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ようこそ、詩の個展へ


真っ黒な整列

 
 
 
指先に残る感触
現実感以上の幻想感
痺れるような弛緩が止まない直後
 
 
人差し指と親指が反射した
いや、決断した
正義という大義の下で
防衛という前提の下で   なされた
 
 
論理的な思考とも思えぬ一連の帰結
感情的な思考とも思えぬ一連の帰結
理性的な思考とも思えぬ一連の帰結
人間的な思考とも思えぬ一連の帰結
 
 
刹那  突っ伏した背中
刹那  湧き上がった安堵
刹那  淀んだ背景色
 
 
 

君がいなきゃ

 
 
君がいなきゃ
醤油さしがどこにあるかわからない
 
 
君がいなきゃ
大好物の中トロもさほどおいしくない
 
 
君がいなきゃ
窓の花もそんなに綺麗と思えない
 
 
君がいなきゃ
チャンネルの取り合いもできない
 
 
君がいなきゃ
トイレ掃除のじゃんけんもできない
 
 
君がいなきゃ
「風呂、先入る?」って聞くこともできない
 
 
別れて
はじめて ようやく  気づいた
 
 
君がいなきゃ
日々のすべては 平凡なまま
 
 
笑っちゃうよ
笑っちゃっていいよ
 
 
どうやら
僕という僕らしさは
僕のものではなく 君のもの だったみたい
 
 

北東の水族館

 
 
「キレイ」
そう指差す先にあるものを
同じように
キレイと思えなくなって久しい
 
 
自分で精一杯
半径1メートルの事さえボンヤリ
そんな時にも
作為のない共感で
「ほんとキレイだね」と
相槌を打っていた自分がちょっと懐かしい
 
 
帰りの地下鉄で
僕らの前に座っていた五十過ぎの男性
両手に荷物をもったおばあさんが来るなり
さっと立ち上がって
無言の右手で席に座るよう促し
隣の車両へ歩いていった
 
 
あんな風に
器用に スマートに
これから僕は
キミのために 誰かのために
何かを 真っ直ぐにしてあげられるのかな
「してあげる」
という上から目線を拭い去れるのかな
 
 
何1つ不自由なんてないのに
何1つ不自由なんてないからこそ
些細なことで苛立ってばかり
そんな自分にタメ息ばかり
 
 
それでもキミは
この心の奥を知って知らずか
狐の嫁入りのような声で
「また、いっしょに行こうね」と
この手をそっと握ってくれた
 
 

 
 
 
澄み切った青を見上げる午前 可能性の渦が西の彼方によぎる
単調な予告を告げる明日が東の彼方に漂う

変化の乏しい迷路の中で残り時間を地図をなくして消化
秋の風の中 飛ぶトンボに優しく語る
どこに行きたいのかわからない もう明日にときめかない
どうすればいいのかわからない 昨日の積み重ねを繰り返している

意味があるのかないのか2択ならば「ある」と答えるしかない日常
「ない」と答える権利はあると言われるが言わずもがなと暗黙の了解を強要される

憧れは明確なのに方法論を掴みにいく勇気を持てずに過ごしている
遅すぎることはないと言い聞かせたところで夢は夢物語のまま
変えれない過去に捕らわれたまま

渋り出される未来 欠片に託された無数の光
針に触れようとする仕草 それは中枢を握るようにも見える

どんなに遠く投げられても どんなに深く掠れても 美しさは永遠に

時よ流れてしまえ 願い続けた9月の2限
屋上に駆け上り 仰向けで抱きしめた秋空
浮遊する 手を広げ 滑空するかのよう

最果てがあるのなら今すぐ飛んでいきたい
辿り着ける確証があるのなら歩いてでもいきたい
始まりも終わりもない世界に
 
 
 
                


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