューのように扱われていた。今でもメニ
ューに残っているようだけれども、コマーシャルでも前面に押し
出されているのは牛丼に戻っている。
 無理して生き物を育てると、あまりいいことが無いという教訓
になったと、あの時の騒動を思い出して思う。

 夕食にカレーを食べる。
いつ食べても美味しい一品だった。

 家族が辛いモノを食べることが出来ないので、カレーだけは辛
いほうが美味しいと思う私としては、甘口のカレーはいつも物足
りない。
 家族に言わせると、辛いカレーを食べたければ自分のお皿に持
ってから唐辛子を振ればいいではないかとのこと。

 違うんだなぁ、まったくもって違う。そうではないのである。
ルーを入れて煮込む段階からスパイスを入れることで、味が馴染
みつつ辛味が出るのであって、ただたんに唐辛子の辛さを味わい
たいわけではないのに…。
 誰かと生きるというのは難しいと思います。

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最終更新日 : 2016-06-25 17:31:18


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