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同和事業の黄昏を見つめる怨念の「糾弾地蔵」―鳥取県岩美町

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同和事業の黄昏を見つめる怨念の「糾弾地蔵」―鳥取県岩美町

鳥取県の観光地の代表格である鳥取砂丘。その東の端には駟馳山しちやまがあり、その南山麓を通る国道九号線駟馳山峠は鳥取市と岩美郡いわみぐん岩美町いわみちょうの境界だ。鳥取砂丘から京都府の丹後半島に至るまでの海岸地帯は山陰海岸国立公園に指定されており、二〇一〇年には世界ジオパークに認定された。

ジオパークの絶景を見たければ駟馳山峠を越えた後に左へ曲がって海岸沿いを通る国道一七八号線に入るのが正解だ。砂丘とは打って変わって険しい絶壁のある海岸が続く。波による侵食で出来た奇岩が連なり、海岸沿いをドライブするだけでも楽しめるが、時間があれば遊覧船に載って海から眺めればまた格別だ。

しかし、筆者はそのまままっすぐ九号線を進み、岩美町の中心部へと入った。その途中、役場の方向を示す標識に従って交差点を曲がると、「ジオパークに部落差別は、にあわない」という青い文字の看板が目に飛び込む。どうせ、同和べったりの自治体の人権スローガンの類だろうと、車を止めてよく見ると、そこには異様な光景が広がっていた。

部落解放運動のシンボルである赤い荊冠けいかんがデカデカと描かれた大きな看板、これまた黒地に赤い荊冠が描かれた石碑、さらに赤い荊冠を手にした地蔵が二つあり、台座にはそれぞれ「人権地蔵」「糾弾地蔵」と書かれている。さらに「差別はやめろ!」「今すぐ部落差別をやめて下さい」という叫びなどが書かれた石碑がいくつもある。地蔵にしても石碑にしても、単なるハリボテではなく、全体が御影石みかげいしで作られた立派なものだ。

なぜ、ここにこんな物が存在するのか。それを説明する前に、今から一〇年以上前に行われた、ある糾弾のことから話をすすめよう。

赤い荊冠を手にした「糾弾地蔵」。御影石で作られ、人の背丈ほどもある立派なものだ。


糾弾を目にして解放同盟を離れた民青同盟員

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