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12

どれだけあるいてきただろう にぎりしめた手と手ははなれない
ここは見わたすばかりの砂の国 二人に帰るすべはない
歩く二人の足もとで とおくちかくにこえがする
つきよのひかりにてらされた ふしぎなふくろうのこえがする
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13

ほうほうほう ごろごろ ほうほうほう
こんやはとくべつなつきのよる
ひときわ光る星のもと
子どもをさがすひとのこえ
ほうごろごろ ほうごろ ほうほうほう
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14

砂のおかをこえてゆく にぎりしめた手と手ははなれない
子どもたちはあるく ひときわ光る星をめじるしにして
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15

やがて砂の向こうに ろばを連れたふたりのひとが
ふたりの子どもをみつけます つかれはてたかおをして
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16

ここは見わたすばかりの砂の国 にぎりしめた手と手は
いまは安らかなむねのなか ふたりの兄妹はろばのうえ